昨日、Facebookで他のプロサックス奏者の方と「スタン・ゲッツは本当にダブル・リップなのか?」というお話になりました。僕自身もダブルリップであそこまで速いパッセージが吹けるはずが無い!と疑心暗鬼になり、相当、様々な文献など読み漁りましたが、結局は動画や写真を観て検証するしか無い…という結論に至り、YouTubeを中心に観まくりました。


英文で読んだ文献によりますと、「若い頃の一時期にダブルリップにチャレンジしたが、リードミスが多いのでシングルリップに戻した。」みたいな事が書いてあったと思います。確かに、ダブルだとリードミスが増えるのは僕も実際にやって実感してます。しかし、「サウンドが最大の売り」のゲッツがそれで諦めるのかなぁとも思います。


この文献を読んで思ったのは、何某らかのインタビューでテキトーに答えたか、或いは一時期本当にリードミスに悩んでて一時的にシングルに戻したタイミングでインタビューに答えたのが独り歩きした様にも思えます。



こちらは、まだハタチそこそこのゲッツ。ファットリップ気味で明らかにシングルリップだと思われます。最初の写真と比べても口の周りの筋肉の状態から、アンブッシュアに違いを感じます。



こちらは'90年の「The Final Concert」での一幕。息継ぎした瞬間に楽器が揺れ、口内でマウスピースが顔の右側に大きくズレた瞬間。すぐに修正しちゃうので、コマ送り再生にして漸く捉えました。歯で支えるシングルリップだとここまでズレる事は有りません。他の動画でも楽器が同様に揺れるシーンを何度か確認しています。


以上のエビデンスから、ゲッツはダブルリップだったと僕は考えています。


ゲッツにとっては、あのサックス・サウンドこそが最大の武器であり、特にアンブッシュアはあのサウンドを作る為の秘密のレシピの様なモノだと確信しています。だから、いくら文献を紐解いても確証は得られない。こうして映像などで判断するしか有りません。ちょっと前だと、秘密のベールに包まれたままでしたが、今はYouTubeが有ってホントに助かります(笑)