WALLS AND BRIDGES/JOHN LENNON | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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WALLS AND BRIDGES/JOHN LENNON
All songs were written by John Lennon, except where noted.
●Side one
1.Going Down on Love

2.Whatever Gets You thru the Night
3.Old Dirt Road (Lennon, Harry Nilsson)
4.What You Got
5.Bless You
6.Scared
●Side two
1.#9 Dream
2.Surprise, Surprise (Sweet Bird of Paradox)
3.Steel and Glass
4.Beef Jerky
5.Nobody Loves You (When You're Down and Out)
6.Ya Ya (Lee Dorsey, Clarence Lewis, Morgan Robinson, Morris Levy)
JOHN LENNONというと『ジョンの魂』『IMAGINE』という2大傑作アルバムの
名前があげられると思うんですけど、いざ聴くとなるとなかなか覚悟がいる
アルバムだと思うんですよね・・・
私は聴いた回数からしたら、その後の『Mind Games』『Rock'n'Roll』
そして今回アップした『WALLS AND BRIDGES』の方が多いともいます。
あんまり重たいこと考えないで聴けるからだと思いますけど、
特に『WALLS AND BRIDGES』は大好きなんです。
このアルバムに収録されているそれぞれの曲にはいろいろと
考えるところもありますけど、そこまで深いことは歌っていないので
全体のトーンが明るく感じるんです。あくまでも私のイメージですけど・・・
ちょうどこのアルバムを録音している時はOno Yokoさんと別居していて
移り住んだLAでは毎日のようにRingo StarrやKeith Moon、Harry Nilssonと
飲んだくれるという荒れた生活をしていたようです。
この時期をご本には「失われた週末」と言っているくらいYokoさんと
離れたことにもの鯛無さを感じていたんでしょうね。
・・・とは言っても私からしたらそのおかげで『WALLS AND BRIDGES』という
素晴らしい作品が出てきたんですから喜ばなくてはなりません。(^^
本題に入る前にもうちょっと付け加えさせていただきますと・・・
このアルバムの制作前にPhil Spectorのプロデュースで『OLDIES MOULDES』
(のちの『Rock'n'Roll』)レコーディングしていましたが、
Phil Spectorがおかしくなって失踪、Allen Kleinとの問題(この方は自分の
利益しか考えない方で)、アメリカの永住問題とゴタゴタ続きで
先に書いたように酒浸りの毎日が続くも、そんな酷い状態から抜け出す
切っ掛けになったのが、Harry Nilssonのアルバム『PUSSY CATS』の
プロデュースをしてからです。やる気になったんでしょうね。
さてやっと本題ですが・・・オープニングの「Going Down on Love」ですけど、
今までのJOHNのアルバムのトップはインパクトのあるシングル曲が
飾っていたわけですけど、ここではそういう雰囲気はなくて
何だかアルバム全体を聴かせるためにアルバム構成されたのかって
思ってしまうような曲なんです。
派手ではないですし、どちらかというと淡々とした感じさせしてしまう曲です。
ですが、それがかえって引き込まれる要素になってハマってしまうんです。
この曲を聴いただけで今までの様な重苦しさは感じませんし、
ホーンのアレンジとかも加わってどこか明るささえ感じる様な表現を
感じてしまう曲です。私にとってはかなり衝撃を受けた曲でした。
この曲ではNicky Hopkinsがピアノで参加していますけど、
本当に裏方ですけどいい仕事してくれていますので良く聴いてほしいです。
2曲目の「Whatever Gets You thru the Night」はJOHNにとって
ソロ初Billboard No.1に輝いた曲です。
とにかくやけに明るくて勢いのあるメロディに最初驚いてしまい、
JOHNってこういうシングル向けの映えた曲をソロで作るんだと驚かされました。
この曲は何といってもElton Johnがコーラス、ピアノ、オルガンで
参加している事でも話題になっていたわけですけど、
これはこの曲をレコーディングしている時に、その場にEltonが来て
レコーディングに参加させてほしいと言ってきたそうです。
この曲を聴いたらElton好みの曲調ですから飛びついたんでしょうね。
この曲を聴くともう~JOHN LENNONとElton Johnのデュエットです。
皆さんご存知のように、この曲が全米で1位になったらEltonのライブに
飛び入りすると賭けをして、Eltonが1位になる事を当てて夢のライブを
実現した曲であり、JOHNとYokoさんを再び引き寄せる切っ掛けを
作った記念の曲です。
それにしても何度聴いてもバックのギター、サックス、ピアノの演奏が
最高にこの曲を映えさせてくれていますね~~~カッコいいです。
3曲目の「Old Dirt Road」はこの時期の飲み友達Harry Nilssonとの
共作となっています。この曲はHarry Nilssonの『PUSSY CATS』を
録音している時に作っていた曲だそうです。
とにかく出足のNicky Hopkinsのピアノから入って来るんが
たまらなく素敵なんです。JOHNもこの曲ではピアノを弾いてて
多分要所でアクセントで入って来るピアノがそうだと思います。
ピアノも良いんですけど、この曲ではJesse Ed Davisのギターが素晴らしくて
本当にこの曲にぴったりの演奏を聴かせてくれています。
多分このギターとピアノが無かったら、この曲の魅力は半減するくらい
重要だと思います。
4曲目の「What You Got」は最初聴いた時はなんて慌ただしいロックな
曲なんだろうと思ったくらいです。とにかくギターのリフとJOHNの力強い
歌声がグイグイ来て、この振り切れ具合に感動してしまうくらい
最高のノリを聴かせて楽しませてくれます。
やっぱりJOHNのアルバムにはこういう曲が1曲は入っていないと
らしくありませんからね~。
このアルバムではかなりホーンが入っている曲が多いんですけど、
この曲でもホーンが入って曲にうねりをつけて映えさせてくれています。
多分先にレコーディングしていたアルバム『Rock'n'Roll』でホーンを
使っていましたから、その流れもあったのかもしれませんね。
5曲目の「Bless You」は、このアルバムの中でもJOHNらしい美しい
メロディをもった一つではないでしょうか。
このアルバムの中でも一際輝いている名曲なだけあって
JOHN自身もかなり気に入っていた曲だそうです。
それもそのはず、この曲はYokoさんに向けて作らたラブソングですから。
このアルバム制作時は二人がわかれていたわけなので
その前に作られていた曲なんだと思います。
このアルバムに収録しているという事は、それだけYokoさんへの思いが
強かったという事なのでしょうね・・・
私はこの曲で好きなのがJesse Ed Davisのギターなんです。
なんとも穏やかで柔らかな音が何とも言えない落ち着いた雰囲気を
作ってくれています。
6曲目の「Scared」は出足のオオカミの遠吠えから始まる曲で
たまにJOHNってこういうサウンドエフェクトを入れたりしますね。
「Mother」の金の音なんかもそうですけど・・・結構驚きます。
この曲ではストリングスとホーンのバックが凄く曲を映えさせくれて
それに絡むようにNicky Hopkinsのピアノ、Jesse Ed Davisのギターが
とても印象的な音を発してくれているので、何だかそういう音に
触発されてJOHNのヴォーカルがキレのある感じで歌われて
いるのかなって思います。
このアルバムではホーンが多様化されていますけど、
特にこの曲でのホーンは素晴らしいと思いますね。
ところでこの曲のピアノはNicky Hopkinsなんですけど、
曲の盛り上がるところでピアノの連打が聴こえてきますが
これは多分JOHNだと思います。(^^
さてサイドが代わって1曲目は「#9 Dream」です。
邦題が「夢の夢」・・・本当にこの邦題の様な不思議な雰囲気に
浸ることができる素晴らしい曲だと思います。
とにかくイントロのふわっとした心地よい柔らかな音に
心が癒されていく感じがとてもステキなんです。
こういう雰囲気のイントロっていままで聴いた事がなかったので
初めて聴いたときは本当に感激してしまいました。
またJOHNの歌声に広がりがついていて、さらにこのメロディに
溶け込んでいくような感じがたまらなく良いんです。
こんなに穏やかな曲なのに凄いフックがついているのも
驚かされてしまいますけど、やはりサビの不思議なフレーズが
大きなフックになっているんでしょうね。
この曲のタイトルには「#9」とついていますけど、ジョンの誕生日は
9日なのでかなり気に入っていたようです。
更にこの曲がBillboardで9位になったことを凄く嬉しがったそうです。
なんでも「Whatever Gets You thru the Night」が1位になったよりも
喜んでいたそうです。
ちなみに1枚のアルバムから2枚のシングルをカットしたのは
この『WALLS AND BRIDGES』が初めてでした。
2曲目の「Surprise, Surprise」ではElton Johnがバックコーラスで
参加していますけど、よくわかりません・・・(^^;
最初の曲の入りはJesse Ed Davisのギターがグイグイはいって
とてもロックな曲だなって思っていたんですけど、
サビになってからのちょっとマイナーな雰囲気に変わるあたりで
聴く側を更に惹きつけるところは凄いなって思ってしまいました。
一歩間違えば普通にロックな曲で終わるところを
サビ部分でグッとハードルをあげるんですから・・・さすがです。
3曲目の「Steel and Glass」はこのアルバムを買った当初から
大好きな曲で、これぞJOHN LENNONって思わせてくれたんです。
出足のアコギの入りからして緊張感が漂う曲なのに
歌が入るとさらに緊張感がピークに達するような感じさせられる
名曲だと思います。
ここでもホーンとストリングスが加わって来るんですけど
これも映えた音つくりをしているにも関わらず、どんどん「下」に引き込まれて
行くような感じに聴いてしまうんですよね・・・
この曲はBEATLESの最後の方でマネージャーをやって
お金に絡んだうわさがつきなかったAllen Kleinを正面切って
この曲で批判したことでも話題になっています。
元々Allen Kleinを引き入れてAppleをなんとかしようとしたのは
JOHNたちでしたけど、結果Allen Kleinは自分のお金儲けしか考えずに
好きかってやっていたことでBEATLESとの関係が悪化しました。
この人がいなかったらBEATLESの楽曲権利もいまのような事には
なっていなかったでしょうね・・・ちなみにAllen KleinはSTONESの
マネージャーもしたわけですけど、彼によってしっかり初期の作品は
Allen Kleinの会社アブコに取られてしまっています・・・
4曲目の「Beef Jerky」はインストとなっています。
JOHNとJesse Ed Davisのギターがカッコいい曲で、
なかなか聴きごたえのある演奏なんです。
タイトルは何だかなって思いますけど、曲はとにかくお盛り上がりが良くて
とにかく映えた仕上がりになっています。
ホーンの使い方も良いですし、Jim Keltnerのドラムスも良い音を
叩きだしてくれています。
インスト一つでもしっかり作り込んでいるところはやっぱりJOHNだなって
思わせてくれますね。
そしてこのアルバムの実質エンデイングを飾るのが名曲中の名曲
「Nobody Loves You」です。
もうこの曲一曲を聴くためにこのアルバムを買っても損することはない
素晴らしい曲だと思います。
もう聴いているうちに涙がでそうになってくるくらい引き込まれるんです。
Jesse Ed Davisの素晴らしいギターソロの後のJOHNの叫びに
心を震わせてしまうくらい感動して泪します・・・・
バックのピアノとホーンの入りも心地よいですし、最後の口笛で幕を
閉じようとしている感じもまた曲の深さを感じさせられます。
ただただこの名曲に巡り合えたことに感謝せざるを得ません・・・
こういうショービジネスに対しての人の変わりようを歌えるのは
やはり元BEATLESだったからこそ意味深く歌えるんだと思います。
シングルカットこそされていない曲ですけど、JOHNの代表曲として
上位に掲げたい曲です・・・・・
この名曲「Nobody Loves You」を静かに聴き終えてから
しばらくするとプライベートなJOHNのしゃべりが入って来て
ピアノとスネアのリズムで、なんだか周りを気にしながら
調子を合わせて歌うJOHNの「YA YA」が流れてきます。
このスネアを叩いているのはJOHNの息子Julian Lennonです。
まだ幼かったころのJulianで、わざわざスタジオに招いて
たたかせたようで、いまいちリズムが危なっかしいのはご愛敬。
Julianもあとでもっと上手く叩けたのにって言っていたそうです。
なんだか親子のほのぼのとした雰囲気が録音出来ていて
とても和むんですよね・・・・
アルバム全体を通して素晴らしい仕上がりとなっていて
収録の楽曲どれもがクオリティの高い曲となっているので
私なんかは本当にJOHNの作品の中でも『Rock'n'roll』とともに
非常に多く聴いた作品となっています。
冒頭に書いたように雰囲気的には『ジョンの魂』『IMAGINE』を
JOHNの傑作代表作とあげる方も多いんですけど、
私はこの2枚は大傑作だと当然思っています。
ですがこの2枚は普通に聴くには自分の体調を考えないと
聴けない辛さもあります。
でも『WALLS AND BRIDGES』は違うんですよね~。
とんかく内容は複雑ですけど聴きやすい雰囲気があって
いつでも聴ける魅力があるんです。
どうも評論家さんたちの評価は高くないようですけど
私からいわせてもらえればJOHNの一部しかただ評価しているのでは
思ってしまうんですよね。ちゃんと聴きなさいよ~って言いたいです。
まっ、私がこんなこと言っても仕方がないんですけど
間違いないのはこのアルバムも傑作だという事なんです。
最後にこのアルバムは74年に発表されてBillboardで1位に輝き、
RIAA公認ゴールドディスクを獲得しています。
画像上のアルバムが国内盤で、下のアルバムが後年海外で
発売された廉価盤です。
このアルバムのジャケは変形ジャケットで切り込みが入っていて
扉風に開くことができますが、廉価盤は切り込みがない普通の
シングルジャケットになっています。