親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
内容 「BOOK」データベースより
湊 かなえさんを一躍有名にさせたのは第六回本屋大賞受賞作で映画化された「告白」。衝撃的な物語と迫真の演技を魅せた松 たか子さんの強烈なイメージが多くの観客や読者の心に残っている作品。映画の豆知識、現在人気子役芦田 愛菜ちゃんが出演しています(私は当時全く知らず観ていました)「少女」は“死の瞬間を見たい”衝動に駆られた2人の少女が、それぞれの方法で死の瞬間に近づくべく奮闘?奔走する物語。死の瞬間に近づけば近づくほどに絡み合う生の運命模様が素晴らしい、全ての話題や登場人物は必ず何かしらの絡みを持って展開するので読者を飽きさせない。またミステリー(謎)として冒頭部分は誰のこと?と先読みして楽しむ事も出来るし、物語の意外な展開にエンターテイメント性を見出す事も出来る作品となっています。“死の瞬間”の果ての少女達に訪れた世界は必見。ダークテイストは先の「告白」と同様ですが、「少女」の方が大衆受けしそうな印象。紹介文を読めば良い印象は受けませんが、友情や親友といった美しい物語が含まれた作品ですので読後に不快感は無いと思います。湊 かなえさんの綺麗事で終らない独特のニヒリズムは好き嫌いが分かれるかと思いますが、読者の心をキャチするセンスが抜群に高い作家さんだと思いますので、しっかりと不快感を感じて感動へとシフト、そして意外な展開に驚くといった素直な感情を沸き立たせてくれますのである意味で安心して読める作家さんではないでしょうか?以後の作品も文庫化されればどんどん読んでいきたいです。“死の瞬間”を渇望する、と言えば不謹慎と感じる大人になってしまった私ですが、思い返せば思春期の頃にそういった時期が私にもあったなぁと思う。パソコンが一般家電として普及した時期でしたか、今でこそ規制や注目されている「自殺サイト」や「死体サイト」が海外サーバーを隠れ蓑になんて事なく普通に見れてしまうような時期でもあったので・・・貪るように魅入っていた時期を思い返してゾッとします。死は不思議なもので、当たり前の様に存在するのに興味や関心を持たねば触れる事が出来ないものとなりつつあります、これは現代特有と言う人もいますが・・・読書で死に触れる。それも現代の一つの形なのかもしれませんね。