POP MUZIK b/w M FACTOR/M
Mと言えば「POP MUZIK」、「POP MUZIK」と言えばMと言うくらい
時代に合わせたコンピューターサウンドで有名になった一発屋さんでした。
一発屋さんというのは大変失礼なんですけど、
実際79年に放ったシングル「POP MUZIK」ヒット以外は
全くもって不発に終わっています。
とは言ってもこの「POP MUZIK」の大ヒットは当時かなりインパクトが
ありましたし、単純にポップなコンピューターサウンドと片付けるわけには
いかないくらい爪痕を残しました。
とにかくサウンドは短調に聴こえますし、基本♪Pop Pop Pop Muzikの
繰り返しの上にヴォーカルのRobin Scottが乗っけて跳ねているので
私なんかは当初おチャラケ・ソングなのかと思ったくらい
一時的な流行ソングだと頭ごなしに決め付けていました。
確かに感動する名曲かと言われたらそうではないのですが、
ここまで♪Pop Pop Pop Muzik Pop Pop Pop Muzikを繰り返し
リズムネタのように歌われたら、しっかり頭の中に摺り込まれてしまいます。
メロディが単純なので覚えたくなくても勝手に覚えちゃいますし、
歌えと言われればそこそこ歌えそうな気さえしてしまう恐ろしい曲です。
まるでCMソングみたいな手法で作られた曲のようですからね・・・
CMソング手法というより、もしかしたら子供が無意識に歌えるような
曲作りと言っていいのかもしれません。
ある意味ヒットソング作りの公式なのかもしれませんよね。(^^;
とにかくいまだにこの曲もミュージシャンもしっかり覚えているんですから
一周廻ってとんでもない名曲なのかもしれません?
ところでこの曲を歌っているMはこの曲を作って歌っているRobin Scottの
ことだと思っていたんですけど、ちゃんとバンドとしてメンバーがいて
活動していたんですよね・・・M=Robin Scottだとばかり思っていました。
さてこのMの「POP MUZIK」について語ると避けられない話題が・・・
それは盗作問題です。
このMの「POP MUZIK」(79年発表)にHuey Lewis & The Newsが
ヒットさせた「I Want a New Drug」(84年発表)が酷似していると
Huey Lewis & The News側がRobin Scott側から訴えられました。
その後の事はわからないのですが、今度は「I Want a New Drug」に
酷似していると、Ray Parker, Jr.「Ghostbusters」が
訴えられました。結果的にHuey Lewis側とRay Parker, Jr.側は
和解したようですけど、実際のところ映画『Ghostbusters』の
プロデューサーが「I Want a New Drug」を映画で使用したいと
Huey Lewis側に打診するも断れてしまい、それでも諦めきれなくて
プロデューサーがRay Parker, Jr.に「I Want a New Drug」に
似た曲を制作依頼したわけです。そう考えるとRay Parker, Jr.は
可哀想な気がしますけどね・・・
でもHuey Lewis側も「POP MUZIK」のパクリだと訴えられていたので
Ray Parker, Jr.側にあ〜だ、こ〜だ言う筋合いもないような・・・
さてB面の「M FACTOR」はシングルのみの発表となっているので
アルバム『New York–London–Paris–Munich』には未収録です。
CD化されてからはボーナスでめでたく収録されています。
曲の方はさほどテクノとかという感じではないんですけど
どこか跳ねた慌ただしい感じは、この時代の始まりに出てきたような
サウンドだったような気がします。
例えば80年代になって出てきたMen at Workも「M FACTOR」の様な
曲をよりキャッチーにした音作りをしたような気がします。
とは言ってもこの「M FACTOR」は言葉と音符が右から左に
流れ出ているようで私には少々つかみどころが見えてきません。
こういう曲がアルバムに収録されていてもキツイところではあります。
そういうわけで私としてはアルバム未収録は正解だったわけです。
最後にこのシングルは79年にBillboardで1位に輝いていますが、
RIAA公認ゴールドディスク獲得にまでは至らなかったのが残念です。
この上記のレコードは見本盤なのですが、通常盤をそのまま各局へ
渡しているようなんです。ですから盤のレーベルやジャケットには
「見本盤」という記載が全くないんです。