獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリス・スターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが―。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する“悪の金字塔”。新訳。
新たに誘拐されたのは上院議員の娘だった。捜査当局をはさみ、犯人の特定をめぐって議員とレクターとの間で取引きが進行する。だが、その過程でレクターは秘かにある計画を練っていた。一方、クラリスはレクターとの会話を咀嚼し、犠牲者の身辺を洗うことで、しだいに“バッファロウ・ビル”に肉薄してゆく―。稀代の“悪”と対峙し、内なる暗黒とも戦う彼女が迎える壮絶な終幕。「このミステリーがすごい!」1989年版海外編、週刊文春20世紀傑作ミステリーベスト10海外部門、NPRスリラー小説史上ベスト100・1位。
内容 「BOOK」データベースより
映画「羊たちの沈黙」は、サイコ・ホラー部門で評論・ランキングするとトップ10入りを必ず果たす名作。その原作を読むきっかけとなったのは、児玉 清さん著「寝ても覚めても本の虫」での紹介文でした。トマス・ハリスは寡作な作家、片手程度の作品本数に関わらず全てがハリウッド化される大ヒットを記録。内4作を占めるハンニバル・レクター博士の物語は、続編を飽きる事なく読ませる名作として名高い・・・「羊たちの沈黙」はレクター博士4部作の第2部作品であります、書店で第1部「レッド・ドラゴン」が店頭在庫なしの場合が多い(これは映画の興行収入による商業主義的な感じがしてならない・・・)ので第1部から読みたい人は注意くだされ。さて、「羊たちの沈黙」は、連続殺人犯を追うBFI行動科学課課長ジャック・クロフォードの指示のもとFBIの訓練生クラリス・スターリングが、精神医学博士であり連続殺人犯として服役中のハンニバル・レクター博士に事件の助言を請う場面から始まるサイコサスペンス。FIBは連続殺人犯バッファロー・ビルを捕まえることが出来るのか?レクター博士大車輪の活躍に注目!作品を紹介する際に、登場人物が魅力的といった表現をする事が多い・・・が、「羊たちの沈黙」にこそ与えられるべき言葉だと感じる、実在の猟奇殺人犯がモチーフとなっているレクター博士とバッファロー・ビル(前者はヘンリー・リー・ルーカス:大量殺人犯で自らの事件を捜査するFBIを助けた事で有名、後者はエド・ゲイン、テッド・バンディ等で紹介するに憚る程の凄惨猟奇殺人鬼ばかり・・・)は設定条件だけでも魅力もしくは魔力を秘めたキャラクターである、この2名が強烈に個性を放っているだけならば凡作と呼ばれていたかもしれない・・・トマス・ハリスの描く登場人物は皆がこの強烈なキャラクターに負けずに読者の心に残るから不思議である。筆頭がFBI側の師弟ジャックとクラリスだろう。部下から絶対の信頼を抱かれ冷静沈着な状況判断と支持を出すジャック、頼れる上司像そのものでありながらも悲しい私生活を送り去就漂う雰囲気も持ち合わせている、そしてレクターとの奇妙な因縁模様も面白い。その部下クラリスが素敵な女性だ、情熱的で真っ直ぐ!だが知的でクールな一面も光る、唯一レクターに気に入られた?彼女が見せる行動力や心情は読者の胸を熱くさせる。殺人犯2名にFBI2名が主軸の物語ではあるが、他の脇役達も凄い!FBIに登場する面々はもちろん、読者の誰しもが腹立ちを覚えるであろうレクター博士収容所の所長チルトン!レクター博士と不思議な関係を築いている用務員バーニー・・・挙げてゆけばきりがない!バッファロー・ビルの被害者一人ひとりにすら愛着を持ってしまう、言ってみればこれら登場人物達と出会うだけでもこの本の価値はあるんじゃないだろうかと思えてくるんだから凄い。サイコ・サスペンス小説を読むならば外せない一冊「羊たちの沈黙」。そんじょそこらのホラー作品では味わえない不気味さに魅了される事間違いなし!
※猟奇的な表現が含まれていますので、それ相応の覚悟をもって読む必要もあると思いますので注意。
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