衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
内容 「BOOK」データベースより
伊坂幸太郎さんの作品は、「魔王」「砂漠」「フィッシュストーリー」「重力ピエロ」を経験している。伊坂作品の良さは何か?と聞かれると僕は2つ挙げるだろう、まずは「青臭さ」。これは先の重力ピエロでも書いた感想だけど登場人物の善に対する純粋さは見ていて懐かしさを感じるほどの爽快感を感じる。まるで青春時代を回顧しているかのような気分になる事が多い。 次にあげるのは、「世間や社会と個人の距離感」。絶妙に描かれる心理描写は、自らが社会に出た時に感じるであろう疑問や不満を鏡で見ているかの如く受け入れてしまう。この2点を感じたいがために伊坂作品を買い求める価値があるのではないだろうか?さて、今作品の感想を書こうと思う。今回の作品はミステリー性や閉塞感は「魔王」に近いものがあり登場人物の魅力や絆の意味では「砂漠」が該当するだろう、「フィッシュストーリー」を読んだ人ならば物事の連鎖を作中に見出すだろうし、現代的な善悪論を読み解くならば「重力ピエロ」が最適だと思う。おそらくだろうけども、伊坂さんの他作品を読まれている読者ならばさらなる感想や感慨に耽ることが可能ではないだろうか?それほどまでに、素晴らしい収斂性を備えた作品だと印象を受けています。安易な感想になるのですが、伏線回収もこの作品の魅力ではないだろうか?伏線と言うと実はあの時のこの言葉や描写は真意や真相を備えていたのだよ~っと奇をてらって使用するケースが多いと思う。しかし「ゴールデンスランバー」の伏線は、前編通じての一挙手一投足が全て意味をもち全体の流れを作りだしている。ビートルズのメドレー♪まさにメドレー作品と称して恥ずかしくない一冊と評価できると思う。あとあらゆる高度な一曲が連続して流すことで見事な総体を作り上げる!メドレーを文章として確立させる技術には脱帽すること間違いないでしょう。今後も伊坂作品を読みたくなる、また読んだあとで読み返してみるとどうなるのだろう?と期待させてくれる一冊。