NO 2488 地位や名誉を得ても手にはいらないものがある | 社長ブログ

社長ブログ

社長 笹原のちょっとイイ話!

2024年5月1日

 

皆さん、お早う御座います。

 

 

今日から5月ですね。

 

新緑の5月、一年で一番過ごしやすい月です。

 

 

ただ、今朝は小雨が降っていて、やや肌寒く感じます。

 

 

でも明日からはいいお天気が続きそうなので、

 

楽しい連休になることでしょう。

 

 

 

今日のお話は、「自分の花を精いっぱい咲かせる生き方」(鈴木秀子著)

 

から、”地位や名誉を得ても手に入らないものがある”

 

をお伝えします。

 

 

 

地位や名誉を得ても手に入らないものがある

 

 

山のあなたの空遠く 「幸」住むと人のいふ

 

ああ、われひとと 尋(と)めゆきて、

 

涙さしぐみ、かえりきぬ。

 

山のあなたになほ遠く 「幸」住むと人のいふ

 

 

 

日本人には広く知られているドイツの詩人

 

カアル・ブッセの「山のあなた」です。

 

 

中学の頃、国語の授業で教わったことを

 

思い出した、という方もいらっしゃる

 

のではないでしょうか。

 

 

 

先日、私はこの詩を私が講師を務めている

 

ある勉強会で紹介しました。

 

 

参加者は四十代から七十代が方が中心ですから、

 

皆さん「山のあなた」に親しんできた年代です。

 

 

小さい時に覚えたこの詩を、

 

それぞれの人生経験と重ね合わせながら、

 

 

仲間と一緒に感想を分かち合って

 

いただきました。

 

 

 

多くの参加者が若い頃は、

 

”山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいふ”の

 

 

言葉のように、幸せはどこか遠くにあり、

 

それを探し求めるのが人生だという思いを

 

抱いていたようです。

 

 

そして、”ああ、われひとと尋(と)めゆきて(探しに行って)

 

涙さしぐみ(涙ぐみながら)、かえりきぬ”の

 

 

一文字を読んだ時に「なぜ、そんなに否定的な

 

ことを言うのだろうか」と疑問に思ったと言います。

 

 

実際、若い頃は誰もが、白馬の王子が

 

現れて自分を幸せに導いてくれるような

 

憧れを抱くものなのかもしれません。

 

 

 

参加者の一人にある男性がいました。

 

 

一流大学を出て、人が羨むような有名企業に

 

就職しました。

 

 

しかし、傍目の華やかさとは大違いで、

 

職場内は競争に次ぐ競争でした。

 

 

同期たちは誰よりも早くいい地位に就こう、

 

と業績を挙げ、上司に認められることに

 

血眼になっていました。

 

 

 

この男性もまた、地位や給料が上がりさせすれば

 

「幸」は手に入れられると思って、自分の

 

競争意識を煽り立てていたのです。

 

 

そして、課長から次長、部長とだんだんと

 

登り詰めて、名刺を出せば周囲から尊敬の

 

眼差しで見られるような立場になりました。

 

 

若い頃から追い求めていた「幸」に

 

大きく近づいていたはずでした。

 

 

 

ところが、理想のポジションを得ても、

 

少しの安心感も満足感も得られず、

 

 

それよりも責任と重圧、焦りの気持ち

 

ばかりが高まっていったというのです。

 

 

 

退職して年月が経ったいま、当時を振り返りながら、

 

「あの頃は本当に空しい毎日でした。

 

 

努力をすればするほど涙することが多くなる

 

のですから」としみじみと話していました。

 

 

 

そして「いまではどうすれば幸せを

 

勝ち取れるかとは全く考えなくなりました。

 

 

むしろ、心を荒げて忙しそうに走り回っている

 

ビジネスマンを目にすると、

 

 

かつての自分もそうだったと心から同情し、

 

その人の本当の幸せを祈らずにはいられない

 

気持ちになります」と付け加えました。

 

 

 

彼にとっていまの喜びは健康でいられること、

 

このような勉強会に参加できること、

 

 

本音で語り合える仲間がいることなど、

 

どれも些細なことばかりです。

 

 

名誉や肩書を求めていた頃は、

 

「どこに行っても」手に入らなかった幸せが、

 

 

「いま、ここ」に目を向けるようになったいま、

 

ようやく感じられるようになったといいます。

 

 

 

僅かのスペルの違いでも

 

「No where 」から「Now here」への

 

転換は大きかった、と、彼独特のユーモアで

 

語ってくれました。

 

 

 

 

私もこのカアル・ブッセの「山のあなた」は

 

よく覚えています。

 

 

幸せを追いかけて山の向こうまで行ってみたが、

 

幸せはそこにはなく、さらに遠くの山の向こうにある

 

というと解釈していました。

 

 

中学時代という多感な時期に

 

この詩はとても私の心を打ちました。

 

 

 

しかし、この男性のように歳と重ねると、

 

幸せとは何かが理解できるようになりました。

 

 

「山のあなた」の詩では、幸せを求めて山の向こうへ

 

行こうとしています。

 

 

私の解釈は、幸せを求めて行動した時、

 

その過程が幸せなのだと思います。

 

 

仕事も恋愛も、努力している時が一番充実

 

していて、それはとても幸せなことなんです。

 

 

 

若いうちは、おおいに悩んで苦しんで

 

いろんなことにチャレンジしてください。

 

 

その足跡が幸せの証です。

 

何も行動を起こさないのでは、幸せはやってきません。

 

 

失敗、おおいに結構。

 

 

失敗の数だけ知識が増えて、人の痛みや情けが

 

分るようになります。

 

 

歳を取れば若い頃見えなかったものが

 

自然に見えるようになります。

 

 

あたりまえの一日が最高の一日だと

 

思えるようになりますよ!