BROKEN ARROW/NEIL YOUNG & CRAZY HORSE | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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BROKEN ARROW/NEIL YOUNG & CRAZY HORSE

All tracks by Neil Young, except where noted.

1.Big Time

2.Loose Change

3.Slip Away

4.Changing Highways

5.Scattered (Let's Think About Livin')

6.This Town

7.Music Arcade

8.Baby What You Want Me to Do  (Jimmy Reed)

偉大なミュージシャンはたくさんいますけど、作品がどんな評価をされようと、

売れようが売れまいが迷わず我が道を止まらずにずっと進んでいる人というのは

NEIL YOUNGしかいないのではないかと思います。

どんなミュージシャンでも長く続けていれば下降時期はありますし、

「らしく」ない作品も発表したりしてコケてさらに迷走する人は多々います。

ですけどNEIL YOUNGはどんなにとんでもないアルバムを出しても、

どんなに不評なアルバムを出したとしても、どれもNEIL YOUNGなのがすごいんです。

無骨というのか、信念に一本筋が通っているというのか、ブレないんですよ。

散々不評をかったゲフィンレコード時代の作品すら、やっぱりNEIL YOUNGなんです。

やはりそれくらいいろんなことをやって周りを認めさせる個性の強さを持っている

NEIL YOUNGって唯一無二のミュージシャンだと思います。

NEIL YOUNGが『LIVE RUST』を出した後、セールス面で低迷時期を迎えますが、

そんな事はお構いなしに好きなことを思ったようにやってしまうNEIL先生は

清々しいくらいなお方なわけです。

そんなNEILが94年に『Sleeps with Angels』、95年に『Mirror Ball』と

内容・セールスともに素晴らしい成果を出した2枚のアルバムを出した後に

発表したのが、今回アップした『BROKEN ARROW』です。

またまたおなじみ究極のドタバタバンドCRAZY HORSEを引き連れての登場ですから

悪いはずがありません。ただこのアルバムは当時話題にはなっていたんですけど、

あまりチャート的には上がっていななかったので「個性爆発」なのかと思ったら

すごく良い内容で逆に驚かされてしまいました。

まずはオープニングの「Big Time」からですけど、相変わらず歪んだエレキを

かき鳴らす響きが心地よい曲です。

落ち着いた感じで歌われるこの曲は「NEIL YOUNG」だな〜って実感させられる

良い曲だと思います。ギターソロも歪んだままの音で聴かせてくれるあたり

もう〜拝むしかないでしょう〜。(^^

それにしてもこうも飾りっ気のない演奏に、飾りっ気のない歌をのせて

なんで聴く者を惹きつけるんでしょうね・・・・それがわかったらNEIL YOUNGを

きっと聴かないと思うんですけどね。

2曲目の「Loose Change」も同じく歪んだギターの音からスタートして

ハーモニカを交えて歌い出される曲で、この曲はNEILにしては明るめ?の曲です。

ギターにしてもハーモニカにしても凄く上手いとは思わないんですけど、

やはりこのどこか一発録りの無骨さを通す演奏でなくてはNEILじゃないと

思わせるところが凄いんでしょうね・・・

この曲に関しては特別大きな山や谷があるわけではないのですが、

この調子で10分近く演奏を貫くんですからいい根性をしています。

聴いていても全く長さを感じさせないで聴かせるんですから恐れ入ります。

3曲目の「Slip Away」は、音が前の2曲よりも更にライブ感覚の一発録りの

響きが印象的な曲です。

なんだか小さな箱で演奏しているような音なのが面白いですね。

ただ逆に歌が幾分バックの演奏に引き込まれ気味なのが少々私としては残念かも。

やはりヴォーカルは強く前に出てきてほしいと思ってしまうから・・・

でもCRAZY HORSEの演奏は響いてきますけどね、特にRalph Molinaのドラムは。

多分この曲はCRAZY HORSEバックに、エレキをかき鳴らして歌う曲ではなく

アコギとかで歌う曲なんじゃないのかなって思いますけど、

それをエレキでジャガジャガやっちゃうところがNEIL先生の凄いところなんでしょう。

4曲目の「Changing Highways」はめちゃノリの良い弾んだ曲で、

カントリーなロックソングって感じの曲で楽しんです。

それまでの曲がどれも長い曲なのに対して、この曲は2分30秒くらいの短い曲なのに

驚かされてしまいます。

こういう跳ねた曲をやってくれると気持ちはほっこりしますが、

なんだか似合わないような気もしてしまうんですよね・・・(^^;

5曲目の「Scattered」はまた歪んだエレキでジワジワと攻めてくるわけですけど、

このなんとも言えない緩いメロディが最高にいいんです。

凄くスカスカした歌と演奏なのに、あの歪んだギターの残響音がそれを埋めて

曲の個性を引き立てているのが、計算したのかしていないかわかりませんね・・・

そういう無計画な雰囲気作りを実はしっかりわかっていてやっているんでしょう。

多分、歌メロだけだったら絶対に退屈しそうなんですけど、

そうならないのがNEIL先生です。

6曲目の「This Town」は最初静かなアコギの音でスタートするので

そういう感じで進行するのかと思ったら大間違い。そこへあの歪んだギターが

穏やかな感じで入ってくるんです。穏やかと言ってもあのエレキの響きですから

なかなかインパクトはあると思いますよ、穏やかな音ですけど。

他の曲が結構長い曲だったりするので、こういう穏やかで3分くらいの曲は

逆にこのアルバムでは目立つ感じです。わかりやすいでし、耳障りも良いので

こういう曲はシングルにしてもいいんじゃないのかなって思います。

7曲目の「Music Arcade」は完全にアコギの弾き語りで始まる曲で

聴いているうちにド〜ンとエレキが入ってくるのかと思いきや

淡々と弾き語りで進行していきます。

元々こういうスタイルもある方なので何の不思議もないんですけど、

ここまで落ち着いた弾き語りで来られると急にドタバタロックが聴きたい様な

雰囲気になってしまうのが不思議です。(^^;

でも、あの歪んだサウンドに包まれていると、この「Music Arcade」を聴くと

ほっとする自分がいるのも事実なんですよね。

この曲のエンディング間際にアコギの音がポンと一瞬前に出てきて

NEILがちょっと別のフレーズを弾いて終わるんですが、

その一瞬の音がPink Floydの「あなたがここにいてほしい」に似ているんです。

そしてこのアルバムのエンディンを飾るのがJimmy Reedのカバー曲

「Baby What You Want Me to Do」です。

この曲は1960年の曲でブルースシンガーとして一番充実していた時期の

ヒット曲です。

この曲をNEIL YOUNGは小さな箱でやっているんです。

音自体は宅録りしたような音で籠っているんですけど

すごくそれがブルージーな曲にあっていてカッコいんですよ。

こいう曲をやる感じのしない人なので(私のイメージですが)、

そういう曲をブートな感じで締めくくりに持ってくるというのは印象強いですね。

いつものような駆け抜けていく終わり方と違うというのも

一味違ってすごくいいいんじゃないかと思っています。

全体を通して聴いてこのアルバムのクオリティは高いですし、

かなり私としては聴きやすい作品だと思いますので、

おすすめの一枚と言っていいでしょうね〜。

最後にこのアルバムは1996年にBillboardで31位まで上昇しています。