CRACKERBOX PALACE /GEORGE HARRISON | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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CRACKERBOX PALACE b/w PURE SMOKEY/GEORGE HARRISON
GEORGE HARRISONがAppleとの契約が切れて自分のDark Horseレーベルから

作品を発表できることになって新作を楽しみに待っていたんですが、
入ってくるニュースは発売元のA&Mとのゴタゴタばかり・・・要はA&MはGeorgeの新作を
発売したいがために契約したのに、どうでもいいDark Horseレーベル所属ミュージシャンの
アルバムばかり発表させられて、肝心のGEORGEの新作が届かないものでゴタついてしまい、
A&Mが契約違反で訴えてきたんです。GEORGEはレコード会社をワーナー決めた後に
A&Mの違約金をワーナーから払ってもらい一応の決着をつけてめでたく新作発売に
漕ぎ着けることになったわけです。
今回アップしたシングル「CRACKERBOX PALACE b/w PURE SMOKEY」は
75年発表の『Thirty Three & 1/3』からの第二弾シングルとしてカットされました。
まずは「CRACKERBOX PALACE」ですけど、邦題が「人生の夜明け」ですからね・・・・
ちょっと仰々しい感じがしてあんまり好きじゃないんですけど、曲はめちゃ素晴らしいです。
今まではちょっとブルージーな感じの曲が多かったGEORGEですけど、
Appleから離れた途端に明るさが全面に溢れた出た感じの曲が登場したわけです。
アルバムからの第一弾シングル「THIS SONG」もいい曲だったんですけど、
評価やチャートアクションは「CRACKERBOX PALACE」の方が良かったんです。
私の周りでもかなり好意的にこの曲を受け止めている人が多くって嬉しかったですよ。
とにかく曲の雰囲気かが明るくて弾んでいるのが印象的なのは
ベースのWillie WeeksとドラムスのAlvin Taylorの存在が大きいと思います。
やはり黒人ミュージシャンの素晴らしいノリがこの曲にも伝わっているから
全体に良い感じで弾んだ音が出来上がったんでしょうね。
もちろんキーボードのRichard Teeの存在も大きいと思います。
この曲でのRichard Teeのキーボードは歌メロにあった雰囲気を作っていて、
曲全体を大きく包んでくれている感じすらするんです。
私はこの曲を聴いたときに、GEORGEってこういう曲が作れるんだと驚いたくらい
すごく新鮮な気持ちになったんですが、これはやはりWillie Weeks、Alvin Taylor、
Richard Teeという素晴らしい黒人ミュージシャン3人のフィーリングが
影響を与えてくれたのかもしれません。
この「CRACKERBOX PALACE」の凄いところは出だしからフックのあるドラムスと
スライドギターが映えた感じを作っていて、ここだけを聴いただけでも曲の雰囲気が
全てわかるようなくらい象徴的なんですよね〜。
こういうキャッチーな音作りもシングルとしてのヒット性を膨らませる要素ですから
完成度の高さを感じさせてくれます。
もちろんTom Scottのホーンとアレンジも曲を引き立ててくれていますし、
後ろから押し上げてくれる感じをホーンが担っているのも忘れてはいけません。
そういう意味では参加メンバー全員が楽しくやっている感じがよく伝わってくる
素晴らしい曲なんでしょうね。
ちなみにこの曲はGEORGEが好きなコメディアンLord Buckleyに
捧げられているそうです。それで曲自体が気持ちよく跳ねているのかもしれませんね。
そういえばこのPVはモンティ・パイソンのEric Idleが作っているので
独特なコメディ作品?になっているのかも・・・?(^^
さてB面の「PURE SMOKEY」ですけど、この曲はタイトルからわかるように
GEORGEが敬愛するSmokey Robinsonに向けて作られた曲です。
BEATLES時代からSmokey Robinsonが好きだったわけですけど、
映画『LET IT BE』の中で「You've Really Got a Hold on Me」を
歌っていたシーンは、気侭にどこかリラックスしながら歌っている感じが
とても印象的で良かったんです。
この曲はSmokey Robinsonが74年に発表したアルバム『Pure Smokey』の
タイトルから作られていて、これだけでもGEORGEのSmokey Robinsonに向けての
敬意の度合いが高いことがわかります。
この曲は優しさが溢れんばかりのメロディを持っていて、いかにもGEORGEらしい
雰囲気を出している名曲に仕上がっています。
全体のアレンジはメロディの優しい雰囲気をそのまま保ち、
より広がりを持たせた感じをうまく表現出来ていると思います。
やはりこの曲のバックをつとめているのがRichard Tee 、Tom Scott、
Willie Weeks、Alvin Taylorですから、そのへんの表現は間違いないですね。
Richard Teeのエレピもとても穏やかな感じを出していて、曲のイメージを彼が
作っているといっても過言ではないです。
Richard TeeはStuffのメンバーで多くのミュージシャンとの共演をしていますから
GEORGEも信頼して任せているのがわかります。
この素晴らしいエレピの演奏がもう聴けないと言うのがとても残念ですが・・・・
Richard Teeのエレピにしても、Tom Scottのホーン、Willie Weeksのベース、
Alvin Taylorのドラムスが曲調に合わせた穏やかな雰囲気を保ちながら、
調和させる表現しているあたりは流石です。
無駄な感じがしないのもまたこのシンプルな曲にぴったりなんですよ。
またこの曲ではGEORGEがエレキを担当しているわけですけど(あたりまえですが)、
スライドなしで弾いているのも曲に深みを与えてくれていいんです。
スライドだと流れる様な雰囲気は出せますけど、独特のクセがあるので本人としては
曲の雰囲気を重視したのでしょうね。
私はこの曲の頭から流れて来るGEORGEのギターがとても好きで、
スライドじゃないギターが聴けるのも私がこの曲を好きな理由のひとつなんです。
(スライドが嫌いなわけじゃないですよ。)
全体にこの穏やかさは何とも言えない心地良さを聴く人に与えてくれる魅力を
持っていて、聴くたびに名曲だな〜って感じるんです。
木漏れ日の中を風がほんのりと吹いて、木々の葉を囁かせてくれる様なメロディ・・・
時間がゆっくりとすぎていくような感じがします・・・・
このシングルの両面の曲を聴くと、どちらがA面であっても納得する良い曲が
収められていると思います。わたし的にはゴールデンカップリングですね。(^^
最後にこのシングルは75年にBillboardで19位まで上昇しました。
https://www.youtube.com/watch?v=8Ac34Khe-fc
https://www.youtube.com/watch?v=AU7lR1grqg0