お迎えにあがりました
貴女様の居場所は
もうここにはありません

私は貴女様と
共に
遠い異国へと
旅立ちましょう


もう新しい居場所は
用意してありますよ


そこは
私の唯一の友が教えてくれた
異国の地


旦那様や奥方様には
私のほうから申し上げます

私は貴女様を
看取る義務がある


貴女様は私
私は貴女だ


現実と幻想の狭間で
私は"貴女様"という虚像に逃げた

貴女は何も知らない純粋な人物
私は全ての傷を抱える召使い

貴女はずっとこのままでいい
何も知らなくて
傷つかなくていい

貴女様はいつまでも私なのです
私は貴女様なしでは生きていけない


これはそういう意味なのです



痛むばかりの傷を

ヒリヒリとする傷を


私は今日も作っていく



だって

代わりがいるもの


なら代わりがいないように

キズモノにすればいいの


誰にも理解されなくていい

愛されなくていい


誰かに救ってもらえなくても


この痛みだけを抱えて

毎日を過ごせばいい



代わりになるぐらいなら

致命的な痛みを味わえば


もっと傷めつければいい


死ぬぐらいの

深い傷跡


そのまま闇に沈んで

一生目が覚めなければ

どれだけ幸せなんだろうって



私はまた繰り返す

自傷と懺悔を



辛くても大丈夫

この言葉が私を守ってくれる


ドラックと同じように

私を錯乱させ

混乱に陥れ


自らを壊していく



それを望むのが己自身なら


壊れゆく術を手助けしてあげる



私はそういう存在

そうでしか生きていけない


傷が膿む

痛い



どれだけ悲鳴をあげても

私は泣いてはいけない



存在することができないから



もう少し傷を作る

今日も


また閉じこもって






拾壱月弐拾日
今日は火の日です


人に好かれることは
いいことですね
羨ましいと思います

だからこそ
自分は存在しては
いけないモノだと
考えるのです


私は器用じゃないから
私は最悪な人間だから


これが
私に対する罪ならば
私は甘んじて受けます

周りが経験したことに比べれば
私は奪う側だった

だからこそ
私は存在してはいけない

存在自体が許されていないのだから


消えるしかないのだから


ねぇ
あなたは私を知ってますか

あなたは私の
存在意義を知ってますか

定義を知っていますか


人に甘えてしまったら
私は存在することを失ってしまう


生きていて
ごめんなさい
死ななくて
ごめんなさい



今日は火の日です
外を見ましたか?
今日は火の日です
冷たい風は傷にしみます


窓を見ることのない
顔も知らないあなたへ



痛い

キリキリと


もう少し深く


痛がって

泣いて

ほんの少しだけ

どこかへ行って


また戻ってくる



助けてほしい

この悪循環から抜け出したいのに


何かが積めて

痛くて


またその繰り返し




痕が残った

その上に

傷を重ねて


また傷をつける


キリキリと

赤い線を



その液体を舐めとって

悪循環


体に還元


痛い

どうして痛いの


痛くならないぐらい

痺れるぐらいに


傷つけて



何も考えなければ

何も傷つくこともない



誰かが

手を差し伸べても



私に

その手を握ることは許されない


私には

そんな資格はない


深みにはまれば

はまるほど



私は傷を増やしていく



それが私の存在だから





拾壱月拾玖日
今日は月の出る日です



目が覚めて
猫がすり寄って
猫と共に
朝を迎える


それが
1日の始まりだった


―――

生きる価値がない
生きてることを必要とされない

存在意義が見つからない
存在定義が見つからない

いつか誰かが救ってくれる
いつか誰かが見つけてくれる
いつか誰かに必要とされる

大丈夫
大丈夫

その言葉だけを信じて
今日も


僕が死んだら
泣いてくれますか
必要だと思ってくれていましたか

存在を忘れないでくれますか


イイコでしたか
イイコになれましたか
イイコで在ることができましたか

誰かが救ってくれることを
今日も夢見て

さようなら



今日は月の出る日です
外を見ましたか?
今日は月の出る日です
冬がやってきました


窓を見ることのない
顔も知らないあなたへ