『魔王』 伊坂 幸太郎 | ほんとなかよし

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だったらいいな・・・

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。


内容 「BOOK」データベースより


「肉体の悪魔」の後で「魔王」に昇格したwなんて訳ではありません。「魔王」は昨年からの再読となります。「魔王」の舞台から50年後を描いた伊坂作品「モダンタイムス」が文庫化を迎えたとあって購入したのですが続編小説を読むならば前編を読んで復習しておくべきでしょうと再読に至った次第でございます。伊坂さんの作品は若者が社会と闘うって図式が多く、それでいて現実離れした特殊能力を備える登場人物が様々な絡みや奇跡を起す魅力溢れる作品が多い。「魔王」も同じく特殊な能力を持ってしまった男が社会の大きな潮流を前に立ち上がるといったロマン溢れる内容になっている。ファシズム・憂国・国防となかなかハードな内容を取り扱っているにも関わらず、読みやすく理解し易いのは作家の文章力の凄さと同時に、それが主題として描かれていないからかもしれない。あくまで世界観や思想は背景でしかなく中心に描かれているのは個人(特に若者)が社会の潮流の中をどう生き抜くかといった姿勢であり心構えの様な気がする。題名を考えて作品を読み解く事は読書の一つの楽しみ方であるが、「魔王」は一体誰なのか?の疑問が付きまとう・・・単純に主人公安藤の立ち向かう一人の男を指すのかもしれないし社会全体を指すのかもしれない。「モダンタイムス」ではこの辺の落としどころを探してみるのも一興かなと考えています。伊坂作品は人気がありますね、若者に勇気や情熱を与える作風が多いのと特殊能力を差し引いて等身大で描かれる同年層の人物に感情移入し易んでしょう!それにしても伊坂作品を読んでいて思った事は・・・結構作者って若者に失望しているんじゃないかなぁ~って事ですね、実際この本が売れちゃうって事は反面若者が理想像に追いつききれていないって事になる。作中にもあるし、他の作品にもあるけども伊坂作品の良さは「青臭さ」でしょう。今の僕達に青臭さってあるのかな?実際忘れちゃったり様々な理由で「青臭さ」を捨てて生きている若者に憂いを感じているのではないかな?そんな事を思って読みふける。