ちょっぴり ながもち するそうです ヨシタケシンスケ | なほの読書記録

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『あつかったら ぬげばいい』『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』に続く、ちょっぴり心が軽くなる絵本シリーズ第3弾。


​【感想】


絵本ですが漢字も多く、漢字にはふりがなが付いていないので、小学校高学年以上向きの感じですが、大人が読み聞かせをすれば、それ未満の子供でも分かると思います。


効果があるかどうかわかりませんが、「本当にそうだったらいいのになぁ」と思えるフレーズが詰め込まれていました。


心が疲れているときに読んでみると、気持ちが楽になる絵本だと思いました。


私の心に響いた(刺さった)推しのフレーズをいくつか紹介します。

【「たしかにそうかも、わかるなぁ」と思ったフレーズ】


「あなたをその気にさせるスイッチは 自分ではさわれない場所についているそうです」


「かわいいものをたくさん見ると かわいい顔になるそうです」


「自分のできることをしっかりのんびり続けていれば しかるべき人に しかるべき罰(ばち)があたりやすくなるそうです」



【奥深さを感じた含蓄のあるフレーズ】


「ゆっくりゆっくりまばたきすると 世界がほんのすこし生まれかわるそうです」


500年前 小鳥が落としたドングリが木のウロにすっぽりはまった瞬間に あなたが生まれることが決まったそうです」



【見方が変わり、気持ち(心)が穏やかになると思ったフレーズ】


「大きな木の幹をなでると 怒りがおさまるのがちょっと早くなるそうです」


「好きな本の間に一晩はさんでおいたハンカチは 心配事をすいとってくれるそうです」


「自分を許してあげられなくても あなたの小さな神サマは許してくれるそうです」


「たったひとつの真実は この世で見つけなくてもいいそうです」


「あせる気持ちも罪悪感も交互に並べて糸を通せば そこそこきれいなあなただけのアクセサリーになるそうです」


「誰にもバレていないズルは ズルとは言わないそうです」


「心の中でこっそり何かをバカにしていた方が むしろ健康にいいそうです」


「この人さえいなければと思うエネルギーは、やがて雲となり大地を潤すそうです」


「よかれと思ってすることが ぜんぶ裏目に出るときは ぜんぶコイツのせいだそうです」

*コイツとは、謎の宇宙生物かなぁ?



【「何の脈絡もないけれど、おまじない? ジンクス? のようで面白い」と思ったフレーズ】


「夜中 一人で小おどりすると サバンナのまんなかでヌーがごちそうにありつけるそうです」


「消ゴムを立てておくと なんとかなるんじゃないかしらという気持ちが ちょっぴり長持ちするそうです」


「加齢によるおとろえととまどいは 子どもの見るこわい夢をへらしてくれるそうです」


「おたまといっしょに休むと ほかの人も休みやすくなるそうです」


「おなじものを2つ向かい合わせておくと 夜ごはんが決めやすくなるそうです」


「こまめにストレッチすると ほとぼりがさめやすくなるそうです」


「信じていてもいなくても 顔を上げていても下げていても リボンのついた小さな荷物は届くそうです」


「さびしい気持ちでいっぱいになると 地下深くの水晶が10倍のスピードで成長するそうです」


「人類の抱えるいくつかの問題の解決法は ワカメだけが知っているそうです」


《「ちょっぴりながもちするそうです」ヨシタケシンスケ 著 白泉社 刊より一部抜粋》