>オリジナルフルアルバム
>タイトル:夏雲ノイズ
>アーティスト:スキマスイッチ
>リリース日:2004年 6月 23日
>記事作成日:2020年 4月 29日





久しぶりに聴きました!

話せば長くなるんですが…最近『おっさんずラブ』を観て、(今更)そこそこハマって、主題歌のスキマスイッチを聴いて、なんか良くて、過去作も聴き直してみた…という流れ。
『おっさんずラブ』に関係なく、元々大好きなアーティストではあるんですけども。



『螺旋(らせん)』
のっけから、シンタさんのピアノがキレッキレ。
『全力少年』とか『ボクノート』とか、割と“正統派”なポップチューンでドカンと売れた人たちですからね、クセのない聴きやすいポップチューン(ばかり)をやる人たちというイメージが世間的にある気がするのですが、いやいやどうして、結構クセの強い曲が多いんじゃないかと思うのです。この曲も正にそんな感じ。ブラスがゴキゲンで、ピアノがキレッキレで、タクヤさんの歌声がちょっとチャラい(笑) キャッチーではあるんだけれども、キャッチー“なだけ”ではないこの曲。

『ふれて未来を』
爽やか。爽やかで、健やか。健全極まりない音が、五臓六腑に染み渡ります。シングル『奏(かなで)』のスマッシュヒットに続くシングルがこれで、当時は正直ちょっと物足りなさもあったんですよね。「きっと『奏』にも負けない叙情的で感傷的な曲を繰り出してくるに違いない」と思っていたら、ものすっごい爽やかな曲だったので。でも、今改めて聴くと…めっちゃ良い曲。

『桜夜風』
シンプルな中に艶やかさと上品な感傷とが香る、メロウなバラード。タイトルから受けるイメージそのままの曲…日本的なしとやかさと、夜桜のような奥ゆかしい美しさと。春の柔らかくて少しだけ冷たい風が鼻先をくすぐる…実際にそんな感触を覚えそうなくらいに情感豊かな曲。
ギターとコーラスで山崎まさよしさんが参加されていて。まさやんのコーラスとタクヤさんの歌声の絡まり具合が、絶品。

『view』
アシッドなテイストのアッパーチューン。
伊豆とか焼津とか…東海の匂いが強い歌詞。東海圏、中京圏に一切の馴染みがないぼくには共感性が殆どないけど、だけどノレちゃうという不思議ね。スキマがそもそも持つキャッチーさのなせる技だと思われる。

『きみがいいなら』
優しくて、切ない、ゆったりとしたロッカバラード。ピアノの彫りが深いですねぇ。スキマスイッチの事を一切知らなかったとしても、きっと「ボーカルとピアノのグループなんだろうな」って思えると思う。それ程までに、お二人のプレイが光ってます。

『ドーシタトースター』
ユーモラスなタイトルとは裏腹に、何とも痛々しく切なく悲しい曲。モノって、思い出が宿っちゃうから怖いんですよねぇ。でも、パンをそのままにしとくのはやめておくべし(笑)
つか、1年も引きずってんのか! それはなかなか…。

『君の話(エヴォリューションMIX)』
“君”の話のつまらなさを、終始なじり続ける歌(笑) “君”さぁ、一体なにをやらかしたら、話がつまらない程度でこんなにも散々言われなきゃいけないのよ…なんて不憫に思いながら聴くのですが、コレ、最後の最後で…これはこれでツライなオイ!

『僕の話』
前曲とは打って変わって、穏やかで和やかな雰囲気の優しい曲。
しかしこの辺の数曲、フルートが大活躍してますよね。あらゆる曲で聴こえてくるフルートは、時に感傷的で時にゴキゲン。えらく表情豊かだなと思ってクレジットを見れば、我らが山本拓夫さん。やっぱり、Bank Band界隈の人はプロ中のプロ。

『種を蒔く人』
憂いを帯びたメロディ。しっとりと濡れたタクヤさんの声が、艶かしくかつ切なく響く。ヴァースは特にセンチメンタルで、その分サビには“抜け感”を感じます。
ペダルスチールは、優しく(だけどやっぱり物憂げに)鳴っています。

『キミドリ色の世界』
正直、このアルバムのリリース当時は、この曲目当てなところが4割くらいあった気が…愛してやまないバンド・Mr.Childrenのドラムス鈴木英哉さんが参加している曲。さすがに“利きドラム”は出来ませんが、「Jenさんのドラムプレイだー」と思って聴けば、紛れもなくJenさんクオリティ。安定感はありつつ、感情の乗った緩急あるドラミング。
曲自体も、大変魅力的。オトコの駄目なところ、でもどこかで密かに開き直ってるような部分がつまびらかに歌詞になってる(笑) 色々考えていて、理由や理屈があって…という事を説明してくれてるんだけど、きっと異性にはそもそも興味がない話なんだろうなぁって。そういう部分も含めて、愛おしい感じの主人公。

『えんぴつケシゴム』
転校しちゃったあの子を、なんとなく思い出すという曲。
歌詞の「卒業アルバムにも載ってない君は 遠い記憶の中で少し可愛くなっている」という歌詞の解釈の仕方にいつも少し困ります。「長い時間を経て、素晴らしい人生を送り素敵な人になっているに違いない」という意味なのか、単純な思い出補正の話か(笑) 前者だとジーンと来るし、後者だと「コノヤロウ!」っていう。前者であって欲しい反面、後者だったら愉快だなーとも思う。

『奏(かなで)』
キラーチューンでシメ。
このアーティストを知ったのは、この曲。今でこそ名曲として浸透してますが、確かこの曲は最初からドカンと売れた訳ではなかったはず。カウントダウンTVで20位とか30位とかの辺りで断片的に流れてきたこの曲は、その断片的な数秒だけでぼくに電撃のような衝撃をもたらした。あの時の感触は、今でも覚えています。
“普遍的な名曲”という肩書がぴったりな、美しく切ないバラード。



そんな、計12曲。

当時ぼくが買った初回盤には、シングル曲のMVが入ったDVDが付いてた(気がする)。

ウイットに富んでるというか…『螺旋(らせん)』のところにも書いたように、キャッチーなんだけれどもキャッチー“なだけ”ではない面白味が、本作には色濃く出ている気がします。まだちょっとトガッてるというか。『ボクノート』とか『全力少年』で国民的知名度を得ながら、徐々にマイルドになっていった印象。その“トガり”は、もしかしたら「若さゆえのイビツさ」なのかもしれないけれど、このお二方ならばそれすら狙って仕組んでそうな気もして。ふんわりしたイメージとは裏腹に、かなりアタマ使ってる感じがしますものねー(笑) ま、どっちにせよ、ぼくは好きです。





お気に入りは、
#02 『ふれて未来を』
#03 『桜夜風』
#06 『ドーシタトースター』
#07 『君の話(エヴォリューションMIX)』
#10 『キミドリ色の世界』
#11 『えんぴつケシゴム』
#12 『奏(かなで)』





この作品が好きなら、
・『KIND OF LOVE』/Mr.Children
・『HORIZON』/レミオロメン
・『すみれ』/ゆず
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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