見上げると 
青空が続く

あの向こうまで
行ってみたくて
フェンスを越えたんだ

広い海で泳いで
魚も自分で捕った

自由だった
こんな世界があったんだ

でも
でも
寂しかった
自分しかいなかったから

そしたら
またフェンスの中に
戻って行ってたんだ


だからといって
急にみんなの中に入れなかった

オマエ どこ行ってたんだよ

って言われそうで
怖かった


でも

オレ ひとりで海に行ったんだ

って言ってみたら

 

へえ~~ 

どんなとこだった?

 

って みんな寄ってきて

話をきいてくれたんだ

 

ひとりで自由もいいけど

みんなと一緒も悪くないよね

 

 

見上げると

青空は見えないけど

広い世界に続いている

 

それだけでも

勇気が湧いてくる

 

 

 


青空を見上げて
二人きり
静かだね
白い雲 流れて

金の音

 

水平線を見つめて
二人きり
静かだね
潮騒 響いて
銀の音

 

星空を見つめて
二人きり
静かだね
流れ星 キラリ
鈴の音

ほら 聴こえるね

 

二人の未来を導く

静寂の音


あたし 光ってるでしょう?
エナメルの靴が言った

そうね 光ってるわ
隣の革靴が答えた

あたし 光ってるでしょう?

反対側の
合成皮靴にも聞いた

そうね 光ってるわね

光ってるからって
べつにエラくないわ

正面の運動靴が言った

誰も エライい なんて言ってないわ

エナメル靴が言った

すると
向こうのサンダルが
クスっと笑った

何で笑うの?
あたなには 関係ないわ

エナメル靴は怒った

サンダルは身を縮めたけど
でも面白いもの と思った

エナメル靴は光ったまま
ツンとして口を閉じた

あたし 身軽なの
と サンダルが飛び跳ねた

エナメル靴は横目でちらっと見て
またツンとした

あたしって早く走れるのよ
運動靴も走ろうとした

合成皮靴も負けじと体をよじらせて
あたし やわらかいのよ と言った

革靴はそんなやり取りに呆れて

何も見なかったフリをした

光るエナメルの靴は
まばたきもせずツンとすましたまま思った

 

棚に並んでいるだけの毎日が退屈

 

早く誰かの持ち物になりたくて

 

 

小さな心を

贈ります

 

あなたの愛で

しあわせになれた

お礼に

 

わずかばかりの

心を贈ります

 

今夜

感謝の思いを込めて

 

紅い雲の間から

明日の希望を見つけるまで

どうか もう少しだけ

このままでいてください

 

太陽の暖かい光を

心にあてていたいから

ほんの少しだけでいいですから

色を変えないでください

 

暗闇が押し迫ってくる前に

今日のこの悲しみを

捨ててしまいたくて

 

だから

あと 少しだけ

このままでいてください

 

あと 

少しだけ

このままで

いさせてください