ペットの霊があなたを救う。私が実際に体験した愛犬のお話し・・・。 | ルアーフィッシング専門店ヘッドクォーターのブログ

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それが、心霊現象なのかどうかは定かではありませんが、昨日書いている途中ですべて消えました。

 

ちょっと心が折れかけて、一瞬、今年はやめようかとも思いましたが、やっぱり書きます。

 

 

 

私の拙い文章表現能力しかない、ノンフィクション短編小説にも関わらず、

 

年に一度のこのシリーズを楽しみにして下さっている方も少なくないようですので・・・。

 

 

2018年8月14日更新

お盆休みの夜の友人がの心霊体験・・・。

 

 

2019年8月17日更新

鈴鹿の山を甘く見るな! 思わずゾッとする私の不思議な体験・・・。

 

 

2020年8月13日更新

恐怖!先輩家族を襲った本当にあったお盆の恐怖体験!!

 

 

2021年8月13日更新

「カーブミラーの都市伝説」とそれにまつわる「本当にあった怖い話」。

 

 

 

 

そして、今年は記念すべき第5回目・・・・・。

 

毎年、お盆休みの読者の皆様に心霊現象の恐怖を身近に感じて頂いていたこのシリーズ。

 

 

 

記念すべき第5回となる今年は、

 

少し違ったアプローチで、私が実際に体験したお話しを書かせて頂こうかと思います。

 

 

 

 

 

 

ところで、皆さんって、人間だけでなく、動物にも人と同じように魂が宿っているって信じますか!?

 

 

 

動物も死んだら、人間同様、その御霊は肉体から抜け、成仏して、天に召されるという考え方・・・・・。

 

 

 

今回は、そんなお話しですが、恐怖に感じる方は恐怖に感じるかもしれませんし、

 

全く怖いと感じず、逆に心温まる話だったと感じる方は、そう感じるかもしれません。

 

 

 

読む方によって、感じ方が色々と異なるであろう、今回のお話しですが、

 

最後までお付き合い頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

最近、コロナ禍の影響でお家時間が増え、ペットを飼う御家庭が非常に増えているそうですが、

 

今から、約30年くらい前、日本に空前のシベリアンハスキーブームがあったのをご存知でしょうか!?

 

 

 

 

現在と違って、夏の平均気温がそこまで高くなかったこともあり、屋外で犬を飼う愛犬家は多く、

 

シベリアンハスキーやゴールデンレトリバーといった大きな犬を飼っているお宅がかなりありました。

 

 

 

ウチの実家も私が生まれる前から、幼稚園児くらいの間は、ジャーマンシェパードを飼っていたりして、

 

元々大きな犬が普通にいる家庭でした。

 

 

 

そして、私が小学生のころから、高校生くらいになるまで飼っていた秋田犬系の雑種が亡くなって、

 

数年たったころ、我が家に次の犬を迎えるということになりました。

 

 

 

その時にちょうど大人気だったハスキーを友達の家が飼っていて、

 

私はそのオオカミのような風貌と神秘的な青い目に一目ぼれ。

 

 

 

更にタイミングよく、兄の会社の先輩の御実家が、

 

当時、ハスキーのブリーダーをやっていたこともあり、

 

そこで生まれた仔犬を我が家に迎え入れることになりました。

 

 

 

 

仔犬を迎え入れるにあたり、養子縁組の日となる約1か月前にそのお宅にお邪魔し、

 

どの子をウチの子として、お迎えするかを決める初顔合わせの日・・・。

 

 

 

 

比較的多産型のハスキーですが、母犬が初産だったこともあり、三匹しか産まれず、

 

その中の1匹が我が家に来る候補犬となると当日知らされました。

 

 

 

当初、私は気持ちの中でブラックxホワイトのボディーカラーで、

 

ブルーアイの子がいたらいいなと思っていたのですが、

 

この初顔合わせの時に、私にとって運命の出会いとなる一匹の仔犬に出会うことになります。

 

 

 

母犬はブラウンxホワイトのブラウンアイ。

 

父犬はブラックxホワイトのブルーアイ。

 

 

 

そして、生まれた3匹の仔犬はすべてオスで、

 

ブラックxホワイトのブルーアイ。

 

ブラウンxホワイトのブラウンアイ。

 

シルバーのバイアイ(オッドアイとも言う。片方ずつ色が異なる目)。

 

と、狙ったかのように3色の体色と目の色に分かれた仔犬の兄弟が生まれたと教えてもらいました。

 

 

 

その中から一匹選ぶようにすすめられ、

 

当日現地に行くまでは、ブラックxホワイトのブルーアイの子を選ぶはずでしたが、

 

実際に仔犬たちに会って、私はある1匹の仔犬に完全に心を奪われてしまいました。

 

 

 

 

その子は、シルバーのバイアイの仔犬。

 

 

 

 

ハスキーを飼いたいと思い出した頃は、バイアイは絶対に無しだななんて思っていましたが、

 

実際にその子達に会ってみると、他の仔犬たちが警戒して母犬からあまり離れない中、

 

そのバイアイの仔犬だけは、すぐに私たちの元に駆け寄ってきて、

 

私の靴紐をかじって遊びだしたのをつい先日のように思い出します。

 

 

 

 

その姿を見て、私の心は、も~う完全にメロメロ・・・。

 

 

 

「その子だけは、眼が開いた瞬間にウーーーッて唸り声を出したのよ。物怖じしない性格なの。」

 

「茶色い子は一番大人しくて、黒い子は他の子より少し体は大きいけどマイペース。」

 

「その子が一番やんちゃ坊主だけど、好奇心旺盛で人懐っこい子ね。」

 

ブリーダーさんの奥さんがそう説明して下さったのですが、

 

そんなことお構いなしに、

 

私の心の中で、そのバイアイでオオカミのような美しいシルバーの毛を持つ、

 

やんちゃで人懐っこいハスキーの仔犬を我が家に迎える気持ちが完全に固まった瞬間でした。

 

 

 

そこから仔犬を母犬から離す60日を今か今かと指折り数えたゴールデンウィークの5月3日・・・。

 

 

 

ついにその子が我が家の一員となる日を迎えました。

 

 

母犬や兄弟たちと引き離され、兄が運転する車の助手席で私がずっと抱きかかえていましたが、

 

仔犬なりに、知らない世界に連れて行かれる不安と、母犬や兄弟たち、

 

今まで自分を可愛がってくれていたブリーダーさんの御家族との永遠の別れを感じたのでしょう、

 

私の腕の中でキュンキュン不安そうに泣く仔犬。

 

 

 

そして、母犬が淋しそうに遠吠えをする声が聞こえてきて、

 

本当にこれで良かったのかと自問自答しながら、

 

何があっても、絶対にこの子を最期まで大切に飼うんだという決意を新たにしました。

 

 

 

 

母犬から引き離されて、不安がらないようにと、

 

生まれてからずっと一緒にゲージに入っていたボロボロのバスタオルと、

 

ようやく食べるようになったパピー専用の缶詰のドッグフードを一緒に渡され、

 

その子は我が家にやってきました。

 

 

 

シベリアの犬種ということもあり、ロシアにまつわる名前にしようとその子に付けた名前は「バイカル」。

 

 

そう。あの「レイクバイカル」の地名から「バイカル」と名付けられました。

 

 

 

その日から、我が家ではバイカルとの楽しくもあり、また非常に大変な日々がはじまります。

 

 

 

ブリーダーさんと約束したオスのハスキーの若犬は朝晩最低2回、

 

少なくとも、5kmの散歩を欠かさないことという約束を守りました。

 

 

 

ハスキーはそり犬なので、一度GO!の合図を出したら、戻ってこないように元々作られているから、

 

その散歩コースは絶対変えてはダメで、だから迷子になる犬が多いとも散々忠告されました。

 

 

 

食べるドッグフードも、お米よりも遥に高級なものだし、

 

月一回の獣医さんでの健康診断も欠かしませんでした。

 

 

 

大きな犬、しかも、ハスキーのような体力のある犬を飼うということは並大抵のことではなく、

 

父も母も私も(兄だけは全くノータッチ・笑)若かったからやれたのだと、今になって思います。

 

 

 

手間も時間も体力も、イヤラシイ話、お金もかかります。

 

そして、イタズラも体が大きい分、被害も大きく、一度スイッチが入ると頑固なまでにやり尽くします。

 

とにかく飼うのが大変な犬種でした。

 

 

 

父曰く、ジャーマンシェパードの方が何倍も飼うのが楽だったそうですが、

 

その分だけ、愛情深い犬種で、

 

大きな図体の全身で抱き着いてくる甘え方にすべてを許せてしまう、そんな不思議な犬種でした。

 

 

 

あのハスキーブームの終焉が早かったのは、それだけ飼いきれない人が多かったんだと思いますが、

 

我が家のバイカルは、家族の愛に支えられ、

 

大きな病気をすることもなく、20キロを超える立派な成犬に成長しました。

 

 

 

 

 

そして、時は過ぎ、バイカルもシニアフードを食べる年齢となりました。

 

 

 

 

私は結婚し、実家を出て今の家に引っ越しました。

 

ちょうどそのころ、兄夫婦に待望の子供が生まれます。

 

これが、老犬となったバイカルにとっても大きな転換期を迎えることとなりました。

 

 

 

 

当然のごとく、初孫の誕生に私の両親は歓喜し、

 

それまで、すべての愛情を注いでいた対象が、バイカルから、孫に代わってしまいました。

 

 

 

そんな自分を取り巻く環境が変わってしまったのが、よほど淋しかったんだと思います。

 

 

 

バイカルからしたら、一人で放っておかれるよりも誰かと遊びたかったんでしょうね。

 

ある日、事もあろうか、近所の野良猫たちに自分のドッグフードを分け与え、仲良くなったものの、

 

そのお返しにノミをもらうという信じられないような事件が起きてしまいました。

 

 

 

そのことが発覚し、私と両親が口論になりましたし、

 

バイカルの世話を全くしない兄からは、

 

オマエの家に持っていけといったような冷たいことも言われました。

 

 

 

一瞬、それもありかとも思いましたが、ハスキーは群れのリーダーに従ってそりを引く犬種です。

 

彼にとっての群れのリーダーは、私では無く、あくまで父という認識ですから、

 

老犬となった彼を父のもとから引き離し、環境を変えるのはどうかという話になり、

 

結果、まだ新婚だった私が、仕事帰りに毎日、実家に寄って、

 

バイカルの様子を確認するということになりました。

 

 

 

休みの日には、散歩や獣医さんに連れて行ったりして、彼の幸せを第一に願い、世話を続けました。

 

 

 

その後、兄夫婦に2人目の子供が生まれたこともあり、

 

ますますバイカルにとっては淋しい状況になったと思います。

 

 

バイカルが12歳を迎えた頃、前脚に皮膚がんを発症しましたが、

 

老犬ですので、足の指を切断する除去手術をせず、薬で押さえる治療を選んだことで、

 

私の帰宅途中の実家通いは一日たりとも休むことは許されなくなりました。

 

 

 

ハスキーのような大きな犬は、小型犬に比べ短命ですので、

 

10歳を超えれば、いつあの世に逝ってもおかしくありません。

 

 

前脚に皮膚がんを発症しても、そんな素振りは全く見せず、

 

実家にも上がらず、ただ彼に会いに行くためだけに実家を訪れる私に仔犬の頃と同じように、

 

千切れんばかりに尻尾を振って、全身を使って甘えるバイカル・・・。

 

 

 

散歩に連れて行けば、若いころのように私が乗る自転車をガンガン引っ張っていく力は衰えたものの、

 

それでも、元気にお決まりの田園地帯の散歩コースを走るバイカル・・・。

 

 

 

犬の寿命は、人間よりうんと短いことなど、彼を飼う前から解っていたはずなのに、

 

そんな日々が永遠に続くことを願っていました。

 

 

 

 

 

 

しかしながら、そんな日々はいつまでも続くはずがありません。

 

 

 

 

 

 

 

バイカルが15歳を迎えた年の6月のある暑い日。

 

その日は突然やってきました。

 

 

 

当時、まだ独立して自分の店を経営していなかった私は、某量販店の店長をしておりました。

 

いつものように店に立って接客をしていた私の携帯が突然なりました。

 

発信元は私の兄。

 

 

 

普段、滅多なことで私に電話などよこさない兄からの電話なんて一体どうしたんだろうと電話に出ると

 

 

「バイカルがおかしい! ダメかも知れん。あぁぁ~もうダメだ・・・・・。」

 

と兄の悲痛な表情が目に浮かぶかのような内容。

 

 

 

「とにかく、病院に連れて行って!それくらいアンタでもできるだろッ!!」

 

 

半ば半ギレで、兄を電話越しに怒鳴りつけ、私は慌てて電話を切り、

 

同僚に事情を話して、すぐに早退し実家まで車を走らせました。

 

 

 

車に乗って一人運転していると、とめどなく涙が溢れてきました。

 

いつか来る、近い将来必ず来ると頭では解っていたことなのに、

 

いざその日が来るとそれをどうすることもできない無力さ。

 

 

 

もう絶対に助からないことを悟りながらも、バイカルとの永遠の別れを受け入れることができない自分。

 

 

 

そんなことを想い、とめどなく溢れてくる涙を拭きながら、車を走らせ、ようやく実家に到着した時、

 

実家の軽トラックに積まれた白い綺麗な箱が何であるのかを理解するのに時間はかかりませんでした。

 

 

 

そっとその白い箱を開けると中には、

 

見慣れたオオカミのような美しいシルバーの毛並みが横たわっていました。

 

 

 

 

 

でも、いつもと違うのは、千切れんばかりに尻尾を振って、全身で私に甘えてこないこと・・・。

 

 

 

 

 

眼を閉じ、乾ききった舌を少しだけ出して、横たわるその姿を見て、

 

改めてバイカルがついに逝ったんだなという事実を受け入れなければならないと思いました。

 

 

 

 

兄にバイカルの最期の様子を聞くと、

 

兄家族が買い物から帰ってきた時に小屋から出てきて、最後はキャンと鳴いて、

 

ガクンと崩れ落ちるように逝ったんだそうです。

 

 

 

 

私に電話した後、軽トラックの荷台に乗せ、

 

かかりつけの獣医さんに連れて行ったところ、

 

既に息絶えていたそうで、獣医さんの診断では心臓麻痺で最後は逝ったと・・・・・・。

 

 

 

 

獣医さんは仔犬の頃からずっと診ていたのに、

 

最後は何もしてやれなかったことを悔やみ、白い棺桶に入れてくれたとのこと。

 

 

 

 

ちょうど両親は旅行に行っていたタイミングで、

 

今夜も私は、仕事が終わったら、会いに来て、散歩の後にご飯をあげようと思っていたのに、

 

何で、このタイミングで!?

 

 

 

どうして最後は、一番可愛がっていた私の前で逝かなかったのさ!?

 

 

 

よりによって、一番可愛がってくれない兄貴たちの前で逝くなんて、水臭いよバイカル・・・・・・。

 

 

 

 

そんなことを想いながらも、いつまでも涙に暮れているわけにはいきません。

 

父と母の代わりに、

 

楽しい思い出をいっぱい残してくれた、

 

我が愛犬のためにお葬式の段取りをしなくてはいけないという現実がそこに待っていました。

 

 

 

獣医さんが紹介して下さったというそのお寺にアポを取り、明日、葬儀を行う段取りを組みました。

 

 

 

 

眠れぬ夜から一夜明けた翌朝・・・。

 

時間までに受付を済ませ、式をとり行うという指示通りにバイカルの遺体を連れて現地に向かうと、

 

既に私たちと同じく何組かのお葬式を行っている御家族がおられました。

 

 

 

その間に受付をするのですが、

 

お布施の金額により、供養の仕方が異なるというシステムだということをそこで知りました。

 

 

 

宗教法人とて、ボランティアではありません。

 

それはそれで仕方のないことです。

 

 

 

一番お金を収めると、その子だけの石碑のある立派なお墓にお骨を収めることになるのですが、

 

逆に一番安い金額だと火葬された後、共同墓地に収められ、そこに収められている証拠として、

 

飼い主の名前とそのペットの名前が記された小さなプレートが共同墓地の看板にはめ込まれるだけ。

 

 

 

そして、それも命日が近くなるとお寺から案内が来るので、

 

その時に定額のお布施をお納めしないと撤去されるという何ともお粗末なものでした。

 

 

 

兄は悲しみに暮れている私を見かねて、

 

いつでもお参りに来れるよう石碑を立てることをすすめてくれたのですが、私は断固としてそれを拒否。

 

 

 

理由は二つ。

 

 

 

一つは、私には子供がいないので、

 

私が死んだら、甥っ子たちがそのお墓を守ってくれるわけがないと思ったこと。

 

 

だって、生きている時でさえ面倒を見なかったヤツらがお墓参りなんて絶対するわけないですから。

 

 

 

 

もう一つは、ペットの霊と言うのは、

 

飼い主がいつまでも悲しんでその子のことを想い続けていると、

 

そこに未練が残りすぎて成仏できないばかりか、

 

転生して新たな命として生まれ変わることができないと聞いたことがあること。

 

 

 

その二つの理由から、共同墓地のプランを選択しました。

 

 

 

 

ほどなくして、私たちの順番となり、

 

人間同様の葬儀を執り行い、荼毘にふされたバイカル。

 

 

 

共同墓地のプランを選択したことで、

 

他の火葬されるペットたちと一緒に燃やされるため、

 

お骨を拾うこともできず、そこで永遠の別れとなってしまいました。

 

 

 

とめどなく溢れる涙。

 

 

 

嗚咽が止まらず、過呼吸になりそうでした。

 

 

 

そんな状態では、運転できないので、車に乗ってからも、駐車場で落ち着くまで、

 

随分長い時間、何も言わず、カミさんが私を見守って、待っていてくれていたのを今でも思い出します。

 

 

 

その日から、私のバイカルに会うためだけの実家通いの日々は無くなったのですが、

 

毎年、6月になるとお寺から命日の案内が届くので、

 

命日に近くなると、お線香とバイカルが好きだったものを持って、

 

お参りに行くことが我が家の年一行事に組み込まれました。

 

 

 

初年度、二年目、三年目と両親も一緒に行っていたのですが、

 

三回忌を境に行かなくなりました。

 

 

両親は、毎回、毎回、何百、いや何千とあるプレートの中から、

 

バイカルのものを見つけるのに物凄く時間がかかることにも、

 

正直うんざりしていたようでした。

 

 

 

その間の私は、完全なペットロスに陥り、

 

他所様の御家庭のハスキーを見るだけでもバイカルのことを思い出し、

 

時には涙が溢れてくるという重症っぷりでした。

 

 

 

頭では解っているんです。

 

 

いつまでも悲しんでいては、バイカルも成仏できないし、

 

アイツもそんなことは望んでいないことなんて・・・・・。

 

 

 

 

そんな悶々とした状態が続き、

 

カミさんと二人で行って、

 

また、毎年と同じように一生懸命プレートを探した4回忌を終え、

 

さらに一年が過ぎて5回忌のことです。

 

 

 

あの日から5年の月日が流れ、

 

いつしか、かけがえのない家族だったバイカルと過ごした時間よりも、

 

新しく家族となったカミさんと過ごした時間の方が長くなりました。

 

 

 

そう。あれから5年もの月日が流れたんです。

 

でも、私の気持ちだけが、あの時止まったまま・・・。

 

 

 

お寺に近づくたびにバイカルと過ごした日々が思い出され、

 

あの日のことが走馬灯のように甦ってきます・・・・・。

 

 

 

お寺に到着すると、駐車場に車をとめ、お寺に足を踏み入れた私たち。

 

 

年に一度訪れるようになって五年。

 

 

 

 

 

 

毎年、見慣れた景色であるはずのその情景が、この日ばかりは、少し違って見えました。

 

 

 

その原因は、私たちがお寺の敷地内に入ったと同時に私の足にまとわりついてきた一匹の白いネコ。

 

 

子供の頃、飼っていた小鳥やウサギなどをことごとく野良猫にやられたことで、

 

正直ネコにあまり良い印象をもっていない私。

 

 

犬派か猫派かで言ったら、誰が何と言おうと私は完全に犬派。

 

 

そんな私のことを知ってか知らずか、

 

ネコに向こうから懐かれるなんてことはそれまでの人生一度たりともありませんでした。

 

 

 

はじめは、こういったペットのお墓があるところは、

 

お供えに生前その子が好きだったものをお供えするので、

 

どうせそれ目当てに来てる、意地汚い野良ネコだろうと思いました。

 

 

 

この白いネコ、私の足にまとわりついてきて、しばらくしたと思ったら、

 

私たちの少し前に歩み出て、振り返り、私とカミさんの顔を見上げると

 

「ニャア~~~。」と鳴きました。

 

 

 

 

そして、私たちが進むと、更にまた前に進んで

 

「ニャア~~~。」と鳴く。

 

 

 

 

さらにまた前に進むと、私たちの顔を見上げて

「ニャア~~~。」

 

 

 

 

そんなことが数回繰り返された時、私は思わず絶句しました。

 

 

 

 

私を見上げるその猫の目の色・・・・・。

 

 

 

 

右目は深い湖のような青い色をしたブルーアイ。

 

 

そして、左目は広大な大地のような色をしたブラウンアイ。

 

 

右目が青で、左目が茶色。

 

 

そう。その猫はバイアイを持ったネコだったのです。

 

 

 

 

しかもそのカラーパターンは、

 

私が生前、一心に愛を注いだ我が愛犬、シベリアンハスキーのバイカルのそれと全く同じパターン。

 

 

 

 

犬はハスキーなど犬種によって、バイアイは出やすいのですが、

 

ネコのバイアイは、マンという種類以外はなかなか出にくく高額で取引されることが多い。

 

 

 

マン自体も飼育頭数が少ない珍しいネコなので、高額だし、わざわざ捨てるとも考えにくい。

 

 

 

それにこのネコ、野良にしては、綺麗すぎるだろ・・・・・!?

 

 

 

その時、私は直感で思いました。

 

私を先導して前に進んでいく、何だか懐かしいこの感じ・・・・・。

 

 

 

こうやって、私を先導して自転車を引っ張り、来る日も来る日も散歩しに行ったこの感じ・・・。 

 

 

 

そうだ。間違いない! このネコ、バイカルだ!!

 

 

 

 

そう直感で感じたのですが、なぜだか口に出すのをためらった私。

 

きっと、変なことを言うと、カミさんは怖がるだろうし、言わない方がいいかな??

 

 

その時はなぜかそう思ったんです。

 

 

 

どんどん前を進んで、バイカルが埋葬されている共同墓地の方に進んでいく、

 

青と茶色の目を持ったバイアイの白いネコ。

 

 

 

カミさんがこんなことを言いました。

 

「この子、私たちをバイちゃんのところまで連れていってくれるかもね~??」

 

 

 

その時は半分冗談で言ったと思うんですが、この後、それが現実のものとなります。

 

 

 

共同墓地のところまで私たちを誘導するように歩いて行ったバイアイの白いネコ。

 

 

ウチのプレートだけでは無い気が遠くなる枚数のプレートが張られた、

 

その場所のあるピンスポットで座り込むと、コチラを見上げて、

 

「ニャア~~~~。」

 

と一声、鳴きました。

 

 

 

 

ネコが鳴いたその場所を探すと、あっさりと見つかったバイカルの名前!!

 

 

 

どうやったって、話が出来過ぎていますが、これは目の前で起きている事実・・・・・。

 

 

私は、そのネコがバイカルの生まれ変わりか、

 

はたまた、バイカルの御霊が、

 

姿を変え我々の前に出てきてくれているのだという確信めいたものを強く感じました。

 

 

 

五回忌のお参りが無事終わり、

 

帰ろうとする私たちを今度は先導することなく、

 

ピタリと横に並んで歩くネコ。

 

 

 

目の前に近づいてくる門をくぐると駐車場があり、バイカルと思われるネコともお別れです。

 

 

なんだか、とっても淋しい気持ちが襲って来ました。

 

 

一瞬、連れて帰ろうかととも思いましたが、ネコなんて飼うとか言ったら、

 

きっと親族みんなドン引くだろうな・・・・・。

 

 

そんな気持ちを察したのか、

 

門のところまで来ると、そのネコはくるりと方向を変え、コチラを振り向いて、

 

「ニャァ~~~。」

 

と一声鳴いたかと思うと、私たちを先導してきた時とは違って足早に去っていったのでした。

 

 

 

私にはその姿と、最後にこちらを振り向いて一声鳴いたその鳴き声が、

 

 

「もう、いつまでもそんなにくよくよしないでよ。」

 

「ボクは向こうで元気にやってるからさ。」

 

「ボクのことなんか忘れて前に進んでよ。」

 

「また会いたくなったら、いつでも夢の中であえるからさ。」

 

「さぁ!前に進んで!!いままで、どうもありがとう・・・・・。」

 

そうやって、いつまでもペットロスにウジウジ悩んでいる私の背中を押してくれた気がしました。

 

 

 

何だか色んな思いが交錯して、

 

帰りの車中、黙って車を運転していた私にカミさんが急に妙な言い出しました。
 

 

 

 

「あのネコちゃんってさ。バイちゃんだったかもね。うん。きっとそうだよ。あの子バイちゃんだよ。」

 

話を聞くと、実は、カミさんもずっと私と同じことを考えていたそうです。

 

 

 

それから帰りの車中、二人で話し合い、

 

本当の意味でバイカルにちゃんと成仏してもらうためにも、

 

今年の5回忌を区切りに、お寺へのお布施もお参りもやめよう。

 

 

 

私が愛したバイカルはいつまでも私の心に行き続ければいいんだから、

 

いつまでも、ウジウジ悲しんでいないで前に進もう。

 

 

 

そのきっかけをあのネコ、いや、バイカルがネコに姿を変えて伝えに来てくれたんだから、

 

それに答えようと決めたのでした。

 

 

 

あのバイアイの白いネコは、ただの野良猫だったんでしょうか?

 

私は、今もあのネコにバイカルが姿を変えて、

 

私に大切なメッセージを伝えに来てくれたんだと信じています。

 

 

 

 

 

さて、毎年恒例となりましたこのシリーズ。

 

今回の第5回を持ちまして、最終回とさせて頂こうかと思います。

 

 

 

また書いて欲しいという要望が多ければ、またどこかでお会いすることがあるかもしれません。

 

 

これ以外にも本当にあった怖い話のネタは、まだ色々ございますので、

 

私の怪談話なんかに興味があるという方は、

 

ヘッドクォーター店舗にお越しくだされば、直接お話しさせていただきます。

 

 

 

今まで、御愛読いただきましたオカルトファンの皆様、

 

毎回、長文にも関わらず、最後までお付き合い頂き有難う御座いました。

 

機会が御座いましたら、またどこかでお会いしましょう。   ~おしまい~