2学期も折り返し地点を過ぎました。先週末、小学校最後の運動会も終わり、少しの淋しさとともに、また一つ肩の荷が下りたところです。

 

遡ること、2か月前。2学期が始まってすぐに修学旅行の説明会がありました。終了と同時に一目散に出口に向かった私を追おうとした人がいたなんて知りませんでした。

 

ごく近くに住んでいるのに、めったに会わない人。相手も頑張っているんだろうなあ、と思うだけで励みになります。

 

久しぶりに連絡すると「私も相談がある」と言われて初めて、「両想い」だったことを知りました。天気が良ければ、公園を散歩しようと言っていたのに、窓の外が暗くなるまで「家デート」。

 

前回会ったのは6月でした。梅雨に入る前、青空の下で。バッグのデザインを手掛けて10年になる友人は、転換期を迎えている様子でした。

 

その直後、買い付けと売り込みのために海外へ。私の記憶が正しければ、今年は大阪と東京で3回イベントに出展し、来月にはもう一つ控えているそうです。

 

「苦手な接客を克服するために20代に混じって販売のバイトをした」と聞いたとき、惚れ直しました。といっても、最初の仕事は百貨店の美容部員だったそうですが。

 

一方、社会人になって私が最初に勤めたのは田舎の自動車部品工場。作業上着を身につけ、部品が海外に届くのを想像しながら日々、営業事務として働いていました。

 

ところ変わり

 

先日、ある番組で石田ゆり子さんがパリを訪れていらっしゃいました。現地での映画撮影を機にフランス語を学び始められたそうですが、「セリフだから出来るっていうのはありますよね」と苦笑い。
 
日本人女性に憧れを抱かせるような番組構成でした。つまりは彼女とパリに。実際、転職するたびにパリ好きの女性が職場に必ず一人はいました。
 
言葉を習ったり、時々、現地に行ったりする同僚たちは、私と違いオシャレな人たち。でも、なかなか言葉が上達しないのは、正面から文法と向き合ってこなかったからではないでしょうか。
 
柔らかい雰囲気にひかれて始めてみたものの、すぐさま目の前に立ちはだかるのは手強い文法。文法だけでなく、住人もかなりハードだと思います。
 
ある意味、渡仏前の文法学習は、「パリ症候群」に陥らないための予防になるかと思うのですが、いかがでしょう。

 

友人の話に戻し、仏検(英検のフランス語版)の受験を提案してみましたが、あまり良い反応は返ってきませんでした。
 
試験勉強をしながら文法を復習するのが一番。模試を受けたら自分の弱点が分かり、勉強計画が立てやすい。
 
というのは、語学自体が好きな人の言い分なのかもしれません。その類の人間にとっては、試験勉強は、楽しくて、苦しくて病みつきになるのですが、全ての人に当てはまるわけではなさそうです。
 
昨日の朝。先の見えない語学学習は深い霧の中にいるかのよう。
 

4か月前、「フランス語、教えてほしいんだけど」と言われたとき、乗り気でなかったのは、ちょうど念願の日本語レッスンを始めたところだったから。それに、私はフランス語の教授法を勉強したことはありません。

 

あれから状況と考え方に変化がありました。

 

友人を一人の外国語学習者と見れば、いろいろと学ぶこともあります。なかでもモチベーションの保ち方は、どの言語であっても共通するものかと思います。

 

それに、学習歴ゼロから3年間、ネイティブの先生に教わった人のレベルがどんなものか興味もあります。

 

彼女の場合、フランスで買い付けや売り込みをするときに、通訳の方の手を借りずに自分で交渉できるようになるのが目標だそうです。

 

現地のお店で味わった悔しい気持ち。私も20年前、空港の売店であしらわれた苦い経験を思い出します。悔しさをバネにする人。フランス語の勉強も本気なのかな?と友人を見る目も変わりました。

 

いつかパリに住みたいという夢。

 

「パリの魔法にかかっている」「パリがキラキラしている」「パリに未来を感じる」というのは、番組で石田ゆり子さんがおっしゃっていたこと。どうしても合点がいかないのですが、人それぞれなんでしょう。

 

「人生の楽しみは、50歳以降に全部詰まっている」というのは同感します。私もそんな予感を抱きながら、新しい働き方に向け、ゆっくり動き出した一人です。

 

 
ところで、友人のネックになっているのは文法。文法に自信がないから現地で話すとき、しどろもどろになるそうです。そこで奥の部屋から秘伝(笑)のルーズリーフを持ってきました。
 
学生時代、一通り文法を学んだ後、夏休みにテキストから苦手な部分を書き出し、まとめたものです。これさえ頭に叩き込めば、怖いものなし?
 
私は、何度も書いて覚えたのですが、大人、学生、子供で勉強方法も割ける時間も違うはずです。例えば、これは息子用のフランス語教材。学校から下校後、ほんの少し読んでいます。
 
 
息子の自宅学習の準備をしながら、読み物は語学に最適だけれど、さすがに「âne(ロバ)」は友人には必要ない語彙だろう、と一人で笑っていた朝、思い付きました。
 
・友人の好きな雑誌やお店のSNS、ホームページを読みながら文法を復習し、語彙を増やす。
・目、耳、口、手が使える。それに、私も友人の文法習得の程度が分かる。
・お互い事前準備はせずに、分からない単語があれば、一緒に辞書やネットで調べる。
 
却下されるかもしれませんが、今日の「お試しレッスン」で提案してみようと思います。
 
少し前から受講しているオンライン講座で先生のお話の中にもありました。
 
教師が疎く、学習者が得意な分野がある場合、相手に分かりやすいように(学習言語で)説明できれば、学習者は満足感や充実感が得られる。
 
去年、日本語教育の勉強中に学んだインフォメーション・ギャップの一種だと思います。
 
私としても、ファッションという疎い分野の語彙を増やし、情報を得ることができるという利点があります。
 

友人曰く、3年間で習った文法が頭の中で散らかっているそう。それらを引き出しに入れるお手伝いぐらいならできるかもしれません。

 

本人の希望もあり、馴れ合いにならないよう仕事として引き受けた限りは、出来る範囲で協力したいと思います。

 

でも、最終的には元の先生のところに戻るか、私が時間に余裕がなくなるのが双方にとって良い終わり方でしょうね。

 

友人のモチベーションを上げるきっかけになったとしても、語学とは結局、自律学習するものだと思っています。