『天地明察』 冲方 丁 | ほんとなかよし

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徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。 即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。 改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。 碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。 彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く―。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。


内容 「BOOK」データベースより


本棚をみると「本屋大賞」選考上位作品が数冊、第一回だけでも「博士の愛した数式」「重力ピエロ」「4TEEN」どれもが印象深く、楽しませてくれた作品ばかりのような気がします。「天地明察」は第七回本屋大賞受賞作。「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」と銘打ちメディアミックス戦略等で莫大な興行収入を生む本屋大賞、今や直木賞や芥川賞といった正等文学賞よりも一般読者には注目されるようになった文学賞、メディアミックス(映画化アニメ化)に否定的な作家や作品が選出されなくなるのではないか?とか過去の人気を博した作家が乱立するだけだ等の商業主義的側面を批判する意見もあるが、「本屋大賞」のラベルは簡単に流行小説を知る判断基準として申し分ないし、実際に作品にブランド価値を与えているのだから凄いと思う。書店員の売りたい!=読んでもらいたい!気持ちが支えになっている限り栄えある賞として光り輝く事でしょう。「天地明察」は・・・四字熟語が美しい小説。甲論乙駁、乾坤一擲など知ってはいるけども日常会話でなかなか使用頻度が少ない言葉が、適材適所に盛り込まれていて面白いなと感じた。養老孟司さんの解説では、著者が若い!それゆえのさっぱりした文体とスマートな物語構成を賞賛。とあります、このさっぱり感の一因が四字熟語ではないかな?と私は感じました。長い解説や会話をあえて省いて四字熟語ひとつで見事に表現!文字を省略する若者世代の支持も得られそうですし、それでいて要所は失われていない四字熟語恐るべし。物語は、武家の生き方が変遷する時代、改暦という大革命の話である事から人類の進歩を感じさせ、改暦に携わる人々から様々な想いを託される主人公晴海に胸が熱くなる時代ロマン小説となっています、色々な人物が登場しますが特筆すべきは良妻“えん”、古風な夫を支える妻ではなく夫を奮い立たせ導くタイプの妻像は現代的感覚にピタリとはまる理想の妻で、きっと好感を持ってしまう事間違いなしでしょう。紆余曲折を経て紡がれる二人の物語は改暦といった本筋に引けを取らない重要な物語ですので必見。作品は時代の流れを意識している事もあり、人が想いを託し託されといった展開が多く、大切なものを受継いでいくといった事に価値観を見出す人には共感できる作風です。また悲しい別れ(死別)なども多いのですが、淡白でいて小奇麗に纏めた書き方が多いので、悲しいというよりも感動に近い味が出ていてグッド。読後に清涼感溢れ少しの濁りも感じない美しくも情熱溢れる男の一生を描いた一冊。メディアミックスの映画も楽しみな作品。



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