『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー著 青木 久惠訳 | ほんとなかよし

ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。


内容 「BOOK」データベースより


タイトルで内容が解る程に認知度が高いミステリの最高峰と誉れ高い作品「そして誰もいなくなった」。ミステリ系を扱った作品で登場人物全てが消えて(死亡して)しまう作品そのものを形容する言葉として認識される程に有名な題名を冠する本作品は、ミステリの王道がぎっしり詰まった逸品!舞台は孤島、嵐による陸と断絶された舞台はミステリの定番密室殺人といえ、童話をモチーフに連続する殺人はこれまた定番のわらべ歌連続殺人である。恐怖の演出も秀逸で、殺人に平行して消えていく「あるもの」の存在が実に良い味を出している。犯行の背景に見える善悪観は映画「SAW」が近い。否むしろ本作品があらゆるミステリー(派生したホラーなども含め)に多大な影響を与えていると思われる。トリックや犯人にかんする謎部分は現代のミステリー氾濫時代の人間にとっては物足りないと言っても良いレベルかもしれない、推理好きでもない私でも犯人の手法が読めた!否、真犯人が誰かまでは解らなかったので偉そうには言えないwしかし、本作の最大の魅力は全体の連続性の美しい流れだと思う。あとがきで赤川 次郎氏が述べるように本来惨い連続殺人の話なのに読後の爽快感にも似た感情は何だろうか?追い詰められる極限状態の登場人物の心理状況に駆られて一気に読み進めてしまう作品の魔力は計り知れないものがある。王道・定番なんて言葉で片付けるのはもったいない!これこそミステリの真髄なのだと思わせる一冊。僕は孤島への招待状が来ても絶対いきません。