>オリジナルミニアルバム
>タイトル:Bitter Coffee
>アーティスト:スキマスイッチ
>リリース日:2021年 11月 24日
>記事作成日:2021年 12月 17日





聴きました!

スキマと言えば、キャッチーなメロディに分かりやすい歌詞が乗り、それが耳馴染みの良いアレンジでコーティングされた作風でお馴染みですけれども。でも一方である時から、凄くロック然とした骨太でパワフルな曲とか、“格好つけてない” “整え過ぎていない”歌詞とか、そういうのも増えてきて。ぼくは割と、そっちのスキマのほうが好きだったりして。
今回は『Hot Milk』と『Bitter Coffee』という2枚の作品の同時リリースですが、上述のような“ある時以降”のスキマスイッチが色濃く出るのはきっとこっち(=『Bitter Coffee』)なんじゃないのかなぁ?と思ったりしていて、だから凄く楽しみにしながら聴きました。結果は、(良い意味で)全然予想と違いましたけどね!



『I-T-A-Z-U-R-A』
のっけから、ぼくの知ってるスキマとは全然異なる雰囲気の曲。とにかくベースラインがうねるうねる。そこに軽やかなドラムスと切れ味鋭いカッティングのギターが重なって。もちろんタクヤさんのボーカルも存在感があるんだけれども、とにかくオケの存在感に圧倒される曲。一曲目のこの曲の、なんならイントロ部分だけで、「ビターコーヒーってこういう事かー!」と知らしめられる。
本当に、リズム隊がエロくてアグレッシブな、ビターな曲。カッコいい!!!!!

『G.A.M.E.』
ラウドで骨太、そして凄く男臭い曲。これはこれで、一曲目とはまた異なるビター加減。
バンドの全ての楽器が個性を強く出しているけれども、やっぱりベースラインの存在感が際立っている。近年、ベースの音に凄く惹かれるようになってきたので、この曲もまた物凄く好きだなぁ。
そんなずっしりしたリズム隊にガチンコ勝負をしかけてるようなギターも聴き応え十分。リードギターもさる事ながら、リズムギターも存在感があっていい。

『風がめくるページ』
この曲もこっちなんですよねぇ。最初はちょっと意外だったけど、繰り返し聴くうちに凄く納得しました。“コンセプトの異なる2枚を同発” “対になっているアルバムタイトル”っていう事でぼくが想像していたのは“ビターコーヒーとホットミルク”ではなくて、イメージで言うと“コーラと緑茶”だったんだなぁ(笑) いや、誰にも伝わらんだろうけど。“コーラと緑茶”で分けるならこの曲は別のほうのアルバムに収録されるんだろうけど、“ビターコーヒーとホットミルク”なら確かにこっちだわ。
哀愁漂うミドルチューン。ウッディなサウンドが、歌詞の描く感傷を美しく変換してくれていて。だから、切ないんだけれどもあったかい気持ちにもなる。

『いろは』
メロウなバラード。これこそ、サウンドだけ聴けば確実に『Hot Milk』のほうに収録されるべき曲。でも、歌詞がね…柔らかく優しい音がむしろ歌詞のやるせなさを何倍にも増幅していて、だから凄く刺さってくる。これは致命傷になりかねないぞ(笑)
この歌詞を噛み締めて、同じ轍を踏まないように心して奥さんと接する必要があるなと、真剣に思う。男って、みんなこうなんだろうか…。

『SINK』
例えば『ミスターカイト』みたいな、静かな激情を感じる曲。『〜カイト』のほうみたいに後半で分かりやすく“爆発”するような構成ではないけれども、それでもピアノ主体のモノトーンなアレンジの下に物凄くアツいものがドクドクと流れているのが伝わってる。

『フォークで恋して』
キャッチーなのにクールで非常に都会的な雰囲気のアレンジ。オフィスオーガスタのアーティストは、一様にこの引き出しを持ってますよねぇ。
ヴァースあたりは正直あんまり引っ掛からなかったんですが、サビのメロディが凄く好き。そして、このサビをこれだけ光らせるためにはやっぱりヴァースはこれで“正解”なんだろうなと思う。

『あけたら』
柔らかで、爽やかな曲。何の予定もない休日にでも聴きたい。「甘酸っぱくて少し切なくてでも悪い気はしない」曲。
飾り気の少ない、凄くまっすぐなアレンジの曲。その分、歌詞がすんごく沁みてくるんだ…。これは、アレコレ言わずに黙して聴きたい(笑)



そんな、計7曲。

いやぁ…すんげー良かった。近年のスキマは、“過去最高”をしょっちゅう更新してくる(ぼく調べ)。
7曲というコンパクトなボリュームですけども、そこにしっかりとキッチリと起承転結があった。喜怒哀楽もあった。濃淡も強弱も高低も緩急もあった。フルアルバムと同じくらいの濃さであった。
いやはや、面白いアーティストになったものです(謎の上から目線)。

『風が〜』のところでも書いたように、聴く前は、もっと分かりやすくアッパーな曲とかロックな曲が集まったアルバムなんじゃないかと想像していたんだけど…結果、ぼくのその予想は大外れ。音圧とか音の質感とかの“強さ”の話じゃなくて、あくまでも“深さ”がフィーチャーされたアルバムだった。余韻を楽しむべきというか。だから、柔らかい曲も多かったけど何の違和感もなかった。





お気に入りは、
#01 『I-T-A-Z-U-R-A』
#02 『G.A.M.E.』
#03 『風がめくるページ』
#04 『いろは』
#07 『あけたら』





この作品が好きなら、
・『謳おう』/ゆず
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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