外国人と話しているときに緊張するのは、相手の眉間に深いシワが刻まれる瞬間です。
言葉が通じなかったときの沈黙、それに続くしかめっ面。
みなさん彫りが深いから眉間にシワが寄ると顔が怖いんです。決して本人に悪気はないのでしょうけど。
夫が言うには、 集中して話を聞いているとき、この顔になってしまうそうです。
私の仕事は、留学生の世話係。
最初は、意思疏通が図れず、眉間にシワを寄せられることもありました。
その回数が減ってきてホッとしているところ。
お互いのnon-nativeな英語にも慣れ、徐々に信頼関係を築けつつあります。
私たちは幼いころから
「相手の話を遮ってはいけません」
「聞き上手になりましょう」
と教えられてきました。
外国人観光客が日本人に好印象を抱く理由の一つは、私たちがニコニコしているからでしょう。
ぜひ見習ってほしいものですが、自己主張の強い彼らが態度を改めてくれるはずもありません。
こちらが策を練るしかないのでしょう。
20年前、留学のため一人フランスにやって来たときのこと。
電車の時間まで、家族や友達にポストカードを書きました。
キオスクで切手を買おうとしたら言葉が通じず、顔をしかめ始めた店員の女性。
一生懸命こちらが伝えようとしても聞こえない振り。
しまいには私を完全に無視し、後から来た客に満面の笑みを浮かべて接客を始めてしまいました。
留学初日にしてズタズタになった心。これが、フランスという国かと思い知らされました。
留学中のさまざまな経験に、少しばかりの人生経験が加わり、少々のことでは怖じけなくなりました。
アジア人というだけで言葉が通じないだろうと思い込み、こちらが話し始める前から眉間にシワを寄せて構えていることもあります。
でも、それは単に相手が外国人に慣れていないのかもしれません。
このしかめっ面から笑顔を引き出してやろうと俄然やる気が湧いてきます。
とびっきりの笑顔で話し掛け、相手が微笑むのを待つか
それとも
高圧的な態度で臨み、相手の表情が緩んだら私も微笑むか
まるでにらめっこのようです。
相手に言葉が通じず眉間にシワを寄せられても、ひるまずに他の単語を探し、畳み掛けるように話し続ける。
時には、ジェスチャーも使いながら。
最初はしかめっ面だった店員と別れ際に笑顔で
Au revoir. Bonne journée !
さようなら。よい1日を!
Vous aussi !
あなたもね!
なんて言い合えたらしめたもの。
ところが、英語ではこうはいきません。受験英語を頭に詰め込んだ苦い思い出。
英会話学校に通ったり、短期留学をしたり、いろいろと試みましたが、未だに苦手意識を克服できません。
英会話教室でこんなご経験ありませんか?
先生:What's new?
生徒:・・・・
(先生の眉間にシワ、溜息)
先生:Ok. Let's start today's lesson.
出鼻をくじかれ、冷や汗をかいてしまいますね。
せっかく訪れた、職場で英語を使うチャンス。
眉間のシワに負けずに、今度こそ英語アレルギーを克服します!