日曜日の午後、久しぶりの散歩。30分ほど公園をあちこち歩きながら仕事の計画を聞いてもらい、その後は夫の関心事である環境の話に耳を傾けた。

 

普段、聞き役の夫は話を遮られることなく、自然の中で思う存分話せたことに満足した様子だった。そこで、

 

「その調子ならDALF C2合格も夢じゃないかも。ただし、問題提起と結論が抜けていたけどね。」と面接官になったつもりで評価してみた・・・のは2月だったか1月だったか。

 

 

↑ここに書いた友人なら論理的に話すのは朝飯前のはず。その一方で、石油関連の企業で働きつつ環境問題とどう折り合いをつけているのだろうかとも思う。

 

環境問題について私は初心者。関心を持ったきっかけは仏語の試験勉強だった。というのも、それを知らずに合格するのは難しいのでは?というくらい試験問題に出題されるのだ。

 

夫が溜め込んでいた数年分のポッドキャストをジョギングや掃除中に聞き(途中で食傷気味になった)、仕事の合間に練習問題に取り組むことで否が応でも理解が深まっていった。

 

試験前に「資本主義と環境保護は共存できるか」という問題を提起し、それまでに得た知識を参考に子どもでも分かるようにまとめてみた。

 

Le capitalisme et la protection environnementale peuvent-ils coexister ?

 

Non

 

Arguments:

Pour que le capitalisme existe

Il faut augmenter le PIB.

Comment ?

On produit plus et on consomme plus.

Ça provoque de la surproduction et de la surconsommation.

En conséquence, on aggrave les émissions de gaz à effet de serre.

Nos activités économiques polluent l'air et l'eau.

 

En outre, pour construire des usines ou des hôtels par exemple, on coupe des arbres. Ça accélère la déforestation.

 

Dans les pays développés comme le Japon ou la France, on consomme énormément de nourriture, surtout de la viande au mépris des animaux, c'est-à-dire, qu'on favorise l'élevage intensif.

 

D'un autre côté, il y a des pays qui souffrent de la famine, de la guerre ou des catastrophes naturelles et de plus en plus de gens sont obligés de quitter leurs pays.

 

Certaines personnes profitent de cette situation pour exploiter les immigrés.

 

Dans ce système, les gens riches deviennent plus riches et les pauvres ne peuvent pas sortir de la précarité.

Les inégalités vont sans doute s'élargir davantage.

 

2023年夏の自然災害もメモ。

 

・山火事:les incendies en Grèce, au Canada, à Hawaii etc.

・洪水・サイクロン:le cyclone et les innondations en Libye etc.

・干ばつ・猛暑:la secheresse / la canicule (le Japon aussi l'a subi.)

 

 

これは5~8歳の子ども向けの本。ずっと前に息子用に買った。討論や記事とは違って分かりやすい。それでいて語彙や表現も学べる。試験前の夜は読み物でリラックスした。
 
これ本当に大事。週に3日、早朝時間を試験勉強に割り当て、試験どおりの時間配分で問題を解いていく。そんな孤独な訓練を課す辛さは、やった人にしか分からないだろう。
 

本番の口頭表現試験で、お題としてle revenu universel(ベーシックインカム)と la garantie d’emploi(就業保証)を選んだのは質疑応答で関心事に持っていけると思ったから。

 

日本語教育の勉強を通じて関心を持つようになった移民と貧困問題、そして、この試験勉強のお陰でようやく意識を向けるようになった環境問題。結局、両方繋がっているけれど。

 

実際の質疑応答では

 

Q:ベーシックインカムの導入は日本で可能だと思うか。
A:ヨーロッパの一部の国で試験的に導入されたことがあるはず。日本は人口が多いから市町村単位で部分的に始めるほうがいいと思う。


Q:財源はどこから?
A:銀行や大企業から。社会全体にお金が回るようにすべきだと思う。一部の人が恩恵を受けるだけでは社会は安定しないから。貧富の差が広がると、犯罪が増え、暴動も起こる。

Q:就業保証制度は上手くいくか。

A:仕事の需要と共有のバランスが必要。例えば銀行員が農家になりたがるとは考えにくい。農業や職人の仕事を再評価し、学校や家庭でも教育する必要がある。(フランスで)若者が手を使う仕事へ転職する傾向はある。


Q:人の考え方を変えるのは大変だと思うが・・・
A:(上のメモの例を挙げて)今年の夏に世界中で起きた自然災害のことを考えたら、やるしかない。政府は動かないから私たち一人ひとりがやっていくしかない。

 

Q:ベーシックインカムと就業保証制度が導入されたら大学生が勉強する意欲を失うのでは?

A:それよりもまず大学が何のためにあるのか考えるべきだと思う。就職するための機関になっているのが問題だと思う。

 

仏語で語りに語ったことを自慢するために書いているのではない。「簡素であること」を目標に掲げたのは年初だった。そこに辿り着くための道筋として、この試験勉強があった。

 

 

Sobriétéという単語が辞書から飛び出し、生きた言葉として、ここ半年ほど頭の中にある。

 

もちろん単語としては知っていたのだけれど、試験勉強を通じて様々なことを学び、自分にとって今後の指針のようなものになりつつある。

 

辞書には「節度」「節制」「簡素」「地味」「簡潔」などと載っているが、どれもしっくりこない。そこで、とりあえず「簡素」をタイトルとして選んでみた。

 

前回の「穏やか」に続き、「簡素」も新年の抱負にしよう。というのは後付けで、単に去年、書き残して年を越してしまっただけ。

 

冬休み中にブログに書くことで考えがまとまるかどうか。冬休みの宿題だ。子どもの頃も40代の今も宿題をギリギリに終わらせるのは変わらない。

 

冬休みどころか、もう春休みだ。

続く。