(※ 初めて訪れていただいた方は、2025年4月20日付の、
「ショートストーリーのようなもの」の「怪獣5面相 その1」からお読みください。)



怪獣5面相はまだ次の仕事もなく、今までの疲れを癒すかのように事務所で
のんびりしていたところ、玄関のチャイムが鳴りました。

モニターを見ると、白衣を着て眼鏡をかけた白髪の人と、同じく白衣を着た背の高い青年と髪の長い女性が立っていました。

三人は個人の怪獣研究所の職員だと言い、

「お願いがあります。
 怪獣5面相さんを研究させてください。」

と言うので取り合えず中に入ってもらうことにしました。

話を聞くと

「以前に怪獣5面相とは別の怪獣を見た人がいる」という話をきいてから研究をすることになったそうです。
以前といっても30年以上も前のことだそうで、怪獣5面相もビックリしました。

変な訪問客ではなさそうで、ブームが落ち着くのを待っての行動だということも怪獣5面相を安心させました。

取り合えず怪獣5面相は、土の中にある家に3人を案内しました。



 
続く



(※ 初めて訪れていただいた方は、2025年4月20日付の、
「ショートストーリーのようなもの」の「怪獣5面相 その1」からお読みください。)




傷が治ったある日の朝のことです。
外に出て太陽の光に当たったとき突然人間に変わりました。

「あれっ!!
 人間になっている・・・
 傷が治ったから?・・・」

そういうことだったんだ。と自身で納得しました。

でもその日も仕事があり、テレビ局に行くと入るのを止められました。

怪獣5面相が人間になった時の顔を誰も知らなかったからです。
係の人に理由を話しても信じてもらえません。
やっと番組の担当者を呼んでもらいましたが、担当者も人間になった怪獣5面相を見るのは初めてだったので信じてもらえませんでした。
身分証明のICカードを見せたり、今までの経緯を話したりしてやっと信じてもらえて中に入ることが出来ました。

その日のテレビ番組は「人間になった怪獣5面相」みたいな企画に急遽変更されました。

そのため番組スタッフと怪獣5面相は今までの番組出演を振りかえってみることになりました。

すると、色々な質問に対しての受け答えなど、自分のことが良く解かっていないのではっきりとした答えが出ないでいたことに気づかされました。

バラエティ番組でも、さして面白いことを言えることもなく、ただ「怪獣」というだけで出演していただけだったことがわかりました。

今までは人間になっても土の中の家に長く居たりすると、怪獣になったりしていましたが、今回はそれもなく、人間の姿から怪獣には戻れなくなっていました。

人間のままだと何も珍しくなく、世間的にも飽きがきたようです。
その日を境にメディアでの仕事はだんだんと減っていきました。

ブームは去り怪獣5面相は一般人に戻り、また仕事を探すことになりました。




続く


(※ 初めて訪れていただいた方は、2025年4月20日付の、
「ショートストーリーのようなもの」の「怪獣5面相 その1」からお読みください。)




次の日から怪獣5面相がテレビやラジオ、雑誌、ネット媒体などに出演すると、たちまち大人気になり怪獣5面相ブームがおきました。

食べ物や洋服、日用品などのグッズが発売され、とても忙しくなったので、
部屋を借りて事務所を作ったり、特許を取ったり、雑用もあったりでやることはたくさんでした。

1人では大変だったので、自分を病院に連れて行ってくれた工事関係の人に協力を依頼して、他の人を紹介してもらったりもしました。

でも、太陽の光にあたったら人間になるはずなのに、
あの事故の日以来怪獣になったままでした。

不思議に思いましたが、まあいっか・・・ 
といつもの気にしない性格で日々を過ごしていました。

忙しさに紛れて過ごしているうちに背中の傷も治ってきました。



続く



(※ 初めて訪れていただいた方は、2025年4月20日付の、
「ショートストーリーのようなもの」の「怪獣5面相 その1」からお読みください。)





マスコミの人達と全てのことが終わったので怪獣5面相は家に帰ろうとすると、誰かが声をかけてきました。

「すみません、怪獣さん、ちょっとよろしいでしょうか?」

怪獣5面相がふりかえると、
青年と女性、幼稚園ぐらいの子供が2人、熟年の男女がいました。

「怪獣さん、私を助けてくださってありがとうございます」

遠くから見ていたのは怪獣5面相に助けられた青年でした。

「主人を助けてくださって本当にありがとうございました」

「息子を助けていただいてありがとうございます」

奥さんや両親と思われる方もお礼を言いました。

青年は大きな袋に入った何かを怪獣5面相に渡しました。

「怪獣さんはお肉が好きかな・・・
 と思いこんなものですが受け取ってください」

子供たちはそれぞれに、

「怪獣さんありがとう!」
「ありがとう!」

と言うと、
怪獣が自分たちのお父さんの上にいて鉄板が背中に乗っている絵を渡しました。

怪獣5面相もお礼を言い、照れながらもそれらをもらうとその家族は帰って行きました。

つくづく自分が怪獣で良かったなあ・・・

と夜空を見上げました。

月も星もとても綺麗でした。




続く


(※ 初めて訪れていただいた方は、2025年4月20日付の、
「ショートストーリーのようなもの」の「怪獣5面相 その1」からお読みください。)




怪獣の声を聞いた工事関係の人は驚きもせずそんなこともあるだろう・・・
ぐらいに思っていましたが、マスコミ関係者はそうもいきません。
カメラを回し続け写真を撮ったりしていました。
でも工事関係の人はまたそれを制し治療室へと連れて行きました。

先生も怪獣を診るのは初めてなので色々試しながら、なんとか手当をしました。
代金は工事関係の人が払うということで、外に出ると今度こそマスコミに囲まれました。

怪獣5面相は、色々な質問に答えたり、テレビやラジオ出演、また新聞、週刊誌、月刊誌、ネットなどの話を受けたり、その日は夜までその状態が続きました。

怪獣5面相は人前で怪獣になってしまったことをちょっと気にしましたが、
仕事を探すところだったのでしばらくの間はこれでいいかも・・・と思ったりしました。

そんな様子を遠くからそっと見ている人がいました。




続く