なぜクルマ好きは性能ではなく物語(ブランド)を買うのか 山崎明 | なほの読書記録

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筆者の山崎さんは、小さい頃からの憧れだったクルマがポルシェで、「いつかはポルシェ」と仕事をがんばり、ついに手に入れられたそうです。


ステアリングホイールの中央に輝くポルシェのロゴマークを見ながらの運転は、大げさに言えば人生の一つの到達点とも言えるもので、ポルシェの良さを味わうというより、そのオーナーとなったことの達成感と充実感の方が大きかったそうです。


その後、様々なブランドに思い入れを抱くようになり、ブランドの背景にあるストーリーにも関心が募り、知識が深まるとさらに思い入れが深まり、クルマ自体の善し悪しよりも、そのブランドを経験するということの方が重要になり、ロータス、フェラーリ、アルピナ、アバルトなども実際に購入し、ブランド体験を積み重ねたそうです。


多くの人は意識するしないにかかわらず、そのブランドイメージに影響されながらブランドを選択しているので、ブランド力のあるブランドは、ブランド間の乗り換えが意外と少ないと言われており、ずっとそのブランドに乗り続ける顧客を多く抱えている。
特に、憧れ感が重要な高級ブランドの世界では、圧倒的に欧州ブランドが強い。

そこで、欧州ブランドがいかにブランド力を構築したか、その歴史を振り返り、理解・尊重した上で、自らのブランド戦略を構築することが重要だと考え、そのための一助になればと、日欧米32ブランドの自動車メーカーのブランド形成過程を明らかにした本書を書かれたそうです。

​【感想】

私自身は筆者とは異なり、ブランドよりもデザインや性能、安全性、コストパフォーマンスなどを優先して選んでいるので、自分の好みに合えば、特にブランド名に左右されることなく、日米欧の様々なメーカーのクルマを愛車にしてきました。

服や腕時計、鞄(バッグ)などを購入するとき、何に主眼(価値基準)を置いて選ぶのかと同様のように思いました。

本書を読んで、各自動車メーカーの成り立ちやこれまでの経緯をあらためて知ることができました。
 
また、日本の自動車はブランド力は低くても、高品質でバランスに優れていることを再認識することができました。