「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。
内容 「BOOK」データベースより
“偽善”と聞いて新書好きの読者は、TVでも人気の武田邦彦氏の偽善シリーズが思い浮かぶのではないでしょうか?偽善シリーズの面白さは正しいと思って信じていた事が実は騙されていたり、無価値な事なだよと悟らせてくれる無知を体験できる所にあります・・・また武田氏の作品では地震大国日本における原発の危険性が既に想定内で描かれていた事も多くの読者が氏を評価するポイントでもあります。そんなベストセラー“偽善”の名前にあやかった(実際あやかったのかは知りませんが・・・)本書に手を出すのは若干の抵抗があったのも事実です、二番煎じの書物はオリジナルほどに面白くないのが常ですから。実際に読んでみて、やはり専門性の強い医療の世界を現役の医師の目線で偽善を暴く話は愉快痛快でした、言われてみてごもっともな話題も多く、人情を基本として展開される理論武装は納得以前に感情を揺さぶられます。「人情は、『倫理』や規則よりも上位である」このメッセージが本書の全てを表しているように思えますし、実際素直に受け取る事が出来る内容になっていると思います。この医者にならば自分を任せても良いなと感じる読者も多くいるのではないでしょうか(残念ながら私は思いませんでしたが・・・)一つだけ本書に苦言を呈するならば、言葉遣いで損をしているなと印象を受けます。大衆迎合のマスコミ批判を底に持つ作者ですので万人受けなど糞くらえの姿勢なのかもしれませんが・・・同じ事柄を書くにあたって言葉尻一つで印象がガラっと変わるのに残念だなぁと思ってしまいました。偽善を暴く姿勢は武田氏の偽善シリーズと同じく素晴らしい内容だと思います、しかい書き方で受ける印象が全然違いました。武田氏の偽善シリーズが「貴方は無知です、勉強しましょう!」に対して本書は「貴方は無知なんですよ!馬鹿ですね!」と言われているような雰囲気。人情などと人の心を理解したフリをする人間であるならば先ず他人に対する煽り文句等は使わないようにするべきだと思います。読んでいて不快に感じる人もいたのではないでしょうか・・・そういった文章スタイルを差し置いて医療に関する知識としては十二分に役立つ書物である事は違いありませんので安心して偽善作品を味わってください。
