大人になると、子どもの頃より、なぜ1日や1年が短く感じられるのだろうか?同じ1時間が、遊んでいるとあっという間に過ぎ、退屈な会議ではなかなか終わらないのは、なぜなのだろう?物理的な時間とは異なる、人間の感じる時間の流れには、どんな特徴があるのだろうか―。時間をめぐる身近な疑問をもとに、人間が体験する時間の不思議について、事例や図版を挙げながら分かりやすく解き明かす。忙しい現代社会で、時間とうまく付き合う方法も伝授。
内容 「BOOK」データベースより
「大人の時間はなぜ短いのか」題名が好奇心を沸き立たせる!大人であれば誰しもが思い疑問に感じる時間の不思議に科学的な視点で切り込む本書を読めばきっと時間に対する概念そのものが変わるでしょう。非常に面白い一冊です、題名を額面どおりに考えるとちょっとした科学系の雑学本のような印象をもってしまいそうですが中身は全く違います、専門は実験心理学・人間の知覚認知過程や感性の特性について研究をなさる筆者ならではの科学的考察のぎっしり詰った内容の濃い一冊です。“時間”といった概念そのものが生物学・物理学・医学・生理学・哲学・文学・社会学など様々な分野の視点や角度から検証可能であり、それぞれの分野で根本的な問題提起を出す珍しい研究材料であるという事に加え人間の外界に対する“認知”や“知覚”のメカニズムが紹介されています、その上で人間が“時間”を“認知”“知覚”する時の心理面での考察や研究に関する記述が主な構成となっています。本来ならば学術的にもとてつものなく深い内容であるこれらの事を図解を交えながら素人や初心者にも理解し易くまとめている所が本書のグッドポイントです。タイトルのラフさに比べると理路整然と並ぶ科学的考察を前に少し重たく感じてしまう読者も多いかもしれませんが、本書で取り上げられる様々な“時間”の中にある“道具としての時間”に関する記述は現代社会を生きる人にとって身に着けて損はない知識の一つと言えます、“時間”に関する知識を増やすだけはなくて実用書として使用できるのではないかと感じました。人間と時間という切っても切り離せない事象の考察をされておられる筆者ならではの人間像であったり理想の時間との付き合い方の様な記述には素直に納得できるものが多く、特に高度情報化社会における人間そのものの限界のようなものを感じさせる部分は実に科学的な考察で関心した。科学とは常に限界を突破する分野であると考えがちであるが、むしろ人間の現状把握や限界を知る学問であると再認識させられる想いである。科学の進歩と共に見えてくる人間の限界や到達点のようなもの、無限や荒唐無稽とは違うリアルな未来を垣間見れるのもサイエンス作品の良さ!
