“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。
内容 「BOOK」データベースより
世界的評価としては欧米圏を中心に小説100選に選ばれる等非常に評価の高い作品、映画・音楽・小説などに影響を与えた作品ですが、現代日本における一般読者に認知されるようになったのは同名異字の小説「1Q84」村上春樹氏の影響が強いと思われます。「1Q84」が紹介される際に必ず同名タイトルとして名が挙がる小説として注目されたのか2009年を境に書店で表紙面販売をされる程に人気書扱いされています。新しく手に取る読者の大半が「1Q84」経由では無いかと言っても過言ではなく、私もその一人。作中に描かれる1984年は、ファシズムや全体主義といった思想の延長線上にある究極の形態を体現した国家に生きる一人の男の伝記。「二重思考(ダブルシンク)」や「ニュースピーク」といったオーウェルの造語が作中に登場するが、新しい概念・思想として緻密に作り上げられた用語として普遍的に存在しているかの如く読者に伝わってくるのが凄い。一つの国家や思想といったものが書物の中に存在しており読者を世界に引き摺り込む印象はSF作品のそれに近いが、ある種の思想書として読む楽しみ方も出来る作品だと思います。1984年を舞台に1948年に書かれた本ではありますが、現代社会における監視社会の恐怖とも読み取ることが出来る作品ですので進行形で楽しめる一冊。
ちなみにオーウェルは全体主義に批判的な立場で執筆しているため一般読者が求めるような生ぬるい展開を迎えるわけではありませんので注意が必要です。読書中何度もどないやって終らすねんと呟いたものです・・・しかも附録が無ければ、いったいどうなっていた事やら。附録は秀逸ですので是非お読みくださいまし。未来から過去の1984年を描いた「1Q84」、過去から未来の1984年を描いた「1984年」どちらも素晴らしい1984年ですので両作読書をオススメしたいと思います。比較検討とは恐れ多いでしょうが、私は男女の破局とは異なる独特の喪失感が両作共通していたなと感じました、その他にも少々・・・同名異字タイトルだからこそできる読書の楽しみ方があるのではないでしょうか?私が2才の年の物語。
