国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。その開発者が殺害された。神楽龍平はシステムを使って犯人を突き止めようとするが、コンピュータが示したのは何と彼の名前だった。革命的システムの裏に隠された陰謀とは?鍵を握るのは謎のプログラムと、もう一人の“彼”。果たして神楽は警察の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。
内容 「BOOK」データベースより
「ガリレオ」「加賀恭一郎」シリーズと一般的知名度の高いミステリー作品を生み出す東野圭吾が描く科学ミステリー作品。2012.7.5文庫化・2013.3.16 ROADSHOWで今書店を賑わす話題文庫作品の一つ。私は、映画の予告CM「プラチナデータ」原作東野圭吾!とでた瞬間に購入しようと決めた。以前書店で見かけた時はそれ程惹かれはしなかったのだが視覚情報恐るべし!今や映画化やテレビドラマ化の際に関係各局からオファーが殺到する押しも押されぬ人気作家である東野圭吾作品はやっぱり物凄いものだった。未解決事件の突破口であったり過去の冤罪証明など現実社会でも評価が高まってきているDNA捜査、今作「プラチナデータ」ではこのDNA捜査技術が格段の進歩を遂げる画期的なシステムが構築されたという設定になっています、DNAから容姿はおろか身体的特徴まで検索可能となり近親者のデータさえあれば確実に犯人に辿りつくという超システム!ただし国家が個人の遺伝子を管理するといった近未来型データ管理社会の恐怖の始まりの舞台でもあります。この点ではジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」の中で描かれたデータ社会に似た怖さを感じました。作中でも管理社会への恐怖を描いた作品を匂わせる場面が登場しますので似たテイストの作品を読まれた読者は色々と作品を思い描くのではないでしょうか?私はジョージ・オーウェル「1984年」が真っ先に浮かびました、管理社会作品の中で飛びぬけて怖い作品。ただ管理社会の恐怖ってだけではなく科学と人間の有り様を描く事に長けているのが東野圭吾作品の良い所ですね、ネタバレは伏せますが内容にある、もう一人の“彼”は非常に大事な演出でして、科学の前で人の心はどうあるべきかを考えさせるにこれ以上無い手法だと言えます。おそらくこのスパイスを効かせる具合が他の推理ミステリー作家さんと一線を画する所ではないだろうか?などと勝手に考察してみる。東野圭吾作品を網羅しているわけでは無いので的外れかもしれないが、今作で非常に興味深かった事はミステリーの規模である、DNA捜査システムが題材なだけに国家規模での物語展開となっており東野作品では珍しい大局的な渦を感じさせる作品となっている、容疑者にして事件の真相に迫ろうとする主人公は個人として組織・陰謀に立ち向かってゆく壮大なストーリーに仕上がっておりハラハラドキドキは一級品である。他作品と比較はおこがましいが井坂幸太郎さん「ゴールデンスランバー」等を好む人にはオススメの作品かもしれない。探偵もの刑事ものが多い東野圭吾テイストは健在で、同じく事件の真相を追う主人公の一人浅間刑事がとても魅力的だ、映画では豊川悦司さんが演じる事になるそうですが原作から受けた印象は若気の至り全開の青春刑事って印象!見逃せない人物の一人であるので注目ポイントです。
関連リンク ´д`)つ 1984年 ゴールデンスランバー
