ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ 勝浦雅彦 | なほの読書記録

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I'm really glad to have met you.



伝えるべき情報は何かを自分の頭で考え、ひと言にまとめていくことについて書かれていたノウハウ本。

ポイントはたった2つ。
「捨てる」それから「まとめる」。

様々なビジネスシーンでとても役に立つ内容でした。


【概要】

物事をわかりやすく説明するためには、小学校までに習った言葉で十分である。


伝えたいことが多すぎて、多くのことを伝えようとすると、話が長くなってしまい、一つも伝わらなくなる。

そうしたときは、「今日はこれだけを話します」「5分限定でひとつの話題しか話さない」というルールをつくってみるとよい。


すると、聞き手は何を話していたのかをしっかり覚えている。


人間が嫌われる条件の一つに、「人は、与える量より奪っている量が多くなったとき、嫌われる」ということがあるのではないか。


ミヒャエル・エンデの作品『モモ』に登場する「灰色の男たち」の中では、人々が時間効率を優先し、ゆとりや日々の余白をなくして、大切な時間を灰色の男たちに奪われていく様が描かれている。それは、他人の大切な時間を奪うという「時間泥棒」である。



相手に伝えるときに役立ちそうなポイント


【ひと言でまとめるための「8つのプロセス」】

 伝える勇気(言う気)をもつ

自分を知る(客観的に見る)

伝えたい相手を知る(情報収集)

目的地を明確化する(ゴールを伝える)

「コア」を探す(最も魅力的な部分)

バッサリ捨てる(情報過多は伝えないより悪手)

相手がどう動いたかを観察する(GET できたか)

人間関係を発展させる(改善させる)

伝える=行為=TELL

伝わる=状態=GET  

相手に伝わって初めて、何かを得たり、生み出したりすることができる。


サン=テグジュペリの『星の王子さま』では「本当に大切なものは目に見えない」


事実は一つでも、人による解釈は無数に存在する。


メール文などで意見のぶつけ合いに感情的な言葉は絶対に使わない。不快だ、腹が立つ、面倒だといったニュアンスの言葉は使わない。


自分だけ得するトークを捨てる。

自分が言いたいことを言うのではなく、相手が言ってほしいことを言う。

相手の立場に立って、相手の気持ちを想像して伝えていく。


自分も相手も得する一挙両得の伝え方が大切。


抽象的な説明をしないで、定量(数値や数量化)と定性(質)の両輪を使って伝える。


難解な専門用語を使わない。誰が聞いても伝わる内容にする。

相手の目線に合わせて伝える。

完璧な内容を求めない。

千利休「不完全であることこそ自然で美しい」


問い詰める質問はしない。相手が答えやすい質問をする。

相手に選択肢を与えるようにする。


良いプレゼンとは何か?それは「感動」を与えることだ。


物語化において一番重要なのは、「感動」=「共感」を生むこと。

「私の物語」を「私たちの物語」にすること。

「誰に」「何を」「どんな方法で」「どんな目的で」「どんな感動を」「なぜ与えたいのか」を考えて物語化する。


【ひと言でまとめるために必要な11の考え方と方法】

「つまりこれってどういうこと?」と何が言いたいのかを考える「つまり思考法」

難しいことを簡単に、簡単なことを伝わりやすくする「20文字の法則」

つまずく前に二度問いかける「W問いかけ法」

あえてシンプルに愚かになる「KISS思考法」(Keep it simple,Stupid. シンプルに愚鈍にせよ)

「共感」と「時間」と「快感」で伝える「三感法」

「強烈な提示」+「なぜそうなったのか」+「結論」で伝える「スパイシーサンド法」

物事をいいように捉えて、文章をポジティブに変換する「ポジティブ変換法」

「伝え方」はトレーニングで身に付けられる「アスリート式伝達法」

相手の頭に映像が浮かぶように伝える「瞬間最大描写法」

10 名前をつけて伝える「ネーミングの法則」

11 例え話で理解を得る「たとえ思考法」


【ひと言にまとめるために必要な7つの法則】

一文には1つのメッセージしか入れない「一文1メッセージ法」

主語と述語の位置を離しすぎない「主述近接法」

同じ言葉が文中に2回以上出てくる場合は言い換えるか省略する「同語言い換え省略法」

箇条書きを使って分かりやすくする「箇条書き法」

「〜と思う」「〜と感じる」は使わず、できるだけ言い切る「言い切り法」

文末のリズムをよくする「リズム法」(声に出して読んでみる)

余計な言葉をできるだけ削除する「徹底削除法」(なくてもいい接続詞、余計なひと言、無駄な指示語、過剰な敬語、不要な修飾語、しつこいカタカナ語、重複表現)

《「ひと言でまとめる技術」勝浦雅彦 著 株式会社アスコム 刊より一部引用》