>EP盤(配信限定)
>タイトル:はしやすめ
>アーティスト:Saucy Dog
>リリース日:2023年 12月 8日
>記事作成日:2024年 2月 8日





聴きました!

…最近、知らない事ばっか。
元々ぼくは、音楽はフィジカルで所持していたい派。サブスクってのは、“所有している”実感がゼロだから、水モノっぽくてなんか馴染めなくて。アーティスト側にもあまりお金が回らないみたいだし。でも、時代の流れには逆らえず、この2〜3年ですっかり音楽の聴き方がサブスク主流になったんですよねぇ。
このバンド、フィジカルにだけボーナストラックを忍ばせていたらしいじゃないですか。全っ然知らなくて。しかも、ドラムスのせとゆいかさんがボーカルの曲ばかりという。ぼく、せとさんの歌声大好きなんだよなぁ。本作は、そんな、せとさんVo.のボーナストラックだけを集めた、配信作品。

…ちなみに、本作が出た事もまた、全然知らなくて(笑)。このバンドの事は、ナタリーで新しい記事が出たら通知が来るように設定までしているというのに、スルーしてた…最近、知らない事ばっか。子育てをしていると情報の“取りこぼし”が増えてしまいます。



『へっぽこまん』
アコギとピアノが優しく絡む、あったかい音のミドルチューン。優しいからこそ、あったかい音だからこそ、歌詞の物語の切なさが沁みるんだ…。曲タイトルのユルい感じも、こちらの油断を誘う罠だった(笑)。“殺傷能力”、激高。
アコギのアルペジオとまろみのあるエレキのリフの絡みも、とても良い。
ちなみにこれ、リアレンジが施されているそうな。オリジナルを聴くしかないな。引っ越しが済んだら、すぐ買おう。

『煙草とコーヒー』
フォーキーな要素が、特に強い。せとさんがボーカルの場合、演奏の布陣ってどうなってるんですかね? この編成だけで、バンドとしてやっていけるのでは?(笑)。それくらい、しっくり来てる。
メロディが人懐っこいですねぇ。作り込んだ感じというよりはさらりと聴けちゃう分かりやすさが、せとさんの歌声の柔らかさと相まってとても映えている。

『寝ぐせ』
特にサビの辺りのメロディには、通常のサウシーの個性を強く感じる。クレジットを見る限り、作曲は石原さんボーカル時と同様にSaucy Dog名義なんですね。
サウンドとアレンジにこそとても“せとゆいかみ”があるけど、トータルとしてはとても“サウシーみ”に溢れてるバラード。
…しかし、このEP、なんか今ひとつハッキリしないダメな男と付き合ってる女性が多過ぎでは?(笑)。

『いつもの帰り道』
ぼくは、親との折り合いが悪くて。出来るだけ早くに実家を出たかったし、正直今でも極力実家に顔を出したくない。だから、この歌詞を聴きながら、ちょっとした憧れが疼き、見ないふりしてた後悔が顔を出し、自分が親という立場になっての決意みたいなものを再確認するなどしました(笑)。

『ころもがえ』
石原さんのコーラスとの重なり具合が良い。ぼくは石原さんの歌声が好きだし、せとさんの歌声も好きだし、もっと言うとこのお二人の声の重なりが好きなんだなぁと実感。この曲は石原さんのコーラスが強めに入っているので、ちょっとした“ツインボーカル感”があってとてもいい。『リスポーン』以来の、ツインボーカル編成。的な。
どこをどう切り取っても柔らかくてあったかい、長年使い込んだタオルケットみたいな包み込まれ感で、こんなに哀しい物語を歌われたら…致死量。



そんな、計5曲。

レイジーサンデー』収録の『リスポーン』で一気にせとさんの歌声のファンになったんだけど、今回思ったのは、やっぱりせとさんの歌声は最高だという事。控えめに言って、最高。言葉を選ばずに言うと、(勿論良い意味で)素人っぽい歌声なのがまた良いんだ。声も腹からじゃなくて喉から出てる感じで。一方で、ピッチは実はかなり安定していると思うんですよね。

この作品を聴いて、何故だか、90年代後半〜00年代前半の時期の、あの時期のJ-POPシーンを思い出しました。J-POPの中でも、ぼくが一番好きだった時代。あの時代の音楽に近いものを、感じた気がしたのです。無意識のうちに、ゆずとか19(ジューク)とか、あの辺りを想起したのかもしれない。うん、きっとそうだ。自分が一番青春してた時代…『ゆずえん』とか『18〜卒業ライフは入ってない〜』とか、確実にあの辺だ。くぅ〜、鼻の奥がツンとするぜっ。





お気に入りは、
#01 『へっぽこまん』
#02 『煙草とコーヒー』
#03 『寝ぐせ』
#04 『いつもの帰り道』
#05 『ころもがえ』





この作品が好きなら、
・『ゆずの素』/ゆず
・『18〜卒業ライフは入ってない〜』/少年フレンド
・『やさしい花の咲く場所』/奥華子

などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/
…配信限定作品ですが。


















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