>オリジナルフルアルバム>タイトル:風のクロマ>アーティスト:レミオロメン>リリース日:2008年 10月 29日>記事作成日:2019年 11月 12日




聴きました!
ここ数日、レミオの作品を聴き直しております。やっぱ、いい曲揃いなんだよなぁ。とにかく、まずは各曲の感想を。


『翼』爽やかさの中にもどっしりとした芯のある、ポップなロックチューン。このアルバムのリード曲。とにかく、歌詞が良い事言ってますよねぇ。壁にぶち当たって悩んでる人にはぴったりの応援歌。でも、これ、書いた人自身が悩みの末に生み出した感が凄く強くある。なんというか…悩んでないと書けない歌詞な気がする。
『オーケストラ』こちらも爽やかなポップチューン。『翼』の成分表示が“爽やか6:ラウド4”だとしたら、この曲は“爽やか6:キラキラ4”。この時代のレミオを象徴するような曲。小林武史Pのシンセが、もうノリノリ。
『ランデブータンデム』シュッとしたポップソングだけど、歌詞で描かれるストーリーは割と牧歌的な雰囲気。このアルバム、全体的には秋の匂いが強い作品ですが(実際、リリースも10月末)、この曲には夏の匂いが詰まってる。言葉遊びの曲でもありますね。
『リズム』いっとき、この曲ばっかり聴いてる時期があったなぁ。前向きな歌詞が、力強いサウンドに乗ってズシンと響いてくる。サウンド的には、ストリングスが流麗に流れる軽やかな雰囲気なんだけれども…なんというか、音に“圧”があるんですよね。軽いのに重厚。その独特な聴き心地が大好きな曲。
『透明』どこか内にこもるような独特なクセのある曲。サウンドもそうだし、ボーカルのメロディもそう。そのクセの強い空気感は、初期の作風を彷彿とさせるところですね。歌詞のスケール感は、『フェスタ』とかの頃とは比べられないくらい俯瞰からの視点になってるけど。
『蛍』こういう曲をシングルで切るようになったんだなぁと、バンドとしての佇まいに当時驚いた記憶のある曲。まぁ、トップバンドになっていたんでね、タイアップの絡みとかもあって、単純に“やりたい曲をシングルにする”っていう環境でもなかったんだと思うけど(別にこの曲にシングルとしての器がないとか言ってるわけではないですよ)。感傷的だけれどもネガティブというのでもない、伸びやかだけれどもポジティブというのでもない。ポップな曲ではありつつ“キャッチー”というのともちょっと違う。クセは強いけれどもアウトローな感じでもない。なんか、すごーく、不思議な曲。
『青春の光』ガツガツした音が気持ちいい。この時期のレミオの作風はだいぶ大人っぽくて、バランスが良くて…要は「収まりの良い」もしくは「耳馴染みの良い」ものが多かったけれども…この曲は結構勢い重視に聴こえる部分が強くて。まさに青春っぽい。軽音の部室の匂いがする。正直、リリース当時にはあんまりピンとこない曲だったんだけど…今回久々に聴いたら、なんかすごい良かった。
『RUN』例えば『明日に架かる橋』みたいなタイプの、キャッチーさ&遊び心先行の匂いがする曲。古参のファンからは賛否両論出る感じの(笑)   ぼくは、レミオのこの引き出しも好き。
『星取り』本作の中で最も渋く、もっとも鬱屈したオーラを放つ曲。藤巻さんの歌声は滑らかで伸びやかで、だから決して「陰鬱な」というのではないんだけど。言葉とか歌詞とかそういうのをすっとばして、音のカタマリとして、美しい曲。
『もっと遠くへ』この年の(どっかのTV局の)オリンピック中継のテーマソングでしたね。レミオロメンのこの曲とMr.Childrenの『GIFT』、小林P案件が2曲も(そして2局も)…小林Pの存在感に感服した記憶があります。曲は、力強い王道ロックバラード。どこまでも伸びやかなメロディと、どっしりと安定感のある演奏と。もちろんストリングス陣は参加しつつではあるけど、それを差し引いてもスリーピースバンドの音とは思えないくらいの厚み。
『Merry go round』コンポーザーは前田さん。あの武骨な風体の人なのに、凄くドラマチックなメロディを毎度生み出すんですよねぇ。前田曲としては、『明け星』『傘クラゲ』『リズム』に次いで好きな曲。穏やかで大らかな空気感で満たされた、優しい曲。
『茜空』名バラード。レミオの数ある名曲の中でも、かなり上位にランクイン(ぼく調べ)するスローバラード。季節感が圧倒的。春に抱く、希望と憂いとがない交ぜになった独特の心情がそのまま曲になっている。「え、春先のぼくの心の内側を見ながら書いた曲なの!?」って、ちょっとマジで思ってしまいかねない。そして、そこに春の夜明けの状況描写…いや、この曲聴いて泣かない人が居るの?
『Wonderful & Beautiful』早春の曲の次は、ウィンターソング。都会の冬を切り取った、圧倒的に感傷的でセンチメンタルでありつつそこはかとなく温もりも感じられる曲です。温度感的にはね、「首都圏は今夜初雪かも」とテレビで騒いでるくらいの時期の空気を思い浮かべる感じです。ビル風的な寒さが、まるで肌で感じられるような臨場感のある曲。
『幸せのカタチ』これもまた大好きな曲。跳ねるリズムにホーン隊の華やかさが加わった、賑やかな曲。賑やかなんだけど、手放しで陽気な曲というのでもなくて。レミオ独特の、憂いのようなウェッティな側面もある。爽やかでセンチメンタル…秋空のような曲。
『花火』肩の力の抜けた感じの、ゆったりとした曲。アコギのストロークがどこか牧歌的で、歌詞が紡ぐ日常の幸せをとてもよく表現していると思いました。しかし、藤巻さんから「night鎌倉」なんて歌詞が出てくるとは(笑)。


そんな、計15曲。
よく言えば、“バラエティ豊か”。うがった見方をするなら、“方向性が定まらない”って感じのイメージのアルバムでした(失礼な言い方でごめんなさい)。『粉雪』がメガヒットして以降、ちょっとなんか、混沌とした雰囲気を発してる感じがありましたからねぇ。それが、如実に現れた感じのアルバム。
一方で、今回久しぶりに聴いた時に思ったのは、「思ったよりも混沌としてない」でした(笑)。きっと、当時混沌を感じたのって、純粋に“音”からというよりも、インタビュー記事などで発せられるメンバーの皆さんの発言とかそういう部分から感じ取ったところが多かったのかなぁって。そういう“周辺情報”なしで“音”に特化して聴いたら、別にそんなに混沌としてなかった。タイアップ曲が多いからか、“アルバムとしての統一感”が薄い感じは引き続きあったけど。
リアルタイムで聴いていた当時よりも、今回のほうがこのアルバムを好きになれたかも。




お気に入りは、#01 『翼』#03 『ランデブータンデム』#04 『リズム』#07 『青春の光』#12 『茜空』#13 『Wonderful & Beautiful』#14 『幸せのカタチ』




この作品が好きなら、・『リボン』/ゆず・『新空間アルゴリズム』/スキマスイッチ・『Q』/Mr.Childrenなどもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/


















ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!▶︎音楽雑記帳