以前にもブログに引用したことのある文章。

 

 

人間には3つの出来事しかない:

生まれる、生きる、死ぬ。

生まれるのを感じることはなく、

死ぬことを(考え)苦しんで、

生きていることを忘れる。

(お粗末な訳)

 

17世紀の思想家、Jean de La Bruyère(ジャン・ドゥ・ラ・ブリュイエール)の "Les Caractère"(和訳は「人さまざま」)の一節です。

 

生まれた時は何のしがらみもなかったのが、成長とともに様々な役割を担い、生きている間はそれらを演じなければならない。

 

そこから完全に解放されるのは死ぬ時ぐらい。最期はひとりの人間として死んでいく。

 

と解釈することもできると思います。

 

死について考える時、身内のことを思います。きっとひとりの人間として最期を迎えたんだろうと。

 

本人にしか分からない、本人にすら分からないことなのかもしれませんが、そう信じることで残った者は生き続けられるんだと、40年近く経った今も思います。

 

以上は、ある俳優さんの死をきっかけに考えてみたことですが、自ら命を絶つことを擁護、美化するものではありません。

 

演技も好きでしたが、一番印象に残っているのは、昔、見た旅番組の中の姿でした。

 

スイスでホームステイした彼女は20歳かそこらで初々しくて、キラキラしていました。

 

留学から帰国したばかりの私とさほど年齢が変わらないのに大違いだと思ったものです。

 

社会人になり、その番組は日曜の夜の憂うつを束の間だけ忘れさせてくれる存在になりました。

 

数年後、彼女がホストファミリーと再会する場面が放送された時には誰もが知る俳優さんになっていたはず。

 

嫌味のない美しさを備えている人、という印象を持っていました。残念の一言です。