>オリジナルフルアルバム

>タイトル:大人の涙

>アーティスト:マカロニえんぴつ

>リリース日:2023年 8月 30日

>記事作成日:2023年 10月 9日






聴きました!


フルアルバムは、メジャー2nd.だそうな…まだ2枚目なんだ⁉︎という驚き。EP盤サイズの作品は、結構たくさんリリースしてますし、そもそもインディーズ時代から結構多作でしたもんね。




『悲しみはバスに乗って』

落ち着いたテンポ、落ち着いたトーンのミドルチューンからスタート。歌詞もシリアス。緊張感のある曲でスタート。

そうは言っても、このバンド特有のシニカルなユーモアも端々にあるから、逆に怖い(笑)。普段表情が読めない人の笑顔のように。


『PRAY.』

EP盤『wheel of life』のオープニングチューンでした。それを聴いた時にも思ったけど…ユーモラスからシリアスへ、シリアスからユーモラスへ、緩急がすごい曲。未だに、どういう気持ちで聴いたらいいか分からん(笑)。

でも、アツいロッカバラードである事だけは確か。


『たましいの居場所』

シングル曲でした。

とにかくメロディが、特にサビのメロディがキャッチーな曲。ここまでの音楽史には数多のアーティストがいて、数多の曲を生み出していたと言うのに…まだこんなにもキャッチーで尚且つ独創的なメロディを生み出す事が出来るものなのだなと、ちょっと驚いた記憶があります。一回聴いたら、そのメロディに耳を持っていかれるのは間違いない。そこまで極端に、キャッチーな曲。


『ペパーミント』

爽快さとセンチメンタルが、7対3。全体的には心地よいアップテンポナンバーなんだけど、端々に胸がキュッと来る瞬間がある。それは主に、メロディによって醸し出される切なさ。言葉という直接的なものでなく、メロディで醸し出してくる辺りがニクい。


『ネクタリン』

職場のテレビがたまたまEテレになっていて、天てれのテレビ戦士が歌ってて。まったくマカえんの存在を知らない段階で、既に「何だこの良い曲は」と思った記憶があります。その後はっとりさん作だと知り、凄く納得したんですよね。この方特有のクセみたいなものが、メロディラインの端々に染み込んでいて。

アレンジは、まったく別。打ち込みの音が中心の、ピコピコした音。最初は「もうちょっとバンド感があっても…」と思ったけど、結果的にボーカルラインの“クセ”を堪能出来るので、今はこのアレンジが大好き。


愛の波

配信シングル曲。

バンド感が強い曲。今回のアルバムは本当にあらゆるタイプの曲が入っているので、この曲は(良い意味で)普通の曲だと思います。奇をてらうのではなく王道の、クセの強さではなく聴きやすさを、熱狂的な一人にではなく世の中の多くの人に向けた、そんなイメージの曲。


『リンジュー・ラヴ』

サビのメロディの中毒性…何でもない時に、ふと頭の中で鳴ってる。そういうレベルで、ぼくの頭に“こびり付いて”おります。アクの強い曲でそういった事はままありますが、この曲みたいにストレートなポップチューンでそこまで頭にこびり付く事は、そうそう無い。この曲のキャッチーさが、異常なんだと思います。

恐ろしく秀逸な、ロックバラード。


『嵐の番い鳥』

何やってんの?

えっ、何やってんの?

……………何やってんの?(笑)。

ムード歌謡なんですよ、ゴリゴリの。しかも、デュエット。最初、ムーディー勝山さんと友近さん辺りかと思ったわ! 正解は、はっとりさんとヤユヨのボーカルの方。どっちも、クレジット見ても信じられないくらいに普段の歌声の面影がない(笑)。

歌声と曲調の衝撃にようやく慣れた頃、今度は歌詞の違和感がツボる。何歌ってんの⁉︎   しかも、オケが無くなってからも、いつまで喋ってんの⁉︎

常軌を逸した曲(笑)。大好き。


『Frozen My Love』

メロコアっぽい入り口の曲。で、中盤以降はミクスチャーロックに移行。00年代以降のJ-POPシーンをダイジェストで聴いてるみたいな曲。

あと、ボーカルが3人くらいいそうな曲(笑)。全部はっとりさんなんですかね…? もう、『嵐の番い鳥』以降、はっとりさんの声がどういうものなのかがぼくには分からんですよ。


『だれもわるくない』

今回のアルバムのタイトルは、この曲の一節からだったんですね。

勢いはありつつも、落ち着いたトーンの曲。オケにはピコピコのファニーさがありつつ、歌(ボーカルと歌詞)を中心に曲全体の雰囲気としてはシリアス寄りでほんのりウェッティ。


『TIME.』

この曲も『theel of life』に収録されてましたね。

『悲しみはバスに乗って』などにもシリアスな空気は感じましたが、本作中で言うとこの曲が一番“重苦しい”かな?と思います。低音を軸とした重心の低いサウンドは、でもアレンジ的には音に“隙間”があるからなんか空洞感みたいなものが強調して聴こえてくる。その上に、この歌詞。

「泣ける」とかじゃないんだ、ズシンと来る曲。


『星が泳ぐ』

この感想を書く数日前に、仕事を辞めてまったくゆかりのない街に引っ越す事を決めたんですよね。お誘いを受けての転職、それ自体は決してネガティブな話ではないんだけど…今の職場に、ほとほと疲れてしまって。不安が8割を占める新生活に対して、結構メンタルがグラグラだったんですが…この曲のラスト、「もう行かなくちゃ バイバイ」を聴いた瞬間に、何かがストンと落ちた気がしたんです。歌詞自体は、全然“そういう歌詞”じゃないんだけど、なんか、勇気を貰いました。ありがとうございます。


『ありあまる日々』

弾き語り曲。一発録り、しかも多分スタジオとかでキッチリ録ったやつじゃない。目の前で演奏してくれてるような曲。

歌詞のストーリー的には、切ない歌詞。“切ない”なんて薄っぺらいな…えぐるような痛みを伴う歌詞。だけど同時に、とっても優しくて。あったかくて。別れた人を、手放したものを、失った時間を、だけど「じゃあ最初から出会わなければ(手にしなければ、過ごさなければ)良かった」と思うのではなく「それも人生の彩り」と思えるような、そんな曲。




そんな、計13曲。


エネルギッシュなアルバムだったと思います。

決して、“アッパーチューンでギッチギチ”なアルバムではなかった。むしろそれで言うなら、シリアスな曲とか感傷的な曲の割合が結構高かった。でも、明るい曲は底抜けに明るいし、くだらない曲は極端にくだらない(笑)。喜怒哀楽の全方位が満遍なく盛り込まれたラインナップを目の当たりにして、エネルギッシュだなぁと思いました。怒るにも悲しむにもうちひしがれるにもエネルギーって必要じゃないですか? そういう意味で、エネルギッシュな作品。


(インディーズも長かったとはいえ)まだ若手なのに、物凄くあらゆるものを見ながらバランス良く作品作りをするバンドだなぁと思いました。おちゃらけ方も上手けりゃカッコつけるのも上手い。無敵かっ!






お気に入りは、

#01 『悲しみはバスに乗って』

#03 『たましいの居場所』

#05 『ネクタリン』

#07 『リンジュー・ラヴ』

#10 『だれもわるくない』

#12 『星が泳ぐ』

#13 『ありあまる日々』






この作品が好きなら、

・『BLUE MOUNTAIN』/スナッパーズ

・『透明になったあなたへ』/ナードマグネット

・『エスカパレード』/Official髭男dism

などもいかがでしょうか。






CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/











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