UNDERCURRENT/BILL EVANS & JIM HALL | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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UNDERCURRENT/BILL EVANS & JIM HALL
1. My Funny Valentine
2. I Hear a Rhapsody (Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre)
3. Dream Gypsy (Judith Veveers)
4. Romain (Jim Hall)
5. Skating in Central Park (John Lewis)
6. Darn That Dream (Eddie DeLange, Jimmy Van Heusen) 
BILL EVANというとしなやかで卓越した演奏でファンを魅了した

ジャズピアニストで、Milesからも高い評価を得ていました。
ですが白人という事やドラックなどの問題で彼自身は

相当苦しんでいたようです。
今回アップした『UNDERCURRENT』は、1963年にジャズギタリスト

JIM HALLとデュオで作った作品です。

私自身は、このアルバムを聴いたのはつい最近なんですが、
アルバムはかなり前から知っていました。
ただBILL EVANSの作品とは認知していなくって、

ただただインパクトのあるアルバムジャケットに魅了されていました。
すごく怖い感じもするんですけど、何かこの水に浮かぶ女性の写真が
彼の音楽性を表しているようで、気持ちがいい意味で穏やかな緊張感に

浸るんです。
オープニングの「My Funny Valentine」は、あまりにも有名な曲ですが、
BILLの軽やかなピアノタッチから弾んだ音が流れて来ると、
JIM HALLの柔らかなギターの音が本当にここまで心地よく

触れてくるのって言うくらいBILLのピアノのマッチしているんです。
ピアノとギターのみって、ちょっと不安な感じもしますけど、
これがとにかく素晴しいサウンドと間を作り上げていて圧巻の演奏です。
2曲目の「I Hear a Rhapsody」はJIM HALLの優しい音色のギターから入り、
そのギターをBILLのピアノがそっと脇を固めて行くような感じで

スタートします。とにかく優しくてここちよい響きは

聴いていてうっとりしちゃうくらいで
実際に目の前で演奏されたらとろけちゃいそうな感じですよ。
ピアノのタッチもギターのつま弾きもとってもしなやかで

風に揺らぐカ-テンのようにソフトなんです。
3曲目の「Dream Gypsy」は、これまた優しい雰囲気のBILLのピアノから入り、
JIM HALLのギターが加わってきます。ここでのJIM HALLのギターの音は
ややメリハリのある音を聴かせてくれています。
このギターの演奏というか音を聴いていると、数多くのロック・ギタリスト・・・
特にプログレのギタリストは影響を受けたのではと思ってしまいます。
KING CRIMSONのロバート・フィリップって、こういうギターをたまに弾いたり
しますよね。ロバートの場合ジャズ系の雰囲気がありますから、
JIMの雰囲気があるというのも納得しそうです。

すみません、話が逸れちゃいました。
4曲目の「Romain」はJIM HALLの曲で、出足はBILLのピアノから入り、
その後JIMのソフトなギターが奏でられます。

ここではやはりJIMのソフトなギターを中心に楽しむといった感じですけど、

バックで緩やかな雰囲気で響くピアノがまた絶妙で心地よさを

引き立ててくれているんですよ。
本当にBILLのピアノって優しいですよね~。
このへんは黒人のジャズピアニストには出せない感覚なのでしょうか・・・
もちろんBILLのピアノからは、黒人ジャズピアニストがもっている
独特の押しとかは感じないんですけどね。
そして5曲目の「Skating in Central Park」では、
もう~最初ッから心へしみ込んできそうなピアノとギターの音に

うっとりさせられるはずです。
こういう曲での柔らかい音色のギターって、

ひとつひとつの音にふんわりとしたオブラートが覆っているような感じが

するんですよね・・・
優しさのマシュマロみたいな感じかもっ。(^^
ピアノにしてもギターにしても繊細な音でメロディを奏でているので

落ち着きます。

・・・っていうか、このサウンドは邪気を消してくれそうな気が

するほどです。
そしてアルバム最終曲の「Darn That Dream」も素晴しい曲で、
静けさを音にしたらこうなるんじゃないのかな~思う感じなんですよ。
JIMのギターって本当に穏やかで角が見当たらないんです。
こういうギタリストって私は初めて聴いたかもしれません。
もちろんBILLとの共演というのもこういうソフトな感じを
醸し出しているのでしょうけど、
最初から最後までこういうトーンのアルバムって凄いと思います。
優しすぎる感じすらしますけど、この二人の演奏ではそれすら

許しちゃうような雰囲気になってしまいます。
Toni Frissellのジャケット写真のように、身も心もこのように
委ねてしまいそうなアルバムだと思います。
素晴しいアルバムであり、傑作だと私は思っています。
もしかしたらJAZZをまだ聴いた事のない人は、

このアルバムから聴くのがいいかもしれませんね。
それにしてもこういう素晴しい演奏を聴かせているにも関わらず、
ドラッグで51歳という短い人生を閉じるなんて悲しすぎます・・・
1980年にこの世を去ったなんて・・・