二人目の私が夜歩く 辻堂ゆめ | なほの読書記録

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【あらすじ】

第一部「昼のはなし」

地域でボランティアをする女子高生の鈴木茜と、茜より12歳年上で自宅のベッドでボランティアによる支援を受ける30歳の厚浦咲子。


茜は両親と一緒に乗っていた車が右折時にスピード違反の直進車と衝突する交通事故に遭い、後部座席のチャイルドシートに座っていた茜は助かったが両親は亡くなった。


咲子は高校生の時に交通事故に遭い、記憶障害になるとともに事故の日からずっとベッドに寝た状態のまま人工呼吸器をつけている。


交通事故のトラウマなどにより解離性同一障害、いわゆる多重人格を発症して、人格が入れ替わっていたために夜の間の記憶が抜け落ちている茜。


夜、誰か別の人の魂が自分に乗り移り、茜の身体を使って自由に動き回っているのは、咲子なのではないかと思いはじめる茜。


咲子が事故に遭う前、当時付き合っていた高校の先輩の鎌田朋哉と高校に入学してから気が合い、いつも一緒にいて一番仲がよかった親友の保谷奈々恵が、事故当日にそれぞれと会う約束をしていたのに、事故後一度も見舞いに来なかったその理由(謎)を突き止めてほしいと茜にお願いする咲子。


茜は咲子に代わって昼間に謎を探るために鎌田と保谷に会って当時の事情を聞き取る。


ネタバレになるので、これ以降は記載しません。


第二部「夜のはなし」

茜のもう一人の別の人格者「サキ」が咲子の自宅を夜な夜な訪れる。


咲子は昼間は世話をしてくれる周りの人たちを気遣って、何にでも全力で取り組むいい子を演じているが、それは仮初めの姿であって、入念な準備のもと、懸命に背伸びをして表面を繕っているので本来の自分を出せずに苦しい胸の内をサキに伝える。


咲子は昼間とは違って夜に会えるサキの前では飾らない自分でいられることができ、気持ちが安らぐ。


しかし、母親の介護生活を早く終わらせてあげたい、夜、何もできずに思考だけを働かせ続けるのも苦痛で、消えて(死んで)しまいたいと思っている。


人工呼吸器の管を緩めるようサキに頼む咲子。


茜から聞いた鎌田朋哉と保谷奈々恵と事故の日の話は、当たり障りのない内容だったので、本当はどう過ごしていたか、何があったのかを知りたい咲子。

咲子は自分の分身としてサキに調べてほしいと依頼する。


そして、終盤、二転三転し、やがて浮き彫りになる交通事故の真相。

ネタバレになるので、これ以降は記載しません。


【感想】

「う〜ん🤔

筋書きに唸り、結末は何とも言えず、でした。


人(相手)の心を読むのは難しいことだと、あらためて思いました。

自分の思い込み、そして相手の思い込みの塊と対峙していかなければならないので。