>オリジナルフルアルバム>タイトル:恋に似ている>アーティスト:THEラブ人間>リリース日:2012年 5月 15日>記事作成日:2019年 9月 22日




久しぶりに聴きました!
いやぁ、ほんと久しぶり。そもそもこのバンドを知ったのは、確か、下北沢のビレバンで。当時リリースされたばかりのシングル『じゅんあい/幸せのゴミ箱』が流れていて、凄くキャッチーで聴きやすくてそれなのにイビツな感じに惹かれて購入したのが最初だったと思います。そして、そこから遡って、本作とかをチェック。その後しばらくご無沙汰してましたが、フレンズ(バンド)を好きになってライブに行き始めたあたりで、「フロントのえみそんさんて、THEラブ人間のベーシストだったんだ!!!」という事を知り、その時に改めてまた本作とかを聴いた気が。で、今回、THEラブ人間が出すベストに歴代のメンバーが勢揃いした集合写真が使われているというニュースを見る中で、再び本作を聴いてみたりなんかして。


『おとなになんかならなくていいのに』ピアノとバイオリンが主導する優しい雰囲気のオケ。リズム隊も、シンプル。そこに、キャッチーなメロディと妙に生々しい歌詞が乗って。爽やかな音の上にセンチメンタルなメロディが乗っかって、その上にしみったれた物語。まさにこれが、THEラブ人間なんだと思う。
『悪党になれたなら』一転して、アグレッシブなバイオリン。快活。この曲を聴いて思ったのは「最近アラブの人たち、減った?」という、曲の本筋とは関係ないところ(笑)アラブ勢が減ったのか、中韓勢が増えたのか。
『わたしは小鳥』そうか、このバンドのこの編成って、やり方次第ではケルト音楽の雰囲気を作りやすいんだな。ピアノにバイオリンにリズム隊…考えるまでもなくケルトっぽい編成なんだけど、歌(歌詞)があまりにもしみったれた日本の下町感に溢れてるので気付かなかった(笑)。この曲も歌詞がまた…さらりとスゲー事を言っとる。何回も繰り返しとる。輪唱しとる。
『西武鉄道999』地方から上京した主人公のストーリーっぽい感じが凄くしたけど、意外と首都圏の人だった(笑)。飯能くらいでしょうか。ちょっと、歌詞が…野暮ったいヤツが背伸びして「好きでもない女も抱いた」ってちょっと自慢込みで言ってる感じがして、げんなりしちゃった。このバンド(の歌詞のストーリーテリング)は、ちょっとその、全体的に“イキがってる感”みたいなものが感じられちゃって、そこだけ苦手。「イキがり少年が主人公なんです!」って事なのかもしれないけど、どっちにしろ苦手。
『八月生まれのきみの結婚式』序盤は淡々と、そして中盤(というか間奏)は爆発的にドラマチックに展開するアレンジが印象的。なんとなく…ほんと、なんとなくでしかないんだけれども、昭和の歌謡曲みたいな雰囲気を感じました。
『わかってくれない』いやぁ、この曲は、大人は分かってくれないでしょうね(笑)。アバンギャルド過ぎて。怒りにも似た感情がこの曲にこもっている事はなんとなく分かるんだけど、あまりにも淡々としてファニーですらある曲調にこの歌詞が乗っていると、なんか、ちょっと混乱する。
『りんごに火をつけて (Light My Apple)』メロディもキャッチーで、アレンジも人懐っこくて、凄く“ポップソング”な曲。2、3回聴けば、サビくらいならもう口ずさめますよね。カモベビー♪って。バイオリンも、凄く“健全”に鳴っている。バイオリンに限らずだけど、このバンドの音はどこか不健全な匂いのするものが多いですからね(笑)。“倫理的にNG”のほうではなくて、“何らかの病気を抱えてそう”のほうの“不健全”。
『砂男』イントロだけ聴けば、葉加瀬太郎のアルバムかな?って思ってしまう(笑)。歌詞はねぇ…言いたい事は、凄くよく分かる。しかし、表現がね、キッタネーんだ。“内容”の話ではなく、“情景描写”的に。いや、「綺麗な表現でオブラートに包んだって意味が無いんだ」って事だとは分かります。分かるんだけど…ぼく自身がもうちょっと幼くて、はみ出す事やアウトローな事に“カッコよさ”を感じてた時分なら、きっと凄くハマったんだろうなぁという歌詞。この方々の表現を否定する気はなくて、ぼくの感性が変わったんだなっていうお話。
『大人と子供 (初夏のテーマ)』あどけなさの残る登場人物の想いが、爽やかなサウンドに乗って広がっていく曲。適度な躍動感と、適度なしなやかさ。そのバランスが良いと思いました。
『愛ってかなしいね』柔らかなバラードでラスト。ストリングスは優しくて、ギターもしっとりと。リズム隊は、敢えて淡々とマーチを刻む…それは繰り返す毎日のように。センチメンタルが炸裂する、秀逸なバラード。


そんな、計10曲。
あれれれれ。こんなにも、違和感を覚えるとは…。元々嫌いじゃなかったし、だからこそ折に触れて聴いてきたし、その度に「いいなぁ」って思ってたんだけどな。今回久し振りにプレイボタンを押して、押した瞬間までは「きっと肯定的な感想になるだろうな」って自分でも思っていたのに…。まぁ、『砂男』のところに書いた感想が全部ですね。カッコ悪さもさらけ出して飾らない言葉で表現するという、そのスタイル自体はロックンロールに必須だと思います。一方で、歌詞の端々に感じ(てしまっ)たのが、「自意識に支配されてる時代にはカッコよく映る事も、大人になるとただ迷惑としか思えない」っていう感じ。例えば『砂男』の「新宿駅でゲロをぶしまけたら」という一節…幼い頃なら「アウトローかっけー」だと思うけど、今は「駅員さん、後始末大変だろうな」でしかない(笑)。その後の歌詞がどんなにいい事・アツい事を言っていたとしても、「…でも、人に迷惑かけるような奴だしなぁ」になってしまう。「二股してる女とのデート?」もそうだし、「好きじゃない女も抱いた」たってそう。
これは、ぼくの感性の変化なんだろうな。「感性が衰えていく、鈍感になっていくのはやだな」と思う反面、「周囲に目が向いていない行動には共感したくないな」というのもあったりして。




お気に入りは、#07 『りんごに火をつけて (Light My Apple)』#09 『大人と子供 (初夏のテーマ)』#10 『愛ってかなしいね』




この作品が好きなら、・『ユー・ドント・ラブ・ミー・テンダー』/グッバイフジヤマ・『67年のラブソング』/よしむらひらく・『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』/クリープハイプなどもいかがでしょうか。




サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)












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