流転漫画家伝・今もなお漫画界のアイドル「一本木 蛮」① | 20世紀漫画少年記

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 私は子供の頃から「アイドル」という類に興味がなかった。ハッキリ言えば芸能オンチだった。

 

 小学生の頃は芸能界で興味があるのはいいとこドリフタ―ズやお笑いタレントくらいだった。これは私だけでなく小学生男子なら誰でもそうだったろう。実際その頃アイドルにキャキャー言っているのは女子だけだった。その頃は たしか松田聖子や中森明菜がトップアイドルだったと記憶している。

 

 自分が興味が無い事に加えて、歌手やアイドルにキャーキャー言う人種が何か軽薄に見えたこともあり、テレビの画面で大学生ぐらいの男たち(いわゆる親衛隊)が揃いのハッピを着てハチマキ締めてペンライト振っている光景をみて「バカじゃねえの」と冷ややかな目で見ていたものだった。当時の小学館の学習誌や児童誌や少年誌などにはよくアイドルやスポーツ選手を題材にした「○○○○物語」など載っていたものだが、それに対してもスポーツ選手はともかくとして、アイドルの場合は「苦労したのは事務所やマネージャーだろ?」と、これまた冷ややかに見ていたものだった。

 

 

 中学生になると当時は「おニャン子クラブ」(今の「AKB48」のようなもの)が大人気でクラスメイトにはかなりハマった奴も何人かいたが、それでも私は興味が持てなかった。そりゃ顔を見れば「可愛いな」とは思うが、別に自分とつき合えるわけでもないし正直、歌や演技が上手いとも思えないし、まだアーティストのファンという方が理解できた。「宇宙刑事シャイダ―」のアニー役の森永奈緒美や「電撃戦隊チェンジマン」の渚さやか役の西本ひろ子に放映当時夢中になったが、それは特撮番組というファクターがあり、正直言えば劇中でのパンチラ目当てだったのでアイドルへのそれとは全く違っていたように思う。そしてそれは高校、大学になっても変わらず、社会人となって中年となった今でもそれは変わらない。実際、たまにアイドルオタやおっかけの実態をテレビやネットの記事で見るが、やっぱり理解はできない。

 

 そんな筋金入りの芸能オンチである私が唯一、好きだったアイドルが元祖コスプレアイドルと言われる漫画家の一本木 蛮先生だった。

 

 

「ファンロード」より