>オリジナルフルアルバム
>タイトル:67年のラブソング
>アーティスト:よしむらひらく
>リリース日:2014年 2月 5日
聴きました!
リリースは1年前ですが、ぼくが知ったのはごく最近です。きっかけは何だったかなぁ。
斉藤和義さんを彷彿とさせるような、朴訥としていて哀愁の漂う雰囲気が特徴的。
フォーキーなんだけど、感触としてはロック。
タイトル曲『67年のラブソング』からスタート。日常を歌っているようで、どこか全く別の世界の出来事のようにもなぜか聴こえる、そんな曲。“別の世界”っていうよりも、時代の違いなのかもしれないな。
渋く、味わいのある曲。
#02、『再会』。こちらもとても渋くて味わい深い曲なんだけど、前曲よりもちょっと希望の光が強く感じられます。それは歌詞の内容とかという一部分の事ではなく、メロディもボーカルも諸々を含めた全体的な雰囲気。
#03、『Parfect day(for L.)』。ゆったりとしたテンポと、どこか気だるそうなボーカル。なんか、よく分かんないけど、ぼくの中のイメージだと“60年代の洋楽アーティストのアルバム曲”って感じ(笑)程よい力の抜け具合、そして遊び心。
メロディがキャッチーなのでポップ感が2割増しに聴こえる、『魔法をかけてくれ』。相変わらず哀愁漂う感じではあるんですけどね。いぶし銀なポップネスが、独自性を発揮しています。
#05、『hanano』。穏やかな、ミディアムチューン。昭和の純文学を読んでいるような肌触り。行間にも言葉がある感じ。
#06、『トーチソング』。過ぎた日々を懐かしむような、憂うような、ほろ苦いミドルバラード。つられて、自分自身の過ぎ去った日々を思い起こして記憶に浸っちゃいます。切なくなるのは、“今”が“あの頃描いていた自分”と違うからなんだろうか。
#07、『heart』。そのストレートなタイトルに表されているようにシンプルなサウンドめ、少しファンタジックな趣もある曲。
愛の歌。好きだとか嫌いだとか、そういうのよりももっと深いところの、愛の歌。
#08、『himajin』。前半は、アコギなのかな…でもシタール的な質感の、オリエンタルな匂いのするトラック。少ない音数から、徐々にテンポを上げたり荒々しくなったり、かと思うとギターが啼いていたり。映画を1本観たような感覚に陥る曲。
こんな曲のタイトルが“暇人”というのも、なんだか抜群のネーミングセンス。それこそ、単館系の邦画のようです。
#09、『井の頭(Album Ver.)』。中央線沿いの、下町の生活感とプレイスポットとしての賑やかさがない交ぜになった独特の空気が音で再現されているような曲。人通りの多いきらびやかな通りから一歩路地裏に入ると、急にしんと静まり返る…急に独りぼっちな感じに包まれるあの辺の感じが、滲み出てます。
吉祥寺、西荻窪辺りが容易に想像出来ます。
#10、『灰色の街を眺む』。もう、曲順からして、ぼくの頭の中ではイメージは中央線沿いの冬です(笑)
やはり、この方の音楽は映像的。言葉も表現も、聴き手にイメージさせる余地を多分に残しているというのに、、、いや、だからこそ映像的なのか?自分のしっくりくる情景を思い浮かべられるから。
#11、『atashiblue』。ちょっとオシャレな感じ。ドラムがジャジーに跳ねていて、ギターがポップにうねってる。
ラスト、『untitled(sayonara)』。アコギ1本で訥々と、でもエモーショナルに歌い上げる前半が特に印象的。血が滲むような鋭利な切なさを見せつつ、でも同時に絶対的に温かな温もりのようなものも帯びている。中盤からはバンドの音も加わりますが、あくまでも最後まで中心にあるのは歌声と歌詞。
そんな、計12曲。
ぼくは常々、「色んなアプローチを見せて欲しい」「似たような曲を並べられるのはあまり好きじゃない」という事を思っている(そして書いている)のですが…本作の収録曲は、楽器の編成もテンポもボーカル回しも、、、つまり曲全体の雰囲気が、どれも共通しているのです。それでも、「一辺倒で飽きる」とか「もうお腹いっぱい」なんて爪の先程も思わなかったんです。むしろ、ヘビーローテーション中。
なんでだろう?答えはまだ見つかっていませんが…ひとつは、同じように見せかけてこっそりと(別に隠してるワケではないんでしょうけど)色んな変化を曲ごとにつけているというのはありそうな気がしています。
例えば、どの曲も大概ギターが使われていますが、それが前に出てきている曲もあればうしろでベース固めに徹している場合もあり。そんな感じで、つまりは「曲が最も映えるための微調整」を丹念に丹念にしているからこそ、これ程魅力的な作品になったんじゃないかなぁと思うのです。
よしむらひらくというアーティストについて、ぼくはまだ何も知らないので…ちょっと調べてみよう。そして、他の作品もあるならそちらも必ず聴こう。
今年最初の、心鷲掴まれアルバムでした。
お気に入りは、
#01 『67年のラブソング』
#02 『再会』
#05 『hanano』
#06 『トーチソング』
#09 『井の頭(Album ver.)』
#12 『untitled(sayonara)』
この作品が好きなら、
・『俺たちのロックンロール』/斉藤和義
・『ACOUSTIC SOUL』/スガシカオ
・『この世でいちばん好きな歌』/東田トモヒロ
などもいかがでしょうか。
CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/
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