『悪霊』 フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー | ほんとなかよし

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だったらいいな・・・

最近わたしたちの町で、奇怪きわまりない事件が続発した。町の名士ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の奇妙な「友情」がすべての発端だった…。やがて、夫人の息子ニコライ・スタヴローギンが戻ってきて、呼び寄せられるように暗い波乱の気配が立ちこめはじめる。


町でささやかれる怪しげな噂は、大きな出来事の前ぶれだった。1人が狂い、2人が燃えあがり、5人が密議をめぐらし、そしてみんな取り憑かれていく。暗い夜が育む悪意の芽。ついに明らかになった、ピョートルの真の狙いとは。アカデミー版「スタヴローギンの告白」初訳を含む。


街はいよいよ狂乱に向かって突っ走りはじめた。まずは県知事夫人ユーリヤの肝いりによる「慈善パーティ」で、何かが起こる気配。その背後では着々と陰謀が進行し、「五人組」の活動も風雲急を告げる。ワルワーラ夫人とヴェルホヴェンスキー氏、スタヴローギンとリーザの「愛」の行方は?愛と悪、崩壊と再生のクライマックス。


内容 「BOOK」データベースより


ドストエフスキーの作品は、「貧しき人びと」「地下室の手記」「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」と経験済み。5大作品と呼ばれる「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」は一度は耳にする作品だと思いますが、ドストエフスキーの作品を読み始めるならば、この5台作品は避けたほうが良いかもしれません・・・なぜなら、とにかく長編!今回の「悪霊」光文社古典新訳シリーズは全三巻1919ページ!なのですw簡易で読める小説が100~200ページですので軽く10冊分の労力がいるのです。なので生半可な覚悟で手を出すのは禁物と言うものです。ドストエフスキーの作風を味わいたいのであれば、他のページ数の少ない作品から手を出すのがオススメです。しかし逆に考えると、これほどの長編でありながら読み継がれている事こそがドストエフスキーの凄さでもあります。長編作品はその長さゆえに貴重な人生を浪費する等と言われる事がある、ドストエフスキーの長編はどうか?と言われると、読まないで死ぬと後悔するとまで言わしめるそうだ・・・凄い。ここからはあくまで私の個人的な感想に基いての考えになる、ドストエフスキーの作品の中身を考察するにはあまりにも乏しい脳味噌の私には作品から受ける印象を伝える事しか出来ない、非常に残念ではあるが・・・ともかく私が作品から受けた印象は「常軌を逸したハイテンション」だ。始まりから最後まで、作中の言葉を借りれば熱に浮かされた様な異常なテンションで物語が展開する。それは登場人物の状態や言葉であったり、物語そのものの進行具合であったりするのだが、とても正常とは思えない感覚を受ける。作者自身が癲癇持ちだった事もあるのだろうが、登場人物も癲癇持ちが度々登場する、癲癇持ちで無い者もそれに類する程の病的な(作中表現に基く)豹変ぶりを発揮する。「悪霊」にも数多くの主要登場人物が居るが、文字通り悪霊に取り憑かれた様な人物ばかりである、そして各人が何かしらの思惑や固執した思想に傾倒した人物であり、その全てのエネルギーが作中で爆発しているかのように弾け!時には混ざり混沌状態を生み出している。異常なハイテンションを感じた例を一つ挙げるとしよう、ある登場人物がもう一人の人物に話をするシーンがあるとしよう。2人はあくまでも会話をしているのだが、最初に話を投げかける人物の会話の長さが異常なのである。一般的な会話シーンの最初の会話は1行から多くて3行程度であろう、しかしドストエフスキーの場合軽く1ページを超えるのである。もはやこれは軽い演説に近いと思うのだが、至って普通の会話シーンである事が多い。言葉のキャッチボールなんて表現があるが、生ぬるい!相手の感想や反応なんかは完全に省略して話をつづけていくのだ!「君は○○すべきだ! 何ぃ なぜ断る! そんな態度はやめたまえ!・・・」おそるべきハイテンション♪しかも登場人物の全てがこの異常なハイテンションを備えているから恐ろしい。このテンションについていけるかいけないかが、ドストエフスキー作品の好き嫌いの分かれ目なのでは無いかなぁと感じます。ちなみに作品の深い部分への掘り下げ等に関しては素直に解説を参考にするのが良いと思います。訳者亀山氏の著者への敬愛や考察には畏敬の念が生まれる程ですし、「悪霊」一つを読み解くには人生を賭して挑まねばならぬ事は必至だと感じます、一定の解釈や理解はあらすじや解説を参考にし自分なりの感想や意見を持つ、これが作者が現存していない古典作品の楽しみ方ではないでしょうか?最後にドストエフスキー作品を何作か経験していたからこそ楽しかった部分を紹介しておきます、作者の根底部分がリンクした描写が解るようになる!こんな当たり前の事が楽しいです。例えば、「決闘シーンの空撃ち」この言葉でピーンと来る人は、「カラマーゾフの兄弟」か「悪霊」を読んでます!他にも作中で登場しているかもしれませんねぇ~そういったものを探して作品を読み漁っていくのも面白いものですよ♪