>オリジナルフルアルバム
>タイトル:愛はヘッドフォンから
>アーティスト:藤川千愛
>リリース日:2020年 4月 8日
>記事作成日:2020年 7月 23日





聴きました!

“ちゃんと”聴くのは初めてですね。
BUCK-TICKのトリビュートアルバム『PARADE Ⅲ〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK』の中の一曲で、minus(-)さんというアーティストのゲストボーカルというカタチで参加されているのを聴いて、「いい声だなぁ」って。



『東京』
濡れたサウンド。都会的な夜の匂いがする、ちょっとアブナい雰囲気の曲。歌詞の内容的にも、若者の危なっかしい自由が香る感じですね(笑) “オトナっぽい”けど“オトナ”ではないその感じのアブナさが、何とも甘美で魅力的なのです。

『神頼み』
攻撃的なロックチューン、そして攻撃的な歌詞。先鋭的であり最先端の音楽である事が伝わってくる一方、端々でちょっと懐かしさというか…昭和のニューミュージック感も覚えたんですよね。イメージでしかないですけど、例えば中森明菜さんとか山口百恵さんとか、ああいった感じの。歌い方の影響なんでしょうかね…? 鼻にかかる感じの粘り気のある歌声が、昭和のロックンロールを感じる系アイドルの方を彷彿とさせる。

『嗚呼嗚呼嗚呼』
更に硬質で攻撃的なアッパーロックチューンへ。
音をギッチギチに詰め込んだ、これはまさに最先端のオケの作り込み方の曲。とても賑やかではありつつも、きちんと整理されていて聴きやすいアレンジがとてもいいですね。
声に出して読み上げたときの“音数”と字面の画数との乖離が圧倒的なタイトルも、面白くて良い。

『私にもそんな兄貴が』
歌詞の組み上げ方とか言葉のチョイスとかアレンジのテイストとか…全般的にちょっと“あいみょんフレーバー”が強過ぎる気もしないでもないけど(笑)…でも、ぼくはあいみょん大好きなのでどストライク!
比較的シンプルなバンドアンサンブルと、爽やかででもちょっぴり哀愁も含んだアコギのストロークと相まって胸に響きます。

『あさぎ』
ドラマチックなメロディが、悲壮感すら感じるようなヒリヒリするロックサウンドに乗っかって刺さってくる。端々で効いてるピアノにはヒステリックなまでに感情がこもっていて、なんか凄く「煽られる」感じがします。この煽られ方は、ほんと、昭和のニューミュージック感。もしくはそのフレーバーを感じさせる相川七瀬さんとかああいった系統を彷彿とさせる。

『悔しさは種』
もうタイトルからしてそうですが、ど直球な応援歌ですね。「誰かを」っていうよりは自身を鼓舞するのに良さそうな、そういう歌詞とアレンジ。
疾走感のあるバンドサウンドは、それだけで元気をもらえそうです。そこに、ちょっと青臭いけど真摯な言葉が乗っている。イメージ的には、“クール系アイドルのシングル”って感じ。

『おまじない』
ここまでの曲とは雰囲気がガラリと変わって。ピアノとギターが何とも妖しげな雰囲気を醸し出している曲。耳を鷲掴みにするキャッチーさはありつつ、ストレートなポップチューンという感じではなくてなんかミステリアスな感じがする曲なんですよねぇ。こういう、キャッチーなのにクセがある曲、大好き。

『あした朝食を食べる頃には』
ハードボイルドというか、漢気のある女性を曲の中で演じられてる感じですね。“小節”の付け方が若干馴染み切れてない感じはしないでもないけど(笑)
ヴァースは硬質で斜に構えた雰囲気でいっぱいなんだけど、サビで一気にキャッチーに振り切れるメロディとアレンジが好きです。まぁ逆に、ヴァース部分(特にBメロ辺り)がちょっとゴチャっとしちゃってる印象を受けなくもないけれど。

『あなたを嫌いになれました』
とても物悲しく、でもその物悲しさすらも美しく輝くバラード。
冒頭から「はっ…はっ…」って入るコーラス(?)の雰囲気からもう、ちょっと、大塚愛さんの『プラネタリウム』が頭から離れなくなっちゃう感じがちょっとなくもないけど…そしてそうやって聴いちゃうと、曲自体の雰囲気が若干大塚愛テイストであるように聴こえちゃうのですが(『プラネタリウム』だけじゃなく、『金魚花火』とかも想起する感じですね)。決して曲がカブってるとかパクってるの話じゃないんだけど、“フレーバー”がね…。

『べつにいいけど』
曲を聴いて思ったのは、「この曲の主人公は幸せ者だな」という事…「なぜか時々一人が恋しくなるの」って事は、基本は何もしなくても一人にはならない環境だって事ですからね。でも「ひとりって割と居心地がいいの 寂しい奴とか思われてるのかな」って事は基本はボッチなのか…? うーん、よく分からなくなったぞ(笑)

『引き寄せられて夢を見る』
こういう感じのロックバラードだと、歌い方のスタイルやスキルがよく分かります。しなやかで伸びやかでとてもいい歌声だと思う反面、高音をもうちょっと安定的に出せるようになれればもっと良いんじゃないかな?とも感じました。高音が若干細くなる感じがあるように思ったので。サウンドが厚い分、発声がちょっとでも薄くなっちゃうと目立っちゃう気がします。

『田中が彼氏だったなら』
どの“田中”で妄想しようかなぁ…なんとなくクリスタル、ジャンガジャンガ、角栄…(笑)
アレンジが好き。余計な事がされてなくて聴き易く、でもちゃんと存在感があって。そして、そのオケに乗っかるメロディも、凄く良い。適度に軽やかでさらりとしていて、だけどやっぱりちゃんと存在感がある。歌詞もね、適度にユーモラスで、でも田中みたいな存在って結構多くの人に思い浮かぶ顔があるんじゃないかなーと思うので共感性が高いと思う。それぞれの心の中の、田中(笑)

『愛はヘッドフォンから』
タイトルチューン。勢いのあるロックチューン。ギターの存在感があり、リズム隊がテクニカルに支える。
全体的な雰囲気としては、アルバム終盤に配置されるにふさわしい、ハイライト的な感触。“シメ”というよりは“次”が気になる、良い締めくくり方だと思います。

『遥か彼方』
最初にイントロを聴いた時に「随分とアジカンっぽいな」と思ったら、アジカンカバーでしたね(笑) こちらはボーナストラックだそうです。
なんというか…オリジナルに忠実な感じがしますね。アレンジが。特にギターの音色とか、喜多さん&ゴッチさんのそれそのものかと思いました。
歌い方も…オリジナル曲と全然違いますね…なんか、“役になり切ってる”というか、むしろもはや“ゴッチになり切ってる”というか。嫌いじゃないけど、ぼくはカバー作品には“モノマネ要素”は排除してほしいと思っていて、若干そこに障る感じがしないでも…。



そんな、計14曲。

うん、ぼくの“嗅覚”は衰えてないぞ! なんか良い感じの匂いがしてきてたんですよ、この藤川千愛という方の音楽から。
正直、(ご本人がどこまで意図的かは分かりませんが)あいみょんさんとかその辺りの“売れてる”作品の作風をまったく意識してないわけじゃないと思うんですよね。しかし、オリジナリティがないわけでは全然なかったし、何といってももうこの歌声が、ぼくはもう大好物な感じでした(ボイトレ重ねて、高音や低音がスッと出るようになればもっと良いとは思いますが)。

これは、過去作もチェックせねばなるまいしこの先の活動にも大いなる期待が持てる気がします。





お気に入りは、
#01 『東京』
#04 『私にもそんな兄貴が』
#05 『あさぎ』
#07 『おまじない』
#12 『田中が彼氏だったなら』





お気に入りは、
・『瞬間的シックスセンス』/あいみょん
・『ユラレル』/ゆみな
・『まだいけます』/阿部真央
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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