THE PLACE I LOVE/SPLINTER | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

Beatles大好きっ!猫大好きっ!

BEATLESを中心とした洋楽とニャンコの日々の生活をアップ。

THE PLACE I LOVE/SPLINTER
All songs by Robert J. Purvis, except where noted.
●Side one
1.Gravy Train – 4:50
2.Drink All Day (Got to Find Your Own Way Home) – 3:20
3.China Light (Robert J. Purvis, William Elliott) – 4:35
4.Somebody's City – 5:20
●Side two
1.Costafine Town (Robert J. Purvis, William Elliott) – 3:10
2.The Place I Love – 4:25
3.Situation Vacant – 4:00
4.Elly-May – 2:43
5.Haven't Got Time – 3:55
SPLINTERといってもご存知の方は少ないと思いますけど、
BEATLESファンやGeorge Harrisonファンなら知らない人はいないグループです。
このSPLINTERはBill ElliottとBobby Purvisの二人から成るグループで
George HarrisonのレーベルDark Horse Recordsからアルバム、シングルが
発表されていることで知られていると思います。
またBill Elliottは71年にAppleからBill Elliott & the Elastic Oz Bandで
Johnが書いた楽曲で「GOD SAVE US/DO THE OZ」のカップリングのシングルを
出しています。このシングルはJohnが廃刊になりそうになっていたアングラ雑誌OZを
救済するために作った曲なのでBill Elliott名義というのもどうかと思いますが・・・
まっ、そういう繋がりもあり〜のでGeorge HarrisonのDark Horse Recordsに
身を置くことになったので、BEATLESファンとしては彼らの作品も必須アイテムと
なっているんだと思います。
さて今回アップしたSPLINTERの『THE PLACE I LOVE』は彼らにとってデビュー作で、
さらにDark Horse Recordsからのアルバムということもあって
George Harrisonの力の入れようが半端じゃないんです。
George Harrison自らがアルバムのプロデュースをし、バックを固めるメンバーも
George Harrisonが集めていることがわかります。
とにかく集まったメンツを見たらGeorge Harrisonのアルバムを作るの?って人が
ずらっと並んでいますから驚きます。
メンツを並べてみますと・・・George Harrison、Gary Wright、Klaus Voormann、
Mike Kellie、Billy Preston、Willie Weeks、Jim Keltner、Alvin Lee、
Graham Maitland、Mel Collinsですからねぇ〜スゴすぎです。
さてアルバムのトップを飾るのが「Gravy Train」なんですけど、
出足からなんだかフュージョン風のギターが心地よい音を奏でてくれて、
そのままノリの良い感じで曲が流れるんですから最高なんです。
バックの音はもう〜文句なしにカッコ良くて、しっかりヴォーカルを盛り立てています。
このバックの音を聴いたらGeorge Harrisonのアルバムに流れていっても
気にならないというのか、まんまって感じなんですよ。
George Harrisonのアルバムに皆んな参加している人ばかりですから当然ですね。
出足から軽快なサウンドでスタートさせてくれるところはいいですね〜。
2曲目の「Drink All Day」はアコーステックな感じの曲で
これがとてもいいんですよ。
スワンプな雰囲気があって、これはなかなか引き込まれてしまう曲なんです。
やはりGeorge Harrisonのギターとわかる響きが曲の雰囲気を
上げている感じがしますけど、これはGeorgeファンが聴くとそう聴こえるのかも。(^^;
でも全体のまとまりといい、アレンジ、メロディは凄く良くできていて
もうこの段階でアルバムの質の高さがわかるような感じがします。
3曲目の「China Light」なんですけど、Willie Weeksのベースがかなり
弾んでいて、曲にフックをつけてくれていますし、Billy Prestonのオルガンも
すごく印象的な雰囲気を作ってくれていて最高なんです。
この曲を聴いた時は思わずGeorge Harrisonのアルバム『33&1/3』の感じに
似ているな〜って思ったんです。歌を聴いていたらGeorgeっぽいですしい、
曲そのものがなんだかGeorgeが作ったんじゃないのって思うほど
Georgeしているんです。
まっ、どうしてもGeorge Harrisonがギターを弾いているので
より強くそう思ってしまいますし、バックのメンツがGeorge一派ですから
そこは仕方がないですよね。でもこの曲のクオリティは高くって
私は素晴らしいと思います。
4曲目の「Somebody's City」ですけど、出足のちょっとトリッキーな
ギターの音に驚いてしまいまた。要所でこのギターは入ってくるんですけど
曲がゆったりとしているので、結構アクセントになっていいんですよ。
バックのアコギの音とかやアレンジを聴くとGeorge Harrisonの
アルバム『All things must pass』あたりの曲が横切って行くんです。
このへんはプロデュースがGeorge Harrisonですから仕方がないですけど、
もうちょっと抑えてもよかったような気がしないでもないですね。
曲自体はしっかりしていますし、聴きごたえのある曲で良いと思います。
サイドが代わって1曲目の「Costafine Town」はバックにアコーディオンが
入っていて、なかなかお洒落なアレンジがなされている一曲なんです。
ここではGary Wrightのピアノがいい感じで曲を引っ張っていて
そこに少しゆったりとしたヴォーカルが流れてくるので
全体にすごく和む雰囲気が漂っていて仕上がりもいいんです。
ただアクセントになっているクラップ音が少し前に出過ぎかなって思うのは
プロデューサーのGeorge Harrisonの意向なんでしょうね・・・
このへんも『All things must pass』の頃の雰囲気を引っ張ってきている
感じはしますね。
2曲目はタイトル曲の「The Place I Love」なんですけど、
もう〜アコギもエレキもGeorge Harrisonカラーが出ているのという
George押しのナンバーですね。(^^;
間奏なんて完全にGeorge Harrisonの独壇場ですから・・・
曲調はカントリーフレーバーを感じさせる曲で、とても馴染みやすい曲なんです。
結構バックの演奏がいい具合にアクセントを作っているので、
落ち着いた曲ではあるんですけど映えた雰囲気を作ってくれているのが良いんです。
こういうちょっと明るめの落ち着きを持った曲が入っていることで
アルバム自体の広がりも良くなっているんだと思います。
続く「Situation Vacant」は出足のピアノの音から穏やかな感じが
広がってくる曲で、とてもシンプルな雰囲気を出しているんですけど、
全体のアレンジはとても凝っていると思います。
ベース、ギター、ドラム、ピアノで構成されていますが、
幾重にも重ねてあってすごく音の厚みを感じさせてくれます。
歌メロもすごく素敵で穏やかな雰囲気が染み渡ってきますから
そのまま気持ちが落ち着いていく感じがします。
歌メロに関してはGeorge Harrisonの曲調になんとなく似ているような
気がするのは私だけでしょうか・・・?(^^
4曲目の「Elly-May」はアコーステックな曲でアコギの響きが心地よいんですよ。
アコギの後にドラムス、ピアノ、キーボード、ベースが入ってきますけど
ちょっとカントリーなフレーバーが薫ってきて明るさも感じられて
全体に映えた仕上がりになっています。
何度も書いていますけど、やはりバックがこれだけしっかりしていると
本当に完璧としか言いようのない音を奏でてくれますね。
歌メロも素敵なんですけど、バックのアレンジでさらに映えた曲に
なっているので、シンプルな曲なのにすごく印象に残ると思います。
そしてこのアルバム最後を飾るのが「Haven't Got Time」です。
始まりはなんだか不思議な感じで始まりますけど、徐々に音が重なると
なかなかインパクトのあるうたとアレンジがドンと出てくる曲なんです。
全体にはスワンプな音なんだと思いますけど、ホーンが入ってくるので
かなり派手さが出ている曲になっています。
このアルバムの中で一番インパクトが強い曲だと思いますけど、
最後にこういう曲を持ってくるとなんだかアルバムの始まりみたいに感じます。
アルバム全体から考えると「Haven't Got Time」だけ異質な感じなので
やはりアルバムのトップか最後に持ってこないと納まりが悪かったのかも
しれませんね。
アルバム通して聴いてみると、どの曲も良く仕上がっていて
クオリティの高い作品になっていると思います。
バックの演奏も文句なしですから、本当に安心して聴けるアルバムなんです。
残念ながら1974年に発売されたもののヒットには至らなかったわけですが、
内容は素晴らしいと思いますので、皆さんに聴いていもらいたいアルバムです。
まっ、コアなファンだとDark Horse Recordsから発売されている事や
George Harrison一派がレコーディングに参加していることで
かなりのレア盤となっていますけど、やはり広く聴いてもらいたいですね。
残念ながらチャートには入っていません・・・良いアルバムなんですけど。
ジャケットは真ん中から観音開きになっていて凝った作りになっています。

ちなみに国内盤は普通の見開きジャケットなんです。
https://www.youtube.com/watch?v=MOnUVaYY794
https://www.youtube.com/watch?v=3N4d_aawhHI