どんどんどん
がりがりがり
「あけてー、あけてってばー」
「なんだ、朝からうるさいなあ。」
がちゃっ
俺が玄関を開けると、薄汚れた猫が座っていた。
「ただいまー、愛くるしいペットのウンコちゃんが帰ってきてあげたよ。」
「・・・
お前、誰?」
「朝ぱらから五月蝿いにゅ」
「あ、ごめん、ぷさこちゃん。起こしちゃった?
すぐ追い払うから、まだ寝てていいよ。」
「ちょっと、ご主人様!これどういうことよ!!」
汚い猫は勝手に部屋の中に上がり込んできた。
汚い猫がまず目にしたものは、いかにも高級そうで香りもあきらかに違う青竹製のカゴ +高級羽毛クッションで寝ているぷさこだった。
しかもその場所は自分のカゴが置いてあった場所だった。
「なんなの!?この高そうなカゴは!?てゆーか私のカゴはどこ!!!?」
「???…昔に飼ってた猫のカゴなら外に。」
ウンコがベランダから庭を見下ろすと、片隅にウンコハウスと書かれたレタスのダンボール箱があった。
その箱は一昨日降った雨でぐちゅぐちゅになっていて、その中にウンコのカゴが無造作に入れられていた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「外のダンボール箱なら住んでもいいよ。エサはやらないけど。」
「いくら同じAIC作品のヒロインだからって、あんなのに住めるわけないでしょ!!」
「お前、ジャマにゅ。とっとと出てけにゅ。」
「このカマトト!!!!(ムカムカムカムカムカムカムカムカ)」
結局、ウンコはウンコハウスに住むことになった。
そのときの俺は、ウンコの全身がぷさこにプライドを傷つけられたことへの復讐心でいっぱいであることを知らなかった。