『幼年期の終わり』 アーサー・C・クラーク | ほんとなかよし

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地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。


内容 「BOOK」データベースより


SF作品愛好家さんより推奨され読書する事になりました。「幼年期の終わり」はSF作品を語る上で必ず名が挙がるほどの名作中の名作、驚くべきは原作初版が1953年!母体となるストーリーは1940年代に完成しているにも関わらず未来を描いた作品として現代人が読んでも全く色褪せる事のない点でしょう。第二次世界大戦前後に完成された作品として日本国内では、侵略者(オーヴァーロード)と隷属者(人類)との解釈で普及した経緯もあるそうですが、作品自体の哲学的な部分の素晴らしさが恒久性を生み出していると感じます。SF作品といえば突飛でもない発想で爽快感を求める作品だとばかり思っていた私などは頭が下がる思いでした、社会システムや人間の信仰心(宗教や科学に対する)に関する記述は頷ける部分が多く、また科学技術を決して疎かにする事なくSFタッチに仕上げている点も素晴らしい。また宇宙人襲来といったハリウッド級の出来事を現実思考で書き上げている所が実に面白い点だと思います、私は以前から宇宙人が(人類が到達できない技術レベルの地域から)襲来した場合に人類を駆逐するような事はしないだろうといった持論を持っていました。人がサルを研究するように観察する事はあれど下等生物を駆逐し支配する必要は(侵略し外敵となり得ない限り)ないだろうと思っていました。「幼年期の終わり」はその価値観の上位種と呼べるもので人類の家畜化が描かれています(実際は家畜化が目的では無いのだが・・・)。こういった点はSF作品でありながら空想の先にあるリアリティーが出ていて非常に良かった。SF作品に精通していないので例を挙げるのが困難ですが、ヴォルテール作の「ミクロメガス」辺りが近い印象を受けたように思います。また終盤に登場する種の記憶に関する発想は素晴らしいですね!ネタバレをするのも失礼なので伏せておきますが、最終的な描写に関しては後続作品がかなりの影響を受けているのではないだろうかな?と感じました。RPG作品の覇者「ファイナルファンタジー」作品で登場したライフストリームであったり、アニメ作品の「エヴァンゲリオン」のエンド演出(テレビ放送後の)や甲殻機動隊の「電子世界」などは根幹部分が「幼年期の終わり」の思念体イメージを基にしていても変じゃないのかなぁ~なんて思いました。最後に余談ですが、巻末では戦後日本人で本作品に影響を受けた人物が列挙されています・・・一番驚いたのは三島由紀夫さんでしたwSF作品の最高傑作は必読の一冊かもしれません。