ブエノスアイレス滞在の続き (2017/10/21~10/25) | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

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オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東を走行後、2024年4月~5月オーストラリアツーリング。

10/21(土)ブエノスアイレス滞在5日目

 

ブラジルビザ申請の目途がたったので、ビザ申請期間を考慮して今後のツーリングスケジュールを5日間先延ばしとする。

 

スケージュール案はブラジルビザ取得後ブエノスアイレスから約千キロ北のブラジルとの境にある世界最大の滝、イグアスの滝を目指す~そこからブラジルに入国してサンパウロ~リオデジャネイロ~リオデジャネイロから大西洋沿岸に沿って南下してサントス~ポートアレグレ~ウルグアイへ入国~モンテビデオ(ウルグアイの首都)~フェリーでラブラタ川を渡りアルゼンチン(ブエノスアイレス)へ再入国~アルゼンチンを大西洋沿いに南下~南米最南端のウシュアイア(アルゼンチン・フエゴ島)を目指す~その後北へ引き返してアルゼンチンの内陸ルート(ルート40)でメンドーサまで北上~メンドウーサからアンデス山脈越えでチリ入国後~サンティアゴ(チリの首都)までの約2ヶ月間走行距離約1.1kmのツーリングだ。

(ピンク色の線がツーリング計画のルート)

 

その先(ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビア)はサンティアゴで計画を立てるつもりだ。

 

 

息抜きにホテルの周辺の街を散策したら大規模なデモ行進に出くわす。若者が官憲に殺害されたのではないかとの疑惑を訴える左翼系政治団体が主導する約千人規模のデモだ。街中心部の道路は一時閉鎖。デモ行進には若者の数が多い。

 

国会議事堂周辺をまた歩いてみた。国会議事堂とは目と鼻の先の道路に数名のホールレスが生活している。国会議事堂正面の公園にはデモの幕もかかっている。政府は多くの問題を抱えている様だ。

 

夕食はレストランのローマ風タラのステーキをテイクアウトしてホテルの部屋で醤油をつけて食べる。上手い。

 

(国会議事堂)
 

(国会議事堂前の抗議垂れ幕)

 

(国会議事堂横の通りのホームレス)

 

10/22(日)ブエノスアイレス滞在6日目 市内観光散策

土日は多くの商店が営業しないため通りはシャッター街になる。ほとんどのシャッターには落書きが書いあり残念だ。警察官は全員防弾チョッキを着用してのパトロールだ。銃を使用した犯罪が多いのだろう。

 

市内中心部のレティーロ鉄道駅まで行った。石造り立派な駅舎だが、その立派な駅舎の横にみすぼらしい別のサンマルチン・レティーロ駅がある。

 

サンマルティン・レティーロ駅の周辺の住宅地は狭い路地、むき出しの煉瓦の住宅建物、無数の電線が狭い路地の建物と建物の間に張り巡らせてある。その地区へ入るのはためらった。公園を挟みその地区の目と鼻の先はシェラトンホテルもあるモダンな地区だ。

(立派な石造りのレティーロ駅)

(天井が高いレティーロ駅の構内)

 

(レティーロ駅隣の質素な造りのサン・マルティン・デ・レティーロ駅)

 

(サン・マルティン・デ・レティーロ駅構内)

 

(サン・マルティン・デ・レティーロ駅横の狭い路地と住宅)

 

(サン・マルティン公園のイギリス塔と向こう側のシェラトンホテル)

 

街を歩いて30代後半くらいのバス会社勤務の職員と話す機会を得た。同氏からアルゼンチンの事情を聞きいた。同氏の月給は中流クラスの3万ペソ(約20万円)だという。日本のような賞与(ボーナス)は無いと推測すると年収は250万円~300万円と考えると日本の約1/2の年収だろう。

(いろいろ話してくれたバス会社職員)

 

これで物価が日本と同等か少し高いのだから、為替レートがペソ高になっていると思われる。いつか経済危機が訪れると大幅な通貨切り下げになるのではと思う。

 

リーマンショック前(20089月以前)のモスクワでもそのような経験をした。当時は1ルーブルが5円弱だった。物価は日本以上に高く例えばカフェテリアでスパゲッティーとビール小瓶一本で4千円くらいした。

 

現在は1ルーブル1.8円程度とリーマンショック前に比較してルーブルの為替レートは1/2以下になった。ルーブルの割高感が解消したのだ。

 

 

10/23(月)ブエノスアイレス滞在7日目 日本大使館で治安・経済情報収集

 

ブエノスアイレス滞在も長くなってきた。街を歩いているだけでは情報に限りがある。日本大使館を訪ねて当地の治安状状態と経済状況を教えてもらった。

 

アルゼンチンデン全土の治安情報は無いものの、ブエノスアイレスの治安状態が一番悪いようだ。

 

人が集まるところにお金が集まるため強盗等の事件が発生するのだろう。大使館の治安担当者によれば、4名~5名のグループで強盗を働くという。ターゲットの見つけ役、実行犯等役割が決まっている。犯人は拳銃等の武器を携帯しているのが普通であるため、万が一被害にあった際には絶対に抵抗しないようにとのアドバイスだった。

 

財務省出身の経済担当者からは経済状況を聞いた。政府が注力しているのはインフレの抑制と財政の立て直しの二つ。昨年のインフレは40%であったが、今年の着地点は23~24%の見込みのようだ。目標は17%のため、目標達成は難し様子。ちなみに2018年の目標は12%だという。因みに政策金利は27.5%とインフレを抑制するため高めに設定。

 

事実インフレのため通貨の価値は近年著しく損なわれている。2012年末の対米ドルの為替レートは4.9ペソ/米ドルから現在の17.8ペソ/米ドルとペソの価値が1/3に減少(ペソ安)している。お金があれば米ドルで持ちたいのはインフレからの自己防衛だ。

(日本大使館が入居するビル)

(日本大使館が入居する高層ビル15階から見たラプラタ川河口方面の景色)

 

昨日総選挙があり政権与党が勝ち、引き続きインフレ抑制と財政の立て直し路線を継続するのはポジティブだ。

 

それでも肌感覚ではペソは割高のように思える。例えば、一番安いマクドナルドハンバーガーでも35ペソ(約230円)。ビックマックのセット(ポテトに飲み物付き)は125ペソ(約810円)となっている。

 

他方地下鉄・バス等の公共交通機関の運賃は政府の補助もあった非常に安い。区間に関係なく一回7.5ペソ(約50円)だ。

 

ブラジル領事館でビザの申請が受理された。3日後にはビザが発給される。ビザがネックで行うかどうか迷っていたブラジルツーリングが可能になる。

 

10/24(火)ブエノスアイレス 滞在8日目 予防接種の最終回を行う

 

日本で狂犬病、ジフテリア、シベリア脳炎、破傷風、A型及びB型肝炎の予防接種をしてきた。

 

しかしながら、第三回目(最後)の破傷風とB型肝炎の接種は受けていない。4月に受けた2回目の接種から6か月間の期間を開けなければならず、日本からの出国に間に合わなかった。

 

マドリッドで接種を行うとしたが、肝炎のワクチン在庫が無いとのことで諦めた。

 

日系3世のモニカ女史から教えてもらったオスピタル・デ・クリニカス(Hospital de Clinicas)で予防接種が受けられるかどうか訪問した。

 

同病院は1877年に創設された公立の総合病院だが、建物も含め設備はかなり古い。

 

なんとその場で破傷風とB型肝炎を無料で接種をしてくれた。公立の病院受診料は無料になっているようだ。旅行者でもアポイント無しで、無料で医療が受けられるとは予想外だった。

 

日本では海外旅行のための予防接種は11万円程度かかる。マドリッドの私立病院では、医者との面談後、後日予防接種を受ける2段構えなっていて、有料である。

(ホスピタル・デ・クリニカス病院)

 

(ホスピタル・デ・クリニカス病院の受付付近)

 

(ホスピタル・デ・クリニカス病院付近の医療器具店の看板には日本の医療器具メーカーのテルモ広告を載せている)

 

病院への訪問には地下鉄を初めて使った。地下鉄は乗車区間に関係なく一律7.5ペソ(約50円)。政府から補助金ができているため地下鉄を含む公共料金は低く抑えられているようだ。

 

ただし、切符ではなくカードで改札を通るようになっているため、カード(25ペソ=160円強)をまず買わなければならない。そのカードにチケット代をチャージするシステムだ。

 

ブエノスアイレスの地下鉄は東京の銀座線(日本で1927年=昭和2年最初に開通)より古い時代に開設された。そのためか地下鉄の連絡通路が狭い。

 

比較的空いている地下鉄車両内に立って乗っていると当方の横にぴったりくっついてくる男がいた。当方に好意を抱いているのかと思ったが、この男はスリだった。

 

当方のズボンのポケットに布で手を隠しながら入れてくるのではないか。気が付いて<おれのズボンのポケットに手を入れるな>と怒鳴ったが、スリは<おれはそんなことはしていない>ととぼける。

 

地下鉄を降りて気が付いたが、ポケットにいれておいたブエノスアイレスの小型地図が無くなっていた。

(地下鉄の構内は狭い)

 

(地下鉄Dラインの車内)

 

前日証券取引所の総務部を訪れ、本日のガイド付きの取引所見学を申し込んだ。待ち合わせた時間に取引所を訪れると本日のガイト付き見学は中止とあっさり言われてしまった。

 

そんなことなら当方の電話連絡先を取引所の係の人に教えていた手前、電話で連絡してくれてもよさそうなのにと思っても、このあたりがいい加減なところだ。


大統領府がある5月広場(Plaza de Mayo)を挟んでカビルド(Cabildo)という独立当時の行政府建物が博物館として保存されている。

 

1810年5月25日にスペインがフランスのナポレオン軍に占領されたどさくさに紛れてスペインからの独立を果たした。

 

カビルド内には独立前にはブエノスアイレスを2回占領したイギリス軍とも戦った当時の絵画も展示されいる。

(カビルド=独立当初の行政府建物。健在は博物館になっている)

 

(独立当時=1810年5月25日 カビルド前に集まった民衆)

 

(独立前にはイギリス軍とも戦った)

 

(1800年代初頭のブエノスアイレス港からの輸出の7割はボリビアのポトシ銀山から産出した銀を鋳造したスペインのカルロス3世を彫った銀硬貨だった言う)

 

10/25(水)ブエノスアイレス滞在9日目 証券取引

所訪問

 

南米ツーリングではアルゼンチンからチリへ抜けるアンデス山脈越えやペルー、ボリビヤでは高地も走行する等の計画をしている。

 

高地走行で高山病にならないように予防薬を処方してもらうため前日訪れだオスピタル・デ・クリニカスを再度訪れた。

 

本日から医師とのアポイント取りが出来るとあって、受付前には数十人が列を作っている。1時間以上待って、高山病の処方箋を書いてくれる医師とのアポイントをお願いした。しかしながら、11月にならないと担当医は来ないと言われ処方箋は諦めた。

 

病院近くの調剤薬局で、ダメもとで処方箋無しで高山病予防薬を出してくれるようにお願いした。錠剤の箱には処方箋に応じて出す薬と表示してあったが、錠剤を出してくれた。

 

証券取引所は是非とも見学したい場所であった。電話にて本日個人一般見学ツアーがあるかどうか確認した。今日も無いとの返事であったが、大学生のグループツアーがあることが分かった。例外的にに大学生のグループに入れてくれた。

 

大学生グループはゼミの授業として教授と一緒に取引所見学と取引所エコノミストによる取引所の仕組みと株価の推移およびマクロ経済について講義を受けることになっていた。当方も大学生に混って講義を聞く。

 

ブエノスアイレス証券取引所の代表的な株価指数であるMerval指数(流動性が高い上位27銘柄で構成)は最近6年間に現地通貨で10倍位上昇している。米ドルベースでも3倍だ。インフレのため対米ドルの為替レートではペソ安が続いているが、それでも十分にペイする株価上昇だ。

 

ただし、財政赤字、経常赤字、二桁のインフレ率等マクロ経済の環境は決して良くない。学生たちの前では言わなかったが、エコノミストは現在の株価は経済実態から乖離して割高水準になっていると言う。

 

当方のペソの為替レートは高いのではとの意見に対して、同エコノミストは否定はしなかった。現在の為替レートに基づいて物価を計算すると公共料金以外の物価が高く映る。エコノミストの言葉を借りれば、インフレのため物価のの値上げが先行しているからだ。そのため、結果として物価高になってしまっている。

 

因みにアルゼンチンでは公立の学校は大学も含め授業料は無料だという。医療費も無料、公共料金は政府補助で低く抑えられている。これでは財政赤字の垂れ流しの構図である。

 

ただし、現政権は公共料金の政府補助を削るという市場経済にはポジティブな政策を継続している。このことが、株高の要因のひとつかもしれない。

(ブエノスアイレス証券取引所)

 

(証券取引所の旧立会ブースがあったフロア)

 

(証券取引所のトレーディングフロア)

 

(国立技術大学=Universidad de tecnologia Nacionalの学生たちと一緒に講義を受ける。)