若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は…。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」。モスクワへの帰郷を夢見ながら、次第に出口のない現実に追い込まれていく「三人姉妹」。生きていくことの悲劇を描いたチェーホフの傑作戯曲二編。
内容 「BOOK」データベースより
チェーホフといえば、現代作品でもたびたび引用されるほど有名な作家、ロシア文学黄金期トルストイやドストエフスキーらと同世代を生きた人物で、この2人が長編作家ならば、チェーホフは短編作家なイメージがあります。此度「ワーニャ伯父さん」を手にした経緯は、まず村上春樹訳の本を読みたくなって探していたところ、「愛について語るときに我々の語ること」を発見、よく聴く名作だと関心をもったところ原作者レイモンド・カーヴァーが影響を受けた作家がチェーホフであると知り購入に至ったのでございます。こういった名作家・名作に関心を持ち始めると周囲の状況や関連書物も気になって連鎖反応が起きる事が度々起ります!これも読書の醍醐味と言えますね。ちなみにチェーホフは盗作騒動を起す程にトルストイに傾倒していたとの事ですので、チェーホフ作品にピンときてトルストイを読んでない方は流れていくのも面白いと思いますよ~♪さて、肝心の「ワーニャ伯父さん」を読んで・・・一言で表現すると、人生の生きる意味を問う作品。でしょうか?それも虚しく問う印象を受けます、けっして答えを得るわけでもなく、期待するでもなく登場人物が自らの人生を振り返り、未だ見ぬ未来に思いを馳せながら人生の意味を生きる意味を問いかけている。人生を犠牲にしてまで心酔し崇拝した人物が凡愚であった事を悟った男の人生を描く「ワーニャ伯父さん」老い、時勢、時代の流れの中で取り残され、選択肢を失っていく環境に追い込まれた「三人姉妹」二つの短編の根底に繋がる閉塞感は息が詰まるだけでなく、人生を考える上で誰しもが感じざるを得ない不自由な世界を描いています。終幕部分は両作品共に絶望の淵となっていますが、その後の生き方部分は読者
が埋めていかねばならぬように感じます。「生き抜きましょう、長い日々を、長い夜を生き抜きましょう」そう言わねばならなかったソーニャ、そう慰められねばならなかったワーニャ伯父さんに読者が回答を与えてあげねばならない作品だと思います。自分なりの人生観をぶつける事が出来る作品は良いものだと思います。最後に、「ワーニャ伯父さん」のように戯曲形式の作品の面白い所♪基本的に台本のような形式の作品です。シェークスピアの作品に馴染みある方ならば問題なく読めると思いますが、描写や背景説明などが少ないのでそれなりに想像力が必要とされるので好き嫌いが分かれる所だと思います。しかし台詞ばかりで構成されていますので「格言」や「名言」といったものが好きな方にはたまらない宝の山となるでしょう。お気に入りの名言や格言を探してみる!戯曲系作品ならではの楽しみ方を覚えるとやみつきになっちゃいますよ^^
