『図書館危機 図書館戦争シリーズ(3)』 有川 浩 | ほんとなかよし

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思いもよらぬ形で憧れの“王子様”の正体を知ってしまった郁は完全にぎこちない態度。そんな中、ある人気俳優のインタビューが、図書隊そして世間を巻き込む大問題に発展。加えて、地方の美術展で最優秀作品となった“自由”をテーマにした絵画が検閲・没収の危機に。郁の所属する特殊部隊も警護作戦に参加することになったが!?表現の自由をめぐる攻防がますますヒートアップ、ついでも恋も…!?危機また危機のシリーズ第3弾。


内容 「BOOK」データベースより


シリーズ3作品目との事で、世界観や組織背景等も緻密に構築されてきたシリーズ物ならではの大局的な展開となっている。過去2作品が個人を検閲対象としているならば今回は社会や集団を検閲対象としている様な印象をうける。芸術作品や出版物の差し押さえといえば、思想弾圧に通じる社会的な問題だろう。表現の自由に関しての想いを搔き立てられてディープに読みふける事も可能かもしれない・・・だが作風から出る娯楽部分も忘れてはならない、2作品目終盤で明らかになった主人公郁の憧れ王子様発覚による恋の急展開を迎えます、郁の恋の成長宣言シーンは必見と言えます。

今回の作品を読んで感じた事、今までは有川さんの魅力といえば、表現の自由に関する問題提起といった重いテーマを扱う反面で、ベタであま~い恋の展開を描くことでフヤフヤにやにや空気を作る二面性に魅力を感じるのだと思っていました。実際そういった印象を受けるのであながち間違いでは無いのですが、あとがきを読んで少しだけ修正する事になった。前作、そして今作にも登場する聴覚障害をもった登場人物に関する映像化時点での取り扱いに関する作者の姿勢は大変評価できるものである。作中で描かれる様な度が過ぎる主義主張のぶつけ合いをするわけでもなく、相手の出方や現状を的確に把握した上で最大級の皮肉を持って応戦するタイプと見える。双方の主義主張を把握・理解できる対極的な視野を持った人だからこそだせる応戦の仕方で結果見事に自分の考えや意思を表示する事が出来ている。作家に視野の広さを褒めるのは失礼な話だろうが、相反する価値観を見通せる視野には驚いた。 本編ラスト一冊が楽しみ。