その昔。少女は、病室できいろいゾウと出会った。青年は、飛ばない鳥を背中に刻んだ。月日は流れ、都
会に住む一組の若い夫婦が、田舎の村にやってきた。妻の名前は、妻利愛子。夫の名前は武辜歩。ツマ、
ムコさんと呼び合う、仲のよいふたりだった。物語が、いま、はじまる。最新にして最深の、恋愛長編小説。
内容 「BOOK」データベースより
「きいろいゾウ」は2013.2.2ロードショー絶賛放映中、私は2011年夏に一度読んでいますが当時の帯に
“いつか、この小説の「ツマ」役を演じてみたいです。宮﨑あおい”とありました。原作又は宮﨑あおいファン
には待ちに待った映画化である事はいうまでもありません、映画化決定する以前から映画化はするものだ
と思っていたしツマ役も当然内定していた(ファン心理)ためこれほど楽しみに映画館に足を運んだのは初
めてと言っても過言ではありません。本ブログも原作検索よりも映画検索でヒットする事になるでしょうから
原作紹介だけでなく映画鑑賞も視野に本書を紹介できればなと思います(ネタバレ自重します・・・)
映画だけを観た人は少し戸惑っちゃうかもしれませんね、同席した私の友人がそうだったのですが、やはり
本書の中核ともいえるツマとムコ。一風変わった独特のキャラクターですので原作(先入観)を持たずに観る
と不可解に映るようです。特にツマは一般的な感性とは懸け離れた特殊な存在として描かれているだけに
映画でも不思議ちゃんキャラ全開に映ってしまい極端な解釈をする人からすればイタい人と取られてしまう
可能性すらある事でしょう。この不思議なツマを解釈するのにはやはり原作が最適です。原作「きいろいゾ
ウ」は一日の出来事をツマの思い出パートとムコの日記パートから綴る構成になっています、同じ一日同じ
瞬間を過ごす二人ですが感じている事や思っている事が時に同調したり時に真逆だったりする所が楽しめ
るテイストになっています、ですので映画を観て疑問に思った場面や台詞なんかがあれば原作の同じ箇所
をめくるとその時にツマやムコが何を想っていたのかが解る事でしょう。また原作を読む事で演者が語らず
に伝えたかった仕草や表情なんかを感じ取る事ができるので映画をより一層楽しめるのではないかなぁと
思います。ネタバレは控えたい所だが私の好きだった映画のワンシーンはツマのごんた(強情)いうシーン
ですね!ここは原作読者ならばツマが確信犯的にごんたを言ってるなと悟る事ができるのでニヤリと出来る
場面ですね、私は更にファン心理もあいまって宮﨑あおいさんの演技スンゲェーと思ってしまった場面でも
あります(余談)。映画で感動された方も多いと思いますが、映画は2時間という限られた制限での作品で
すのでどうしても性急さが必要とされます、本来ほのぼのまったりとしたテイストの原作ですので映画化
されなかった場面も大事にしたいところです。原作で私が好きなワンシーンとして自動販売機に張り紙っ
て出来事があります、ツマとムコの夫婦像を表す素敵な小エピソードですので、そういった小さな出来事
を原作では楽しんでいただきたいところですね。また若干の映画批判となりますが、視覚的嗜好性の強い
映画作品はどうしてもビジュアル面が求められるのか原作のイメージとかけ離れている印象を受ける、こ
れはあくまで個々人の作品イメージの程度による差なので永遠に埋める事の出来ない溝ではあるが・・・
W主演の二人、丸坊主やないムコさんにオシャレなツマ・・・“さかえ”で買いもんしてる二人とは思えへん
し、なんといってもセイカさんが松原智恵子さんだなんて美し過ぎるわ・・・鼻くそほじっててほしかった。
オシャレって考えをお腹の中に忘れて生まれた夫婦やぁって設定やったのになぁ・・・柄本明さんが演じ
たアレチさん!あれやねんなぁ~この原作って、あんな感じやねんなぁ~って思いながら観ていた読者も
多かったんやないやろうか・・・映画と原作の相違点なんて探し出したらキリないし意味ない事やけども、
やっぱり読み比べ見比べが面白いやんね。さてさて、途中からお気づきでしょうが、ブログが関西弁にな
ってますw「きいろいゾウ」は関西弁?が登場します、関西弁も地方によって様々異なるイントネーション
をもっているのですが(私なんかは奈良弁)映画の関西弁(特に主演2人)は若干スマートで上品な関西
弁ですねぇおそらく京都寄りの本音言うてんの?って思っちゃうような関西弁(京都の人偏見ごめんなさい)
でしたねw色々秘密を隠してる二人って事だから丁度いいチョイスやろうけど、大阪のシアターで見ただけ
になんとなく冷めた目で見てる観客が多いんちゃうかなぁ~なんて思っちゃったのものです、関西人っての
はなんでか自分の肌にあわへん関西弁に拒否反応を示すもんやからね・・・不思議なもんです・・・
さて、原作には当然イントネーションなんてものは存在しませんので読者思い思いの関西弁で楽しんで
ください、映画観てから読んだ人には難しい作業ではありますが標準語で書かれていない作品ならでは
の楽しみ方ができるのも「きいろいゾウ」原作のグッドポイントだと思います。映画・原作共に楽しんでいた
だきたい作品ですね。最後に、僕は“つよしよわし”の物語“魂(中身)と肉体(器)”の表現がカットされてい
た事が少し寂しい思いをしました。
