>オリジナルフルアルバム
>タイトル:リボン
>アーティスト:ゆず
>リリース日:2006年 1月 18日
>記事作成日:2020年 10月 7日





久しぶりに聴きました!

ぼくが好きだった頃のゆずの作品は、一通り聴き直して感想を書いておこうかと思いまして。
CDを買って聴いて、ソラで歌えるレベルまで聴き込んでたのはこの辺くらいまでかなぁ。



『リアル』
「カッコ悪い僕等の唄をカッコつけて唄い続けんだ」というサビの歌詞。それはきっと『ゆずの素』の頃から変わらない“リアル”なんだと思うけど…寺岡呼人Pから離れた辺りから、カッコの付け方が変わりましたよね(苦笑) この歌詞のこのフレーズは、きっと今のゆずのお二人にも変わらない想いなんじゃないかとは思うんですが…こんなにも“見え方” “受け取り方”は変わるんだなぁと。

『もうすぐ30才』
こういう「カッコ悪いけどカッコ良い歌」は、もう今のゆずさんは歌わないんじゃないかな(あんまり聴かないから分からないけど)。
カントリー調のユーモラスなアレンジに、哀愁が漂う歌詞。まさに、もうすぐ30の気持ちなんですよねー(笑) 落ち着きを求められていく年齢、だけど気持ちはまだまだ若者という、相反する状況。30を超えてしまうと、この歌の哀愁をほろ苦い気持ちで笑えるようになると思います。

『冷めたコーヒー』
前曲とはまた全然系統の異なるユーモア。岩沢さんのニヒルでシニカルなユーモアセンスが炸裂。
アコギとタンバリンというシンプルな編成が、一番映えるタイプの曲。

『超特急』
これ、『あいのり』の主題歌でしたね。観てなかったけど、印象に残ってる…それくらいにジャストフィットなタイアップでした。
ゆずらしい瑞々しさが弾ける、軽快で爽快なポップチューン。『あいのり』とのタイアップ曲作成なんて、悠仁さんの得意分野な気がするけど、コレ意外に岩沢さん曲なんですよねぇ。

『しんしん』
切なくてでも柔らかい、冬のバラード。
当時、身近な人が発覚からたった16日でガンで早逝して。休日、緩和ケア病棟に見舞いをした帰り、珍しく関東に雪が降って、たまたまプレイヤーからこの曲が流れてきて、傘もささずに涙を我慢しながら帰った事をよく覚えています。
あの日の雪は、まさにしんしんと降っていた。
今でも、さらりとは聴けない曲。

『ニンジン』
なんというか…『マキバオー』みたいな曲(笑) コミカルで、ユーモラスで、でも力強さも感じられる。
これ、ヴァースのトコって、岩沢さんコーラスとハーモニカを両立出来たのかな…なんて、どうでもいい事が気になる曲(笑) 歌うにしろハーモニカにしろ、息を吐きっぱなしで酸欠になりそうだし。

『ヒーロー見参』
ダークヒーローがイメージされる、妖しげな雰囲気を伴う曲。このユーモアは、クレジットを見なくたって悠仁さんのものだと分かります。
当時、ライブ映像で、この曲で悠仁さんがVJをやってらっしゃって、なんか一瞬なんだけどそれがすげーカッコ良いな〜って思った記憶があります。

『チェリートレイン』
曲がどうこうっていうより、間奏部分の南海キャンディーズによるミニコントの印象ばっかりが残るわ(笑) 歌詞のストーリーもそこそこキワドイ事を歌ってんのに。
まぁ、曲内での音声だけのミニコントなんでね、分かりやすくオトすというのは必須なのかもしれないけど…でも牛のうんこは安易過ぎるだろ(笑)

『ダスティンホフマン』
タイトルだけ見た時には絶対にネタ曲だと思ったんだけど、実際にはこのアルバムでも有数のセンチメンタルチューンだった…。アレンジ的にはまぁ“(この時代の)いつものゆず”なんだけど、もうとにかく歌詞が…。別れた彼女への想い…こういう感傷って、結構、ヤロウにしか伝わんない気がする。そういう意味で、男臭い曲。

『夕立ち』
派手さはないけど、じんと沁み込んでくる哀愁に切なくなる曲。これまであんまり気にしてこなかったけど、このアルバムにはあらゆるタイプの哀愁が詰まってますねぇ。アラサーという、独特な時期というのが影響してるんでしょうか。正直、20歳の成人式のあたりなんかよりも、今の世の中は30前後でパラダイムチェンジが起き易いように出来てる気がしますからね。

『陽はまた昇る』
トランペット(でしょうか)がゴージャスに鳴る、ゆずらしからぬ曲(笑) いや、近年のゆずの作風からしたら、むしろこれくらい派手なほうがスタンダードなのかもしれないですけど。
前作『1〜one〜』の辺りから散見され始めた「しゃらくせぇ」お洒落曲(笑)の系統。

『一っ端』
これもまさに、アラサーのパラダイムチェンジ真っ只中の曲ですね。
アコギ一本による、ライブ感溢れる曲。シンプルな分、伝わってくるものが大きい。

『女神』
いや、これもまた、アラサーだからこその曲。ほんと、新しい生命を宿せる人って、神でしかない。“神対応”とかの薄っぺらい言葉遊びの“神”ではなく、ほんとうの神様。いっそ祀りたい(笑)



そんな、計13曲。

いやもう、「そりゃあ『もうすぐ30才』がリード曲になるよね」という、そんなテーマのアルバム。でも、今回久しぶりに聴いて、初めてそんな事を思ったかもしれない。初めて聴いたのは「もうすぐ30才」どころか「まだまだ全然20代」だしなんなら「10代気分」のままだったからなぁ。
これは、28くらいで一旦聴いて共感して、30半ばで聴き直してほろ苦い気持ちになるというのが正しい鑑賞方法なのかもしれません。

下のオススメ欄に示しましたが…思春期の無敵感を19(ジューク)『無限大』で感じ、20代のモラトリアムを高橋優『BREAK MY SILENCE』で感じ、アラサーから30代の哀愁を本作で感じ、30代後半から40代にかけての“新しい価値観と新しい幸福”をミスチル『HOME』で感じたら良いんじゃないかと思います。50代以降の事は、さすがにまだ想像すらつかないなぁ(笑) サザンとかになっていくんでしょうか。





お気に入りは、
#02 『もうすぐ30才』
#03 『冷めたコーヒー』
#05 『しんしん』
#07 『ヒーロー見参』
#09 『ダスティンホフマン』
#10 『夕立ち』





この作品が好きなら、
・『無限大』/19(ジューク)
・『BREAK MY SILENCE』/高橋優
・『HOME』/Mr.Children
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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