捌月弐拾壱日
今日は火の日です
自分が人肌恋しい理由が解りました
母は私を触りません
母は
人に触れるのも
人を触れるのも
好ましくないようです
だから私は人肌恋しいのだと思います
決して
母に触れてほしいと思ったことはありません
好ましくない人に
無理をしてまで触れてほしくないのです
今日は火の日です
窓を見ましたか?
今日は火の日です
うっすらと雲があります
窓を見ることのない
顔も知らないあなたへ
以前は失礼しました
貴方様がわざわざ訪ねてくださったのに
生まれの違う貴方様を呼び捨てにしてしまったこの過ち
どうかお許しください
私の存在で
貴方様が傷ついていくのが
目に見えています
では
うらみの話をしましょう
うらみには、三つぐらいの漢字があります
恨
怨
憾
少なくとも"恨み"が多いのはこの漢字でしょう
そして一般的に使われているのも"恨み"
恨みは時に人を殺めます
恨みは時に己を殺めます
貴方様は恨みを持ったことがありますか
ないほうがいいのです
無垢な貴方様には
無垢なままの貴方様がいいのですから
捌月陸日
今日は月の日です
ついに恋愛をしなくなりました
好きな人がいなくなりました
亡くなったとかじゃなくて
どうでもよくなったというのが本当です
淋しくなったけど
変に清々しいです
もう当分恋愛はしません
これがきっと罰だから
今日は月の日です
窓を見ましたか?
今日は月の日です
遠くの空では花火が見えますよ
窓を見ることのない
顔も知らないあなたへ