>セルフカバーアルバム

>タイトル:逆輸入~港湾局~
>アーティスト:椎名林檎

>リリース日:2014年 5月 27日

>記事作成日:2014年 7月 31日






聴きました!

林檎さんが過去に他のアーティストさんに提供した楽曲をセルフカバーして収録したアルバム。しかも、各曲はそれぞれ有名プロデューサーによってアレンジされているという。そのラインナップが、ソワソワしちゃうほど豪華!




『主演の女』

オリジナルはPUFFYさん。プロデューサーは、朝ドラ『あまちゃん』で時の人・大友良英さん。ガンガンにジャジーでアッパー。過去作で言えば、SOILさんとのコラボに似た質感。カッコいい…。PUFFYさんバージョン、聴いたことあるはずなんだけど…原曲の記憶がぶっ飛んじゃった。あ、もちろん、PUFFYさんが“弱い”って言ってるんじゃないですよ。「PUFFYがこんな曲はやるわけがない」ってくらい、林檎テイストに染まってるって意味です。


『渦中の男』

メガミックスのように、前曲から間髪をいれずに。

オリジナルはTOKIOさん。プロデューサーは上田剛士さん。こちらは、打ち込みのシャープな味付け。これもねぇ…「こんな曲を、TOKIOがやるはずがない!」な曲(笑)。繰り返しになりますが、「どっちが正解か」って話ではないです!!


『プライベイト』

一転してポップでスウィートな『プライベイト』。オリジナルは広末涼子さん。プロデューサーはヒャダインさん。まぁ、ヒャダインさんですからね、ここはもう、ポップネスが炸裂すべくして炸裂しているところと言えましょう。しかし、林檎姐さんとヒャダインさんの相性がこんなに良いとは…。


『青春の瞬き』

原曲は栗山千明さん。プロデューサーは冨田恵一さん。冨田ラボさんの味が、これでもかという程にじみ出ているミディアムチューン。編曲も楽器編成も、トリッキーなわけでは全然ないのに。むしろ王道なシティーポップ感が強いのに、、、なのにこの個性。これはもう、完全に、才能なんだろうなぁ。


『真夏の脱獄者』

オリジナルはSMAPさん。プロデューサーは大沢伸一さん。これもね、プロデューサーの個性炸裂。鼻につく程のお洒落さ(笑)。洗練された音選びと、漂う大人の余裕。色香がすごい。


『望遠鏡の外の景色』

そして、まさかのインスト曲。オリジナルは、、、深津絵里さんが役名の苺イチエ名義で歌っているようですね。プロデューサーは村田陽一さん。これはオリジナルを知らないんですが…元々インスト曲なの??? でも、苺イチエさんは歌ってるのよね…?


『決定的三分間』

こちらも栗山千明さんへの提供曲。プロデューサーは中山信彦さん。全編でエフェクトのかかったボーカルがやたらセクシー。そして、アシッドでほのかにアブナイ匂いのするアレンジと、なのに端々で突如顔を出すキラキラと可愛らしいアレンジとが、ダークファンタジー映画を観てるようなドキドキ感を与えてくれます。


『カプチーノ』

原曲はともさかりえさん、プロデューサーは小林武史さん。(ぼく的に)真打ち登場、小林P。いやぁ、やっぱ良い仕事するわぁ。

“珠玉のポップス”とは、この曲とこのアレンジのためにあるんではなかろうか…こういう表現って80年代辺りまでの“ニューミュージック的な”音楽によく使われる気がしますが、ぼくは、90年代以降の…現代のJ-POPを指してポップスと言ってます。そんな、現役J-POPのエキスを結晶化させたような曲。

『雨傘』

オリジナルはTOKIOさん。プロデューサーは根岸孝旨さん。ぼくの中では「根岸さんと言えばこれ!」という、バンドサウンドが炸裂。タイトに刻むドラムスと歪んだギターが、林檎さんのハイトーンを巧く彩っていると思います。


『日和姫』

前曲に続いて畳み掛けるように、さらに激しく。原曲はPUFFYさん。プロデューサーは日高央さん…未だに漢字表記になれないな、ヒドカトオルさん(笑)。オリジナルの雰囲気も残しつつ…といった趣のアレンジ。ヘッドバンキングしたくなる仕上がり。


『幸先坂』

オリジナルは真木よう子さん。プロデューサーは佐藤芳明さん。前曲までとは一転して、柔らかさと淑やかさが全面に広がるバラード曲。郷愁と素朴さが、心の琴線を刺激します。そして何より、シンプルなアレンジだからこそ光る、林檎さんの歌声の“強さ”。林檎さんの歌声を堪能しながら終われるという、ラストにふさわしい曲。




そんな、計11曲。

林檎さんの歌声にはブレがなく、だからこそ成り立つ作品集だと思います。そして、ブレないからこそ際立つ、各プロデューサーの個性。これ、“日本の名プロデューサーカタログ(2014年度版)”としても使えるんじゃないでしょうか(笑)。まぁ、欲を言えば、亀田師匠の曲もこの並びの中でこそ敢えて1曲欲しかったですけどねぇ。


プロが集まってプロの仕事をするとこうなるんだなぁと、そういうのを見せつけられた作品でした。日本にはこんなに良いアーティストがこんなに居るのに、どうして握手券ばかりが売れる状況になっちゃったんだろう…。






お気に入りは、

#01 『主演の女』
#03 『プライベイト』
#05 『真夏の脱獄者』
#08 『カプチーノ』

#09 『雨傘』






この作品が好きなら、

・『CIRCLES』/SOIL&“PIMP”SESSIONS

・『Sugarless Ⅱ』/スガシカオ

・『花蓮街』/一青窈

などもいかがでしょうか。






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