Kind of Love*2度目のかんそうぶん(1度目のはこちら>オリジナルフルアルバム>タイトル:KIND OF LOVE>アーティスト:Mr.Children>リリース日:1992年 12月 1日>記事作成日:2020年 1月 23日




久しぶりに聴きました!
以前に一度、既に感想を書いた作品なんですが。当時は今と感想の書き方が違くてざっくりとした事しか書いてなかったので、今回改めて、各曲ごとに感想を。
ミスチル、2枚目のアルバムですね。ブレイク前。『CROSS ROAD』『innocent world』『Atomic Heart』で一気にスターダムに駆け上がったあとで、遡る形でこの作品を知ったという方も多いはず。ぼくもそうでした。


『虹の彼方へ』のっけからブラスが幅を効かす、珠玉のポップチューン。桜井さんの歌(曲、ボーカル)も、この上なくキラッキラ。この当時は、爽やか系ポップバンドの感じがぷんぷんしますよね。
『All by myself』スウィートでポップな曲が多い本作ではありますが、要所要所でこういうピリリと鋭い空気感の曲が。つか、デビュー初年のバンドが放つクオリティではない…もちろん、小林Pの影響力が最も強い時期の作品なので、ミスチルの4人さんだけのものではないんだろうけど。アレンジは、小林Pのアングラ面が炸裂してますね。アンダーグラウンドからメインストリームまで、守備範囲が幅広い小林Pだからこその、“マニアックなのにキャッチー”な仕上がり。そんなん、好きになるに決まってるじゃないですか! こんなアレンジにするほうもするほうだし、新人なのに応えちゃうほうも応えちゃうほうですよ(笑)何よりの驚きは、この曲を例え2020年の今やっても、全然色褪せてないであろう点。むしろ新鮮味すら感じますよ。「一周まわって」とかそういう注釈なしで、シンプルに斬新であり、革新的である。
『BLUE』洒脱なポップチューン。瑞々しい恋の物語。女性コーラスが入る、極上のシティポップ。渋谷系の流れを汲む作風だと感じます。男性視点の曲ではあるけど曲全体の雰囲気としては中性的で、ふんわりと優しい。しかしこの曲、ドラムスパート、打ち込みじゃない…?気のせいかな。反対に、ギターのパートは現在の田原さんのスタイルが既に確立されてる感じがします。
『抱きしめたい』ラブソングといえば?という問いに対してこの曲の名前を挙げる人、もの凄く多いんじゃないでしょうか。ぼくは、この世界観がちょっぴり甘すぎて浸り切れないところはありつつ(笑) でも、サビのところで転調する感じとかは、凄く緻密に作り込まれててすげぇなぁと思います。メロディの持って行き方とか、アレンジでの彩りの与え方とか…この曲も、小林P居てこそなのかなと思います。
『グッバイ・マイ・グルーミーデイズ』これは若い感性だからこそ作れる曲でしょうねぇ。1st.アルバム『Everything』に入ってたとしても違和感ないな、と思います。少年性というか…この当時の大学生〜新社会人くらいの世代の頭の中って、だいたいこんな感じだったんじゃないかなぁと推測(笑)
『Distance』今回このアルバムをもう一回ちゃんと感想書こうと思った、きっかけの曲。シャッフルでライブラリにある曲をかけてた中でかかったこの曲に、なんか、ドキリとしたんですよね。もう何十回何百回と聴いた曲なのに。痛々しいまでに切れ味の鋭いギターのサウンドから始まって、なんとも寂しげで儚げな声色のボーカルが切々と歌い上げる。メロディは、切なさでいっぱいなんだけどドラマチックでもある。悲しいんだけども悲しいだけじゃなく、切ないんだけれども切ないだけじゃなく…凄く複雑で、多面的な味わいのある曲。
『車の中でかくれてキスをしよう』名曲中の名曲。痛々しいまでに切なく、宇宙に放り出されたかのような孤独感に締め付けられる、静かなスローバラード。アコギのアルペジオと音数の少ないピアノが、もはやゾッとする程に美しい。ドラムレスの編成ですが、のちのライブ DVDにはJenさんのドラムありバージョン(インディーズ時代がそのアレンジだったそうです)も収録されてて。そっちはそっちで武骨な感じがして好きでした。全く違う曲みたいです。
『思春期の夏〜君との恋が今も牧場に〜』問題作と言って差し支えないでしょう(笑) 今からは想像がつかない、Jenさんボーカル曲。楽曲提供は、小林Pに桜井さんにJenさん本人にと、総動員で。いや、フツーに、良い曲なんですよね。バンジョー(かな?)がペコペコとカントリー調の長閑な音を鳴らし、Jenさんの程よく素人っぽいボーカル(褒め言葉!)がその雰囲気に素晴らしくマッチしていて。25周年ツアー(行けなかった!!)で披露されてましたね。映像作品で拝見しましたが、アレはふざけ過ぎててダメだ(笑) 純朴さのカケラも残ってなかった…そんなJenさんも好きだけどね。
『星になれたら』消える魔球のような変化球のあとは、これ以上ないどストレート! この曲は、この時代のMr.Childrenの決め球と言って差し支えないだろう、キラッキラで程よく切ないポップチューン。そう言えば、このアルバムほどクレジットがバラエティ豊かな作品も他にないですね。メインのソングライターが桜井さんである事は変わらないものの、小林Pも作詞作曲にまで絡んでるし、この『星になれたら』という曲は寺岡呼人さんとの共作だし。
『ティーンエイジ・ドリーム(Ⅰ〜Ⅱ)』これもまた斬新な曲。前半と後半で、まったく雰囲気が異なる。両方ともにティーンエイジャーを描いた曲ではありつつ、イメージとしては、前半は純朴なローティーンで後半は下心ありありのハイティーンという感じ。前半のドリーミンな感じも好きだけど、後半の下世話な感じも好きです、野心丸出しで。野心丸出しなんだけど、その野心っていうのがなんか底が浅くて(笑) その、まさにティーンの感じがすごく好き。
『いつの日にか二人で』ラストは、ピアノとストリングスによる柔らかくも切ないバラード。バンドなのにこういう曲でアルバムを閉める。Mr.Childrenの“ストリングス要不要論争”の火種は既にデビュー年から始まっていた!(笑) ぼくは、全っっっ然歓迎派ですけどね。演奏陣が不満を漏らしてるなら別として。いっとき(中学生頃?)、この曲ばかりを聴いてる時期があったなぁ。我ながらマセガキ(笑)


そんな、計11曲。
小林Pの才能が、遺憾なく発揮されている曲(笑) 小林Pの存在自体が永らく論争の的でしたが…こんなに素晴らしい才能を否定する理由が、ぼくにはまったく分からん。素晴らしい才能と素晴らしい才能が結び付いて、最高の結果に辿り着いているというのに。というワケで、もちろん桜井さんのソングライティングも、メンバーさんのプレイも、小林Pという才能の塊に押し負ける事なく発揮されている事が確認出来る作品でもあります。田原さんのボトルネック、ナカケーさんのメロディアスなベースライン、そしてJenさんの…雰囲気(笑)




お気に入りは、#02 『All by myself』#06 『Distance』#07 『車の中でかくれてキスをしよう』#09 『星になれたら』#10 『ティーンエイジ・ドリーム(Ⅰ〜Ⅱ)』#11 『いつの日にか二人で』




この作品が好きなら、・『フェイクファー』/スピッツ・『CALLING』/コブクロ・『EXPLORER』/槇原敬之などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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